見出し画像

【アゼルバイジャン暮らしの日記】漏水と南極と寿司と鴨しゃぶ。

2024年1月15日

週末に出かけているうちに、客間のバスルームで、上階から漏水があり天井から水が滴っているという厄災。瀟洒な縁飾りの付いたバスルームの天井に、薄茶色のしみが広がっている。まあこういうのは仕方がないよね、と半ば諦めの境地で大家さんに電話。マスチェル(工事人)を寄越してくれるそうだ。

月曜日。朝のうちに、食料品の買い物に出かける。のんちゃんが近所の大きなスーパーマーケットに、車で連れて行ってくれる。(私は壊滅的に運転が苦手なので、アゼルバイジャンでは運転をしていない。)午前中のスーパーマーケットは、空いていて、新鮮な商品もたくさん並んでいて好き。冷蔵庫が空っぽなので、野菜をたくさん買う。白菜、ほうれん草、ぴりっと辛い青菜、葱、とんがりピーマン、まだら模様の茄子、それににんにくをたくさん。野菜の備蓄がたくさんあると、料理をする気力が湧くというもの。それにローストビーフ用に牛の赤身も買う。そのほか、一週間分の食べものをたっぷり買って、ほくほくと帰宅。

昼は、のんちゃんとアメリカ人のお友だち(ディージェイ)とその友人たち、みんなで連れ立って日本食レストランにお寿司を食べに行った。実はこのお店は、ディージェイのゆきつけの店で、すっかり私たち日本人の気に入った。持つべきものは、グルメな友だち。私は、握りの盛り合わせ(かにかま、サーモン、鮪、うなぎ、煮えび)を頼んで、鮪の刺身とたたきをシェアにした。ネタの種類が少ないのは仕方がないものの、とても新鮮だし、ロールが全盛の海外において、ちゃんとした握りを提供してくれるのはうれしい。

家に「出前」してもらうのも楽しい。

初めましてのお友だちが4人、それにディージェイとのんちゃん。スキーリゾートの話や、ホリデーの話から、次の任地の予定の話などをしていると、ディージェイが、あとは南極大陸だけが未踏と言う。そこからみんなで盛り上がり、では2025年の12月にアルゼンチンで待ち合わせをして一緒に南極に行こう、という話になる。2年後、いったい私はどこにいるんだろう(まだバクーにいるかもしれないけれど)。不確定であるにせよ、こういう未来の希望のある計画の話は楽しいね。

帰り道、もう一軒グルメスーパー(紀伊国屋みたいなところ)に寄って、鴨肉とルッコラを買った。それからドイツのドラッグストア(ロスマンズ)で、良い香りのバスソルトをいくつか買う。

夕方、マスチェルたちが、水漏れの具合をチェックしに来てくれた。たぶんこれは上階だね(私もそう思った)、天井裏を見てみるからはしご貸して(なぜ持って来ない)、うんやっぱり上階からだね(うん私もそう思うよ)、上階はいま空き家だから、コンパウンドのマネジメントを通じて鍵を開けてもらうよ(お願いします)、というやり取りなどして10分足らずで帰っていった。とりあえず今は水は止まっている、ひと安心。

ももちゃんめっちゃ見てる。

夕飯は、買ってきた鴨でしゃぶしゃぶにした。半解凍で薄切りにして、だしを取ってそばつゆを作り、それを鍋に張った。野菜は潔く、ルッコラだけ。クレソンでも美味しい。こういうのは、ゆっくり食べるのがいい。夫が早く帰ってきたので、ワインも抜いてふたりで鍋をつつきながら、のんびり食べる。鴨の肉に、柚子胡椒をちょっとのせて食べるのがいい。今日はなぜか、オランダの思い出話をたくさんした。しめに、蕎麦を茹でてしゃぶしゃぶする。鍋だしには、すっかり鴨の脂や旨味が溶けているので、とても美味しい。

ワインは、ジョージアのカヘティ地方(ワインの一大産地)でワイナリーを訪ねた時に購入したアンバーワイン、ルカツィテリ葡萄のもの。造り手とすっかりお知り合いになったせいもあって、お友だちのワインを飲んでいるみたいな気持ちで楽しい。ジョージアのクヴェヴリという瓶を土の中に埋めて作るワインも、ずいぶんいろいろなものを飲んでみたけれど、けっこう値段も質もばらつきがある印象。その中で、彼のワインは華やかな香りがあって、雑味がなく、しかもお値段がお手頃で、すこぶる私たちの気に入った。口に含むたびに、白い花みたいな香気がする。アンバーワインは、最初の数カ月間、皮と種を一緒に醸造するので、赤ワインのような軽い渋みもあるから、きりっとしたものは、和食の軽い肉料理に合わせるのが好き。

お腹いっぱいだね、とそのまま寝てしまった(今日はジムに行かず)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?