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食べ物のありがたみに泣いた日 -序章-


子どもの虐待防止センター 支援・関連団体


夕飯はハンバーグだったから、

玉ねぎをみじん切りにして 飴色に炒め冷ます。

その間に、ボールに合挽ミンチと卵 塩コショウ、ナツメグ、パン粉を入れ、

冷ましておいた飴色玉ねぎを加えて一気に具を捏ねる。


ハンバーグのタネを捏ねる時にはいつも、4歳の時に初めてみた

友達のお母さんがハンバーグのタネを捏ねている姿を思い出す。


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その日、
ワタシは同じアパートに住む一つ年下の友達の家に遊びに行っていた。

ハンバーグを食べたことがなかったし、

子供のワタシには大人が粘土で遊んでいるように見えたから、

おばちゃんは何して遊んでいるの?と、

せっせとハンバーグのタネを捏ねている友達のお母さんに質問したのを覚えている。

友達のお母さんは、

ハンバーグを作ってるのよ!
Cooちゃんも食べたことあるでしょ?
Cooちゃんのお母さんはどんな形のハンバーグを作ってくれるの?

などなどと、言っていたように思う。


ワタシが食べたことないと答えると、

親切で優しい友達のお母さんは、ワタシを自宅に送るとき、

Cooちゃんにも作ったから焼いてあげてください!と、

ワタシの母に形成したハンバーグのタネを渡した。


大人になった今でも ハンバーグのタネを捏ねると、

体が少し痛いな・・・と感じる。


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友達のお母さんに丁寧にお礼を言いながら母は自宅のドアを閉めてから

ワタシを突き飛ばした。

鬼のような形相でワタシに近寄ってきて、肩掴み揺さぶりながら

友達のウチで何を話したのだ!


と、ヒステリックに怒鳴りながらワタシを叩いたり蹴ったりしてきた。


だから今でもハンバーグを捏ねると、その一連の流れが

やぁ!こんにちは~とやってくるのだ。


でも、もうそろそろ

いいんじゃないかな?

そう思った。


何度も何度も思い出すのは、ただ辛く痛かったときの過去を

思い出すだけで終わらせているからなのだと、

今のワタシは知っている。

だからそこに向き合おうと決めた。


ワタシの母はお嬢様育ちだったらしい。

女中さんをたくさん雇っている家に生まれ育ったという。

母の幼少期の白黒写真をみてもそれがよくわかる。

だからなのか、世代的にそうなのか、母本人の本来のものなのかはわからないが、

ワタシの母は見栄っ張りだ。

他人様からよく見られたい!という気持ちが人一倍強いように思う。


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