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#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

急上昇の記事一覧

座右の銘とは何か

 座右の銘はありますか。  自己紹介のネタにしたり、何かの面接で訊かれたりするものです。検索エンジンで調べると、数多の格言を紹介するwebサイトが次々と現れます。  四字熟語や諺を挙げることが多い一方、誰かの名言や自分の言葉を銘とする人もあるでしょう。  そもそも『座右の銘』とは何でしょうか。  その語源は遥か昔、西暦100年頃、後漢時代の崔瑗という人物の残した漢詩まで遡ります。彼は当時の政治家で文人であったと伝えられています。  さぁ、原文を載せましょう。  20

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答えをすべて教えない。自ら考えることで人は育つ。孔子の人材育成法―『論語』

「挙一反三」の教えとは 「啓発」という言葉の由来になった、孔子の人材育成に関する話の続きです。 と述べた孔子の学ぶ姿勢への激烈な思いは、さらに続きます。 その意味は、 一つの隅を示しただけで、他の三つの隅にも鋭く類推を働かせるようでなかったら、それ以上の指導は差し控える(教えない)。 ということです。  一隅を挙げて三隅を以って反すは、次の四字熟語で知られています。  「挙一反三(きょいちはんさん)」 または 「一挙三反(いっきょさんはん)」  また、「挙隅(きょぐ

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【演劇】アラビアンナイト(文学座)

 2024年5月15日(水)、信濃町近くの文学座アトリエで、『アラビアンナイト』を観劇しました。感想を記載します。公演は5月18日(土)までです。 ■イントロダクション■メモと感想(1)設定の面白さ  『千夜一夜物語』は、全巻読もうとすると物凄い量で私は未読ですが、子どもの時から興味のある物語です。ヨーロッパとも違うイスラム(アラビア?)の世界であって、その世界に惹かれるとともに、子ども時代に親から童話や昔話を読み聞かせてもらったように、毎夜一つずつ物語が語られる設定が面

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奥に秘めたやる気を引き出す、人材育成の名人の言葉―『論語』

「性相近し、習い相遠し」  社会人として、人をどう育てていくのか。 自分で気づく。 自分で考える。 それが行動を変える、考え方を変えることにつながっていく。  中国古典の言葉をもとに、人としてのあり方、仕事の進め方などを考えてもらう。それが、私が行っている人間力育成の基本方針です。  何かの気づきを得てもらえばいいし、これまでの人生や考え方を見直すきっかけとなればいい。そこから、なにかしらの指針や考える軸を見い出してもらえたら、研修の成果としては最高です。  さて。

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本日5月12日は、母の日ですね💛 母には、本当に、心身ともに健康で 産んでくれたことに感謝しかありません。 いつも精神的に支えてもらいながら ここまで生きることができていると思います。 これから親孝行の一環として、何か恩返しできる ようにこれからも頑張っていきます🔥

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令和源氏物語 宇治の恋華 第七章「恋車」解説・前編

みなさん、こんにちは。 『令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十一話』は5月17日(金)に掲載させていただきます。 本日は、第七章「恋車」の章を解説させていただきます。 薫の想い まことの父とも慕った八の宮様が亡くなったことは薫には大きな悲しみをもたらしました。 しかしそれと同時に最後に宮様が姫との結婚を許してくれたことで明るく愛に満ちた未来を夢想するのです。しかし父を亡くしたばかりの喪中の姫君に公然と言い寄るのは憚れらる。薫はそのようにいたって生真面目で常識のある若者でし

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賞罰!仁義をもって!「仁」は過度OK、「義」は過度NG。蘇東坡「刑賞忠厚の至論」。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「文章軌範」のところ。 仁と義。 仁は、あまねく愛だから過度でも良くて、 義は、正しさに従って裁断するから過度だと時に厳しすぎちゃう? 蘇東坡「刑賞忠厚の至論」の言葉。 よーわからんけど、 賞罰に関する言葉なのかな? 賞については、 疑わしい時、与える。 軽重の疑わしい時は、重い方。 罰については、 疑わしい時、与えない。 軽重の疑わしい時は、軽い方。 ニュース何か見てると、 それ罰が軽いんじゃないのー? て思う時が多々ある

