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#新書が好き

新書への愛や、好きな作品・作家を語ってください!

急上昇の記事一覧

血と暴力の国、アメリカの歴史 #33

ことしはアメリカ大統領選挙の年だ。 前大統領が再び候補になって、「もしトラ」だとか「ほぼトラ」なんて云われたりしている。 前回の選挙で不正があった、などとフェイクを撒き散らし、大衆を煽って議会を襲撃させ民主主義を破壊しようとした張本人が、ふたたび大統領へ返り咲こうとしている。 流石にヤバいんじゃないか。 それでなくてもアメリカはひょっとしてヤべえ国なんじゃないか、と云う考えが僕の内で年々強まっている。 そりゃ中国だってロシアだってイスラエルだって北朝鮮だって、日本でさ

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災厄を歴史化する #31

COVID-19が5類に移行して1年が経った。 禍いの始まった二〇二〇年の二月は、僕と妻の結婚した月で、家を探して不動産屋へ通ったり、内見で街々を巡ったりしていた。 世間の状況は刻々悪化していった。 初めのうちは、異国だったり船の上の話だったりしたのが、国内にも感染者が出、あっという間に広がっていった。 引っ越しの日は、仕事の休みをもらっていた。 荷運びが一段落して、新居でお弁当を食べながら、さいしょの晩餐のささやかにひらかれていた夜、首相が記者会見を開き、緊急事態宣

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恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで (中公新書)

この本は、第一章では恐怖の生々しさと定義、第二章では恐怖症の人たち、第三章では恐怖の真っ最中、第四章では娯楽としての恐怖、第五章ではグロテスクの宴、第六章では死と恐怖、について述べられている。また、著者は今でも精神科医として働いており、その経験や知識もこの書物に生かされている。以下より、この書物の要約である。 まず、「危機感、不条理感、精神的視野狭窄」の三つが組み合わさることによって立ち上がる感情が、恐怖であると定義する。なお、「危機感」が実際していなくても人は恐怖に駆られ

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巡回セールスマン問題 #32

二歳になる子どものひとは、車が好きだ。 この子の頭のなかの八割は車で占められてるんじゃないか、てくらい車のことばかり考えている(ように見える)。 バスや重機が一番のお気に入りだが、たくはいしゃやゆうびんしゃ、引っ越しのトラックなんかも好きで、街で見かけると指差して、はしゃぐ。 その子どもができてから、ネットショッピングの割合が増えた。 自家用車を持っていないせいもあって、オムツやシャンプーなどの消耗品から、おやつや冷凍食品、或いは普段着る服からおもちゃに至るまで、子ど

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まんじゅうこわい #30

妻は極度の怖がりだ。 ホラーやサスペンス、アクションの類は当然駄目で、大河ドラマなんかも人がたくさん死ぬと云う理由で、観られない。 妻の目線に立って世の中のエンターテインメントを見渡すと、怖くてアウトなのがけっこうあって、安心して観られるのはゲイのカップルがメシ食ってるだけ、みたいな日常のドラマくらいである。 そういう作品の増えているところをみると、妻みたいな怖がりが昨今は増えているのかもしれない。 本人は怖がりを気に病んでいるようすも特になく、避けて生きれば問題ない

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「書店ゼロ」自治体は27% 沖縄・長野・奈良は過半に / 日経新聞 / 書店の未来は?

先日、こんな記事を書いた。 そこに頂いたコメント 最近もディープな書店巡りをされている。 タカミハルカさんのような方が多ければ、書店の未来も明るいが… コメントを読んで数日前の日経記事を思い出した。 古書店に限らず、書店そのものが減少している。 上のコメントにも書いたが、出版社から取次を通して送られてきた本をそのまま並べて販売するだけの書店は、早晩レコード(CD)ショップと同じ道を辿るのではないか?   「レコードと本は別物でしょう?」と思われるかもしれないが、20

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異次元の少子化対策?異次元にショボいんだが【新書神経衰弱】#28

『〈共働き・共育て〉世代の本音』(本道敦子・山谷真名・和田みゆき共著)を読みおえたので、参考文献中の新書を拾っておく。 参考文献、と云っても、さいごにまとまっていたわけではなく、文中に言及のあった本や、脚注のカタチで挙げられていたものである。 光文社新書をこのnoteで取り上げるのは初めてで、それ以前へ遡っても何を読んだか(或いは読んだことがなかったか)俄には思い出せないが、この本に限らず参考文献の挙げ方は皆この形式なのだろうか。 それとも著者が複数人に分かれており、お

