【稽古日誌】カスケードとカテーテル #8

2022.4.16(土)

今日は昨日の続き、作品の後半部分の立ち稽古(台本を置いて舞台上で実際に動く稽古。台本を持った稽古は半立ち稽古と言います)でした。
後半は登場するキャラクターたちが何を思ってここにいるのかが明らかにされていき、ドラマに拍車がかかります。

稽古場にいると、どうしても前作『 - ひきょう - 』と重ねて見てしまうのですが、主として描かれている人物像が反対のように私には読めました。面白いのは、反対のように読めても2作品とも演者の演技の質が同じであることもあり、別の世界の話には見えないことです。台本上まったく違う場所設定ですが、おそらく『 - ひきょう - 』の世界の中に今作の場所もあるのだろうし、逆もまたしかり。
手法を確立して作品を創作している団体はさまざまありますが、その多くは日常から逸脱した体の使い方や声の出し方で団体独自の世界観を立ち上げています。
そうした場合、確かに手法的には統一されていて見るに美しくその狙いを理解できても、「なぜその手法をとるのか」ということを観客は理解できないまま、しかし作品内容としてそこへは触れないからさして問題になることもなく、劇場を後にするということが往々にしてあります。

COoMOoNOが他の団体と一線を画すのはその点にあると思います。日常と作品が、「実際的に」一本の糸で通っている。その糸への信頼の強度が、私には不思議なまでに作・演出を担当するもこさんは強いように感じます。
4月13日の稽古日誌にもこさんが書いていたことが上述のことの核になっていて、作品をご覧になる上で読めば今作が何を言いたい作品なのかを一層ご理解いただけると思いますので、引用して終わりたいと思います。

「一番大切なのは、(略)演技とはなにか、さらに演技・演劇を通じて、私たちはどうやって生きているのかを問うことにあると思っている。(略)「今そこに、確かに存在している」と実感できるために全ての過程があり、その実感が、もうひとつの現実以上の現実を連れて来る。」

演出助手 寺原航平

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【公演詳細】

COoMOoNO
『カスケードとカテーテル』

2022年
4月
29日(金祝)16:00/19:00
30日(土)15:00/18:00
5月1日(日)15:00/18:00
※開場は開演の15分前 ※上演時間は70分を予定しています

場所
STUDIO & SPACE IVVA
(東京都渋谷区神宮前4-25-35 B1 表参道駅より徒歩8分)

料金
一般3,500円 学生2,500円

出演
畑中研人 松本優美 高柳蓉季 三木柚芳 松室隆教

作・演出
伊集院もと子

演出助手
寺原航平

制作
COoMOoNO

ご予約
COoMOoNO『- カスケードとカテーテル -』チケット予約フォーム (shibai-engine.net)

問い合わせ
info@coomoono.com

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