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【活動紹介】現代写真×漢詩×書道によるアートイベント

1:はじめにこんにちは。今回の記事は以前紹介した僕自身の活動紹介のパートになります。 前回mie Shanghaiさんとの取り組みについて紹介をしましたが、その続きになります。 2:カフェスペースでのイベントのお誘いmieさんのオープニングイベントの後、雑誌版mieに投稿し作品の載せていただいておりましたが、mieさんの活動に上海のとあるカフェのオーナーさんが興味を示してくれたことから、カフェスペースでの展示イベントをやらないか?という形で話が進展していきます。 ▼mie

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「光る君へ」19話「放たれた矢」

いやー!今週も不穏な終わり方でしたね。いいぞ! 1.これまでの関白とは違う道長 「右大臣」と「内覧」の地位を得て、実質的な政権の頂に立った道長。 帝から「関白にはなりたくないのか」と聞かれて、「なりたくありませぬ」と返す道長。 帝が驚いて理由を尋ねると、 「関白は陣定(じんのさだめ=貴族たちの会議)に出られないから」と答えます。 帝はさらに、 「後から記録を読むことができるが、それではダメなのか」と続けます。 道長は、 「記録だけでは意味がない。その場にいる者の声を聞か

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江戸の川柳九篇② 放れ馬大手を広げては逃げる 柄井川柳の誹風柳多留

 馬や牛が日常にいた江戸の町の風景。人と大きな動物が一緒に暮らしていた。  江戸時代に柄井川柳(1718~1790)が選んだ川柳を集めた「誹風柳多留九篇」の紹介、全5回の②。  読みやすい表記にし、次に、記載番号と原本の表記、そして七七の前句をつける。自己流の意訳と、七七のコメントをつけているものもある。 放れ馬大手を広げては逃げる 427 はなれ馬大手をひろげては逃る  本の事なり本の事なり  暴れ馬に対して闘牛士のように両手を広げて止めようとしたけど、あの巨体を見ると

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アナログ派の愉しみ/本◎尾崎紅葉 著『金色夜叉』

だれもが真人間で いられなくなった時代に 尾崎紅葉の『金色夜叉』については未完の大作と説明されるのがつねだけれど、本当にそうだろうか? わたしは疑問なのだ。もしもそんな決まり文句のために、まるで欠陥品かのように受け止められて読まないひとがいたら惜しいと思う。 紅葉は東大在学中に読売新聞社に入って以降、『三人妻』『多情多恨』などを発表して流行作家となり、29歳のときに満を持して『金色夜叉』に取りかかった。その経過を辿ると、読売新聞1897年1月1日から翌年4月1日にかけ

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源氏物語とフラワーエッセンス〜六条御息所

六条御息所について書くことと自己受容 先日、葵の上に渡すフラワーエッセンスについて書いたので、「葵の上ときたら、やはり六条御息所でしょう」ということで今回は六条御息所について書くことにしました。 実は昔からわたしはあまり六条御息所が好きではありませんでした。 劣等感強く、嫉妬深い。 でもなまじ美しく教養も深いゆえプライドも高く、嫉妬心や劣等感を抑圧し続けた結果、それらが『物の怪』という形で自他を苦しめる。 にも関わらず、自分を大切にしてくれず、ここまで苦しめる光源氏か

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李白・杜甫・杜牧が歌う「楊貴妃」

楊貴妃は、唐の玄宗皇帝の寵妃でした。 玄宗がその美しさに溺れて政務を怠り安史の乱を引き起こしたとされる絶世の美女です。 後世、楊貴妃を歌った詩は数多くありますが、最も有名なのは何と言っても白居易の「長恨歌」でしょう。 「長恨歌」については、以前、記事を書きました。↓↓↓ 今回は、「長恨歌」以外で楊貴妃のことを歌っている詩をいくつか拾ってみました。 李白「清平調詞」三首李白(701~762)は、40代前半のおよそ2年間、翰林供奉という官職を得て、宮中で玄宗に仕えていまし

