「ハイエンドギター」を自分なりに定義したい

こんにちは。
機材オタクの瀬田コルネです。

今回はタイトル通り、ハイエンドギターってなんだろうかって考えてみました。


良い響きですよね、ハイエンド。
俺は好きです。SuhrとかPRSとか、1本くらい持ちてえな〜って思います。

元々は、高性能な〜、とか、最高級の〜、とかって意味だそうです。

では、値段が高ければなんでもハイエンドなのか、と聞かれるとそうではないように思います。
フェンダーカスタムショップとか、間違いなく高いですけどね。じゃあ「それがハイエンドなのか?」と聞かれるとそうじゃない気がします。
値段じゃなさそう、とは思いますが、じゃあ何なんだろうか、と。

別のものの喩えですが、個人的には、スーパーカーとレースカーの違いな気がします。

フェンダーやギブソンはスーパーカー、SuhrやPRSはレースカー、というイメージが個人的にしっくり来ましたので、それで話を進めたいと思います。

スーパーカーと言えば、個人的にはランボルギーニカウンタックが思い浮かびます。
あの角張ったデザインに、最高速度は300km/h。
ロマンが詰まってますよね。ときめく。

ですが、現在は他にも時速300kmを超えるような車はありますし(なんなら今の車はもっと速い)、カウンタックのデザインは空力的には決して優れている訳ではありません。あと、旧車は故障も多いみたいですね。

言うなれば、現行よりも劣っているのです。にも関わらず、カウンタックを始めとするスーパーカーには、今尚多くのファンがいます。
つまり、「性能でないところに魅力を感じる」というファンがいる訳です。

ギターの話に戻りますと、私は「手持ちのストラト、黒柿の欠点は21Fしかない事」と考えていますし、「SG、千草は塗装の端々が雑だなぁ」って思ってます。
それでも、少なくとも今現在、これらのギターを手放そうとは思っていません。
「しょうがねえなあ」って思いながら弾いてます。
音や弾き心地が気に入ってるんですよね、なんか。
そういう、魔力を秘めたものが「スーパーカー」、「ハイエンドじゃない高い機材」なのではないか、と思う訳です。


対して、レースカーは「レースに勝つための車」です。
無駄を削り、必要な機能を残し、性能を上げ、勝つという目的の為の車です。
勝つ為に技術を磨き、また、新たに開発し、それらを組み込んだ車は、全てが理に適った形をしている、と思います。
これは個人的な意見ですが、「理屈」と「ロマン」は両立しないもの、と考えています。
空力的に最も優れた形には機能的な美しさはあるかもしれませんが、逆に、それをとことん突き詰めたとすれば「どれも同じ形」になります。
全く同じ見た目のギターだけしかない世界は、多分、とても退屈だと思います。
ロマンは無駄の中にある、というのが私の持論です。
ギターであれば、「弾きやすい形とは何か」、「出せる音の幅を広げるにはどうするか」という事を徹底的に突き詰めていく、と置き換える事になるかと思います。
意匠権がなければ、恐らくどのギターも同じ見た目になると思います。

理屈を突き詰めた先にある「機能美」もまた、一つの正解である、とは思いますが、機能美については流行り廃りがあります。
古い理論よりも最新の理論の方が優れている、となった場合には、「じゃあ新しいのが良い、古いのはいらないや」となる訳です。
開発当初から形が変わらない(厳密にはまあ変わってるけど大枠として)ストラトやレスポールなどとはそこが違うよな、と思う訳です。
ストラトは何年経とうがストラトの形してますからね。効率とかと関係なしに。

弾きやすさを重視したギターといえば、個人的にはストランドバーグが思い浮かびます。
エンデュアーネック、軽量かつ抱えやすいボディーなど、それらは全て演奏者の弾きやすさの為に、人間工学に基づいて考えられたデザインです。
もしこれが、研究が進み、「最も効率的なのはこれじゃなかった」となれば、恐らくは、ギターの形を変えて販売される事でしょう(『クラシックスタイルがお好みの方の為に』的な事を言って、旧デザインの方も売ってるでしょうけど)。

そのようにして作られたレースカーの性能は、もちろん、市販車とは比べるまでもない程圧倒的に高性能です。
乗った事はないですが、おそらく乗りやすいと思いますよ。速度が速いから、それに慣れなければ乗れないでしょうけど。
レースカーとは、技術の結晶、という、また別のロマンの形だと思います。

ハイエンドギターも、そのメーカーの出したい音についての技術を磨き、積み上げて、それを形にしたものだ、と思います。
個人的にはSuhrの哲学が好きです。「ヴィンテージに限らずとも良い音の楽器は作れるはず」みたいな考え方だったと思いますが、そういう信念があるメーカーはカッコいいな、と思います。矜持。

そんな訳で、タイトルにある、ハイエンドギターとは?という疑問については、
「メーカーが、自身と顧客が求める音に対して妥協なく研鑽を積んだ機材」
と考えています。
個人的には、メーカーなりの新しい技術とか積んでほしいですよね。デザインでもいいですわ。
どうせなら、他メーカーと違う個性、売りが欲しいじゃないですか。
買う時に、「じゃあ他のでいいや」ってなったら、それはもうハイエンドの意味がない(=普及帯のものと同じ)と思いますし。
ガッツリ技術を磨ききって初めて「ロマン」になる、って考えると、ハイエンドもなかなか厳しいですけどね。「じゃあ古いやつをいかに真似するかに注力しよう」って方が楽なのかもしれません。真似すべきお手本がある訳ですから。

色々書きましたが、個人的には「推せる理由があればなんでも構わん」の精神で機材を選ぶ方がいいです。
ハイエンドでも、そうでなくても。
逆に、どんなに良くても、なんらかの理由で「推せない」のであれば、それを持つ必要はないとも思います。


推せる機材、欲しいですね。なんぼあってもいいですからね。財布が死ぬだけで。
まあ今既に欲しい竿が何本かあるんですけども…………困る…………。そしてなんでか、まだ尚探してる……………困る…………………。


と言ったところで、本日は以上です。
That's all for today!

この記事を読んだ皆様が、より良い機材に出会えますように。

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