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他人の配偶者、何て呼ぶか問題 #27

妻も僕も、雇われて働いている。 共働き、である。 子も育てているから、共育て、と云うことにもなる。 妻の方が負担は圧倒的に大きく、共育て、などと僕が云ってしまうのは、ちょっと申し訳ないけれど。 本道敦子・山谷真名・和田みゆき『〈共働き・共育て〉世代の本音』(光文社新書1300)を読む。 ミレニアル世代(1980〜95年生れ)の共働き・共育て夫婦へのアンケートとインタヴューから、働きながらの子育てに潜む問題や、彼ら世代の特徴や価値観、と云ったものが浮かび上がってくる。

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『テレビ局再編』既に開始されている再編への地殻変動

日本テレビで役員も務められた、根岸豊明さんによるテレビ局再編論です。 テレビ局の「中の人」だったので、現役でしたら決して書けなかった内容でしょう。 本書におけるテレビ局再編の主張は、「ブロック統合」「持株会社見直し」「1局2波(あるいは1エリア3局体制)」の3つです。 「ブロック統合」と「持株会社見直し」については、現在進行中です。現実的な判断を総務省もおこなっていると思います。 ただし「1局2波」は、理論上可能であっても、さすがにハードルがありそうです。運用上のルールな

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最高にワクワクする時間

最近、私の中で、読書熱が再燃している。 昨日図書館へ行った。ここ1カ月は、2週に1度、地元の図書館へ訪れて、本を返却した後、次に借りる本を物色している。(言い方、笑) あの時間が、私は最高に好きだ。最高にワクワクする。 何と言っても、何冊借りても「無料」と言うのが大きい。知識や幸せの感情と言った無形の財産が、無料で手に入ると言ったら、少々邪かもしれないが…笑。 そんなことを思いながらも、純粋に読みたい本と巡り合うまで、一冊手にとっては目次を開き、数ページ立ち読みをして

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新書、読もうぜ! ―モノカキしたい人のためのインプットガイド― 第二回

『医学探偵の歴史事件簿』 小長谷正明 著 岩波新書 ・どんな本なの?  現代の知識を持ったまま、異世界とか過去に転生し、様々な知識で無双する……みたいなお話、WEB小説でもよく見かけますよね。  本書は、神経内科の専門医として長年の経歴を持ち、病院長も務める著者が、歴史上の様々な人物や事件を医学的な見地から読み解いた一冊です。  大きくは5部構成になっており、各部のタイトルは以下の通り。  1. 二十世紀世界史の舞台裏  2. 近代日本史の曲がり角  3. 

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『ジェンダー史10講』姫岡とし子(岩波新書 新赤版2009)虎に翼 #22

NHKの朝ドラ(朝の連続テレビ小説)『虎に翼』が面白い。 面白い、と云ってしまうにはあまりに残酷で、これが当時の、いや今もつづく女性たちの置かれた状況であることをおもえば、男性である僕は多少居心地が悪く、また恥ずかしくもあるが、ドラマそのものは愉しく観られている。 男、酷いよね。 もちろん、寅子のお父さんや書生さん、大学の先生などなど、いい男もドラマには沢山出てくる。 それでも、女性たちの扱いや立場はやはり酷いものである。 それがいまでも大して改善されていない、てと

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妻はうつ病じゃなく認知症だった(11)

こんにちは。 先日、若年性認知症の家族会へ出席した。忘れないように記録しておきたい。 家族会 場所は隣の市の大学で社会学のゼミの一環で行っているという。運営は教授を始めゼミ生たちが主体となっている。 参加者は、患者本人と介護者、専門職の方やNPOの方などで行っている。 介護者グループと患者グループへ分かれて話を始める。 患者グループからは何やら楽しそうな声が聞こえる。カラオケや風船バレーなどをしているらしい。 学生は患者との体験を通して学んで行き、社会に出てこの経