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【能・狂言】最近思うこと(吉野静、2024/5/11)

■はじめに 私は、能・狂言を月に一回ほど鑑賞することがあります。その都度、感想を残そうと思うのですが、なかなかまとまらないのが実状です。  理由として、以下の点が挙げられます。 連続公演ではないため、同じ舞台の感動を共有しづらい(ように思ってしまう)ため。 鑑賞する視点が、(文楽と同じように)十分定まっていないため。  最近、一公演を一記事にすることに拘らず、期間の幅を持って、雑記を書いてみてはどうかと閃いたので試してみようと思います。 ■能・吉野静(1)公演概要

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百四十九話

 第百四十九話 浮舟(十三) 匂宮が忍んでこられたことは浮舟君の体面を傷つけぬためにも大っぴらにすることはできません。他の女房にも知られるわけにはゆかないもので、さっそく御座所に近づけぬ策をめぐらす右近です。 「侍従の君、少納言の君。内密のお話がございますの。殿が遅くにお越しになったのですが、どうやら大変な目に遭われたようなのよ。今下人を京のお邸へやって装束などを取りに行かせておりますが、本日は誰にも知られぬようひっそりと過ごされたいという思し召しなの」 「まぁ、なんと恐

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今回の大河ドラマで、白楽天の「新楽府」が取り上げられたので、勢いでビギナーズクラシックスの「白楽天」をポチってしまいました。 文人にしてはかなり穏やかな人生を送った白楽天。彼の書いた詩をたくさん読みたいな。

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令和源氏物語 宇治の恋華 第百五十話

 第百五十話 浮舟(十四) 右近の気苦労を知らず、匂宮は浮舟を傍らに侍らせてご満悦です。 さて、この君が浮舟に恋しているのには違いがありませんが、その根底には薫へのライバル心というような子供っぽい戯れ心があるのは否めません。 薫がされるように洗面用の御手水が運ばれてくると右近一人では大変かと手を貸そうとする浮舟を差し止めて主人顔で言い放ちます。 「そのような女房のすることをあなたがやる必要はない」 「でも右近一人では大変ですわ」 「薫はあなたを召人のように扱っているという

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【徒然草 現代語訳】第百九段

神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。 原文高名の木のぼりといひしをのこ、人をおきてて、高き木にのぼせて梢を切らせしに、いとあやふく見えしほどはいふこともなくて、おるるときに、軒長ばかりになりて、あやまちすな。心しておりよと言葉をかけ侍りしを、かばかりになりては、飛びおるるともおりなむ。如何にかくいふぞと申し侍りしかば、そのことに候。目く

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【申込受付中】木曽義仲は振り返る|平家琵琶で聞く平家物語|演奏会のお知らせ

▼このページの内容を盛典の声で聞く ※音量にご注意ください 鎌倉で平家物語を聞いてみませんか?2024年6月25日、7月30日平日の昼間に行う小さな演奏会、木曽義仲は振り返る|平家琵琶で聞く平家物語|巻第九「木曽最期」のご案内です。この演奏会は神奈川県による神奈川文化プログラムに認証されています。 場所は鎌倉駅から徒歩10分、江ノ電和田塚駅から徒歩3分程のところにあるGarden&Spaceくるくる。季節ごとに様々な植物が表情を見せてくれる素敵な場所です。今の季節はエント

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松尾芭蕉が見た納涼床(京都・鴨川)。「四条河原涼」(しじょうかわらすずみ)現代語訳

今回は、芭蕉が元禄3年(1690)6月に京都を訪ねたときの文を現代語訳してご紹介します。 芭蕉が46歳(現在の年齢の数え方)になる年の作です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京都・四条の河原涼といって、夕月夜(ゆうづくよ)の頃(この場合6月上旬)から有明の月が見られるようになってしばらくの頃(同中旬)まで、鴨川の中に床を並べて、夜を徹して酒を飲み、ものを食べて遊ぶ。 女は帯の結び目がきっちりしていて、男は羽織をことさら長くきちんと着ている。僧や老人も一緒にま

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