【稽古日誌】カスケードとカテーテル#14

2022.4.27(水)
今日は稽古場での最終稽古でした。衣装を着ての物語中盤の抜き稽古(シーンを抜粋しての稽古)と、止め通し(気になった箇所を適宜修正しながらの通し稽古)を行いました。
衣装を着て止め通しをすることで、以前演出のもこさんが言っていた「カッコいいアンダーグラウンド」な雰囲気が色濃く出ていました。明日、会場に入って照明・音響と合わせてゲネプロ(本番同様に行う通し稽古)をしますが、会場とすごく合うだろうなという予感がして、ワクワクします。
今日抜き稽古や止め通しでかかった修正は、全体として物語のリズムを整えるような修正でした。
たとえば、「ずっとここに居たい……。だって、」という台詞の次に回想シーンに入る、という場面。音楽の煽りも入りますが、その台詞に繋がるまでの会話を徐々にクレッシェンドしていくかたちの方が、そうしない状態よりも回想シーンにノっていける。あるいは別の場面では逆に、前の静かな場面の雰囲気をあえて壊して新たなリズムを作っていく、ということもあります。
私が観たことのあるコモノの舞台・物語が、どれもどこかへ連れていってくれる感覚を催すのは、これまでの稽古日誌で書いてきたような会話の稽古によって個を失わずに舞台にいる演者が、上述の、物語全体のテンポ感を工夫しているからなのでしょう(もちろん、音響や照明の効果もあります)。
気持ちよくリラックスして観ていただくのが一番ですが、そんなところにも思いを向けてみると、また面白いかもしれません。

演出助手 寺原航平

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