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セルヴェの考え

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イタリア、ジェノバからペルーを向かう! そこでは思いもよらない事件に巻き込まれつつペルーの太陽の島へ向かった。 果たして、目的地に無事着くことはできるのか。
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セルヴェの考え♯6 注文の少ない料理店

セルヴェの考え♯6 注文の少ない料理店

セルヴェはタクシーを降りて、目の前のレストラン風のコーヒー店に入った。
内装は至って普通。ソファー付きのテーブルが3つ、イスのタイプが5つ、カウンターが5つある。
ただ、気になったのは、なぜか内装がすべて青いこと。勿論白い部分もあるが、青が圧倒的に多い。

そんなお店にセルヴェは入った。
セルヴェはカウンターに座ることした。
すると、店員さんが来る。

おはようございます。なににしますか?

やあ

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セルヴェの考え♯5 レストランを先に

セルヴェの考え♯5 レストランを先に

セルヴェは朝目覚めると、次の目的地にレアル・フェリペ要塞に向かう事にした。

とりあえず一服するか。

そう言うとパイプにマックバレン・ヴァージニアの葉っぱを入れて、マッチで火を付ける。

セルヴェは腕時計を見る。朝の8時25分だ。
昨日、寝る前に今日1日の予定を組んでいた。人は旅行や人生に計画を立てる。この1週間はこの場所に行って、ショッピングをして。人生計画はこの大学に行って研究をして、博士号

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セルヴェの考え♯4 コンドルは行く

セルヴェの考え♯4 コンドルは行く

23日目の朝、セルヴェはシャワーを浴びていた。
浴びながら小さい窓の先の海を観る。

今日でこの船とお別れか、世話になったな。

そう感慨深く言う。

シャワーを浴び終わると、ベッドのそばでパイプを吹かす。
なにか思い残すことはないかと考えていると、船内のアナウンスが鳴る。そのアナウンスは「波が強いためカヤオに着く前に、チョリヨスの港に一度停船します」との事だ。
波が強いと、転覆事故になり兼はねな

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セルヴェの考え♯3 ゴッドファーザー

20日目の16時頃、セルヴェはバーにいた。

いつものカウンターに座ってカクテルを飲んでいる。
そこにマックがやってくる。

やあ、セルヴェ、今日は何飲んでいるんだ?

マックか、ゴッドファーザーだよ。

ゴッドファーザーか、マリオ・プーソの小説ゴッドファーザーが由来のカクテル、アマレットとウイスキーで作る。飲みごたえがあるな。

ああ。

ん? どうしたセルヴェ? 体調でも悪いのか?

いいや。

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セルヴェの考え ♯2 パナシェとグラスホッパー

セルヴェの考え ♯2 パナシェとグラスホッパー

海の上をカモメが優雅に飛ぶ。かもめのジョナサンを思い浮かべるような鳥だ、凛々しく飛んでいる。
これにセルヴェが話す。

麗な朝だな。まるで映画にでそうだ。

と、パイプを吹かす。パイプはリバプール型だ。

このパイプはこの船で知り合った男性、カサブランカで降りた人に頂いたものだ。モロッコはすべて青い街があると聞いた。その人は革製品を作る仕事だそうだ。
その男は小柄で、落ち着いている。カサブランカに

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セルヴェの考え ♯1 セルヴェの日記

セルヴェの考え ♯1 セルヴェの日記

「真実のない生というものはありえない。
真実とは多分、生そのものであろう。」

No hay tal cosa como la vida sin la verdad. La verdad es probablemente la vida misma.
フランツ・カフカ

イタリアのジェノバ、港近くでマトリョーシカ作家として活動するラーバノ・セルヴェ。
この日も彼の工房でマトリョーシカを作っていた

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セルヴェの考え

セルヴェの考え

・あらすじ
イタリア、ジェノバに住むマトリョーシカ作家兼画家のラーバノ・セルヴェ。
ある日、マトリョーシカ工房でラジオを聴いているとペルーの太陽の島を知る。
その後バッグ1つを持ち、直ぐに船に乗りジェノバからペルーに向かうことにした。この旅の日記を付けることにする。
その客船ではお酒を交わすような友ができる。その友はアルゼンチンで降りた。
ペルーに着いたセルヴェは、観光名所を観ながら太陽の島に行く

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