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新書をおすすめしてもいいのかしら

こんばんは。いつも体操教室の前に郵便局に行くようにしてますが、今日に限って忘れてしまった。体育館で、カバンからタオルを取り出したとき、底から書いたばかりの絵はがき2枚が出てきた。もうダンスのときもはがきが頭から抜けず、教室が終わってマット(ストレッチで使う)を返却して、即郵便局に向かいました。そういうときに限って、郵便窓口が混んでいた。 図書館で借りていた本の返却期限が近かったので、郵便局の後に文化センターの図書館に寄って返却しました。もうしばらく借りない。今読んでる本に集

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気になる「歴史総合」【参考文献】#23

姫岡とし子『ジェンダー史10講』(岩波新書 新赤版2009)を読みおえたので、参考文献内に見つけた新書を以下にまとめておく。 岩波4(新赤版3、青版1)、ちくま1の全5冊。 小川幸司・成田龍一編『シリーズ歴史総合を学ぶ① 世界史の考え方』(岩波新書 新赤版1917) さいきん新しくできた科目「歴史総合」が気になっている。 いまの高校生は「日本史」「世界史」と云った枠にとらわれない、新たな歴史の学び方をしているらしい。 云われてみると、さいきんこの手の番組、NHKに多

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日々雑記 理想の旅は

リュックを担いで宿も行先も決めずに降り立つ異国の地。 行き当たりばったりの長旅は、その国の人々が食べるものを食べ人や景色を見る。 実にうらやましい旅だ。 騙されて帰って来られないかもとか、行方不明のニュースが頭に浮かぶ私にはとても出来ない旅。 今のような翻訳アプリなど、なかった頃の旅は、どれだけ豊かなものになったのだろうと思う。 例えばウラジオストクからパリまでの移動の旅は、バスと列車で飛行機に乗ったのは2回ほどなのだとか。 通過した国は10、降り立った国は8カ国だったそう

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心配性なのは進化のせいでもある!? 身近にあふれる「進化」の話|河田雅圭

ダーウィンの『種の起源』が刊行されてから150年以上が経った今、進化論のエッセンスは日常にも浸透しています。「常に進化し続ける」「変化できるものだけが生き残る」。こんな言葉を一度は耳にしたことがあると思います。しかし、実際の生物の進化はそんなにシンプルなのでしょうか。すべての進化は生存に役立つもの? 否、偶然による生存に役立たない進化もあります。生存競争に敗れれば絶滅しかない? 否、そもそも生存競争から逃れ、別の地で生き続けることもあります。生物の進化は私たちの想像以上に多種

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参考文献が好きだ #18

参考文献が好きだ。 本のうしろについている、文献のリスト。リファレンス。 そもそも僕はブックリスト全般が好きで、書店のブックフェアとか、出版社の企画とか、雑誌などで見かける、特定のテーマで集められたリストだとかを、見つけると欲しくなって、手に入れては片っ端から読みたくなる。 読みたくなるだけで、じっさいは読まない。読めない。 遡ること数十年前、受験生だった時分にも、新しい参考書を買ってきては、買ったことで満足してしまって勉強しない、てことがよくあった。 いまでもおなじよ

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【無人書店】会員QRコードをかざして入退店!無人書店「ほんたすためいけ」に行ってきた

こんにちは中の人Aです。 先日、溜池山王駅にある無人書店なるものに行ってきました。 斬新でこの時代に相応しい無人書店に感動したので体験レポを書いていきます。 溜池山王駅にある無人書店へ溜池山王駅の8~14出口付近の改札を出て左に曲がると突き当りにありました。 おーこれだ!入り口はどうやら左側にありそうなので早速行ってみます。 無人書店 ほんたすためいけじゃーん。ほんたすためいけは1分でトレンドがわかる無人書店で、無人でも安心して利用でき、ストレスフリーでスマートな本屋体

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『偶然とは何か』竹内啓(岩波新書ー新赤版1269)偶然を巡る物語 #13

偶然に纏わる物語を、ふたつほど交えながら。 創作その1もう十年ほど昔のことだが、(賃労働の)職場における雑談で、確率の不思議が話題に出たことがあった。 宝くじが当たる確率は? とか、クラスにおなじ誕生日のひとのいる確率は?(誕生日のパラドックス)と云った、確率を巡る与太話だ。 そのなかで僕が次のようなことを云った。 「サイコロの目の出る確率がどれも1/6なら、たとえば一回振って一の目が出たら、つぎに振るときもつづけて一の目の出る確率は、1/6より下がるのではないか。だ

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