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企業課題解決プログラム・キックオフ(株式会社マルヤナギ小倉屋×神戸親和大学PBL授業)

2024年5月8日(金)株式会社マルヤナギ小倉屋本社会議室にて、㈱マルヤナギ小倉屋(神戸市東灘区)と、神戸親和大学のプロジェクトベイストラーニング基礎B(以下、PBL)を受講する学生(2回生、指導:河野先生・辻川先生・端先生)による、企業課題解決プログラムの取り組みが始まりました。
 
①株式会社マルヤナギ小倉屋の事業内容・商品・課題について 
最初に、マルヤナギがどのような商品を販売しているか、マルヤナギ小倉屋本社1階の店舗を見学するところからスタートしました。柳本常務からは「健康価値が高いとして注目されるもち麦だが、流通しているものは海外産がほとんど。兵庫県と岡山県が国内でもち麦を上手に耕作できる場所であることがわかり、それならマルヤナギが国産もち麦の生産と商品化に力を入れたいと思い取り組むようになった」との説明がありました。
 
その後、柳本常務・溝口氏・田中氏より、マルヤナギ小倉屋の事業内容・商品・販売状況・課題についてのお話を伺いました。皆さんからは、「マルヤナギは、主な製造拠点はすべて兵庫県内にあり地域に根差した企業です。“下処理の手間がかかる食物繊維豊富な、健康価値の高い食材“を扱ってきた。時代と共に家庭では調理しなくなったり摂取量が少なくなってきた伝統食材を、今の時代に合った食べ方ができる商品として提供している。商品販売以外にも、地域の食育に関わったり、社員が食生活アドバイザーを取得するなど、会社全体で健康に関わる活動を行っている」などの説明があり、たくさんの商品展開の元にある、安全安心でおいしい食を通して人々の健康と地域の発展に貢献したい!という熱い想いが学生たちに伝えられました。

㈱マルヤナギ小倉屋本社1階の店舗にて、柳本常務より商品の説明を聞きました

本取り組みでは、「兵庫県産もち麦の認知度向上と、若年層の市場開拓」を課題としています。
学生たちは「健康価値が高く現代人に必要でおいしい県内産もち麦を、どうしたらもっと知ってもらえるか?若い人たちに食べてもらうためにどうしたらいいか?を一緒に考えて欲しい」、「これまでいろんな企業と協力して商品開発を行ってきたが、足りないと感じているのは若い人の意見。このプロジェクトを通して意見を聞かせてもらい、商品や食べ方、PR方法ほか、さまざまな提案をして欲しい」との要望を企業の方から直接聞くことで、課題と取り組みへのイメージがより明確になった様子でした。

事業内容や課題の説明を真剣に聞く学生たち

②「もち麦おはぎ」を試食
田中氏から、もち麦の食感や味・香りなどがどんな食材やメニューに合うかな?と考えながら実際に食べてみて欲しいとの話があり試食会が始まりました。学生たちは授業前半の課題として「もち麦おはぎの販促提案」に取り組んでいます。既におはぎについて調べてきている彼らにとって、試食体験はこれまでの「おはぎ」のイメージや商品の提供価値、顧客候補として想定していた仮説について新たな視点を得る機会となりました。

「もち麦おはぎ」を試食。あちこちで、おいしい!という声が上がりました
留学生たちは、初めて食べる「おはぎ」に興味深々。思っていたイメージと違っておいしい!

留学生の中には、おはぎ自体を初めて食べたという学生も多く、「おはぎは甘いというイメージだったけど、これなら大丈夫」、「もち麦があることで甘さがちょうど良く感じる」、「きな粉はネパールにもある。もち麦もあるけどもっと粒が大きい」、「自然の味で安心できる」などの意見が聞かれました。日本人学生からは、「もともとおはぎが苦手だったので10年ぶりくらいに食べたが、もち麦が入っているとおいしい」、「プチプチ食感がおいしかった。普通のおはぎよりこちらの方がいい」といった意見も聞かれました。日本人・留学生共に「おいしい。もっと食べたい」という声が口々にあがっていて、彼らが事前に想定していたものとは違ったおいしさに出会ったことで、販促の発想が刺激された時間になりました。
 
企業の方からは「頭を柔軟にして“こうしたら世の中にもっと知ってもらえるのではないか?”を考えて欲しい。私たちにはない発想・会社にいると出てこないような発想を皆さんに期待しています!」との期待が伝えられ、最後に神戸親和大学の河野先生と端先生からは、「実際に食べてみることで皆さんのイメージが変わったと思う。これが重要。興味がないと思っているような人に、おいしさを伝えることを考えて欲しい。留学生は自分の国の人にこれをどう広めるか?という発想でも考えて欲しい」、「今日皆で出し合った感想の中にヒントがある。今日の感覚をメモしておいて、意見を出して欲しい」と伝えられました。
 
③所感
今回の企業訪問では、学生たちが社員の方の熱い想いや実際の商品に触れることで、この先の授業で取り組む課題についての理解を深め、明確なイメージを持つことができた貴重な機会となりました。授業期間は7月末までとなりますが、これからさらに企業と密な連携を図りながら、もち麦商品の販促提案を通して、課題提供を頂いた企業にとってだけでなく、消費者や兵庫県の未来にも繋がるような世界観を持ったPBLの成果を目指していって欲しいと思います。どのような提案となるか、これからの進展を楽しみにしています!