【稽古日誌】カスケードとカテーテル #9

2022.4.19(火)

今日は通し稽古(最初から最後まで止めずに行う稽古)と後半部分の動きの整理と修正をしました。本番が10日後に迫り、作品の精度を上げていく段階です。

今作について、ネタバレにならないようにして触れていきたいと思います。

今回の作品は、前作『 - ひきょう - 』とテーマが反対な作品だと私は感じています。
前作は、大きく言えば「生活」のお話でした。作中で触れられる範囲は幅広く、政治的な問題から身近な人間関係、そして現代における宗教性まで。そしてそれらの問題の中心・作品の核は、舞台中央に置かれていたテーブル・椅子=「生活」だったように私には見えました。
一方、今作『カスケードとカテーテル』は稽古当初に演出のもこさんが「今回、生活はやらない」と宣言していた通り、「生活」は一部要素として出てきますが重要なテーマは担っていません。
代わりに今作で問題となるのは、ある登場人物2人をつなぐ、ある「モノ」だ、と私としては感じています。『 - ひきょう - 』ではある意味、その「モノ」は自明のものとしてありました。政治状況に左右されて危機に立ち至ってはいても、「モノ」は確かにある前提から始まっていました。
しかし、今作はその「モノ」が「絶えた」ところから始まっています。「モノ」が確かにあった『 - ひきょう - 』は舞台が田舎でしたが、絶えている今作は都市的なお話 (曖昧な異空間が舞台ですが)と言えるかもしれません。

ラストシーンを観た方が受け取るメッセージは、「モノ」がつなぐ2人に感情移入できるかどうかで変わると思います。ぜひご観劇いただき、どんなものを感じたかアンケートなどでお聞かせいただければと思います。

どうぞ、4/29~5/1は神宮前の会場へお越しください!

演出助手 寺原航平

公演詳細・ご予約はHPから!
カスケードとカテーテル | COoMOoNO

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