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取締役に昇進したかどうかの違いはどこにあったのか?:みずほ銀行に勤めている◯年前の私へ(西新宿支店編7)

肩書きや役職などで人を評価するのは本質を知らない人の浅知恵である

西新宿支店で働いている時、二人の支店長に仕えました。

お二人のうち、一人はその後取締役になり、最終的には常務取締役まで出世されました。一方、もう一人の方は、残念ながら取締役にはなれず、出向されました。

このように書くと、前者の支店長は優秀で、後者の支店長は前任者ほど評価されなかったと思われるかもしれません。

実は私自身も、後者の支店長からは厳しく指導されたので、個人的には正直あまり好きではありませんでした。

しかしながら、銀行を辞めて、客観的に振り返ってみると、お二人の差は支店を取り巻く経済環境による要素が大きかったように感じます。

以前の記事で、西新宿支店の在任期間の後半になって様子が一変した旨を書きました。

そして、

・常務まで昇進された支店長の時代:バブルの最後の一花が開いた時
・取締役に昇進できなかった支店長の時代:バブル崩壊後の事後処理の時

です。

つまり、その人が優秀かどうか、人格が優れているかどうかに関わらず、業績を上げやすい時の支店長だったのか、業績を上げづらい時の支店長だったのかという大きな違いがあったのです。

したがって、もし、支店長に赴任された時期が逆であったら、その後のお二人の銀行員生活も逆であった可能性があります。

人が自分一人の力でできる仕事には自ずと限界があります。バブルの崩壊や新型コロナウイルスの蔓延など、一人が頑張ったところで、何かが大きく変わるわけではありません。

また、同じぐらい努力しても、高度成長期であれば業績を簡単に伸ばせたのに、経済が右肩下がりの時代は、昨年と同じ売上を確保するのがやっとであるということも少なくありません。

そして、その仕事に対する評価は他者が行うので、自分としてはやり切ったつもりでも、経営者として低い評価を下されることがあります。このため、人から評価されないと、大きく落ち込む人もおられます。

先の取締役には昇進できなかった支店長も、支店長時代には取締役に就任されることに高い意欲を示しておられただけに、最終的にその夢叶わなかった際には、かなりがっかりされていたはずです。

我々はあまりよく知らない人を判断する際に、その人の

  • 肩書きや役職

  • 年収

  • 会社の規模

  • 過去の実績

を基に優秀なのかどうかを決めがちです。

けれども、これらのことはその人を構成する要素の一部です。また、仮に大企業の社長さんであっても、その方の実力とは別に、またまのタイミングや運の巡り合わせによって、その地位と実績を掴んだということもあります。

そして、間違いなく言えることは、肩書きや実績などで人を評価する人は、自分も他人から同じような基準で評価されてしまうということ。

人は多面的な要素を持ち合わせています。恥ずかしながら、銀行員時代は上司である支店長を「自分を評価してくれるかどうか」でしか見ていませんでした。

しかしながら、自分が起業していろいろな経営者と接していると、人の本音も本質も深く掘り下げないと分からないのを実感しています。

なお、事業承継においても、二代目社長が一生懸命頑張っていても、先代社長がきちんと評価してくれないということがあります。

その際は、二代目社長が「三つの位置」を変えることで、先代社長との葛藤を乗り越えることができます。
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