CONSENT CO.

地方のスモールビジネス視点で、日々の活動の中で感じたことを書いています。岩手県紫波町で…

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地方のスモールビジネス視点で、日々の活動の中で感じたことを書いています。岩手県紫波町で地域密着型の経営支援「スモールビジネススタジオ」事業を行っています。https://consent.town/

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地方のスモールビジネス備忘録。人材が増えれば、人材不足は解決する?

地方における人材不足とその改善は多くの地域に共通の課題かと思います。2015年からスタートした地方創生を合言葉に問題意識は高まっているように感じます。 一方でその解決については、地方に人材がいなければ増やせば良い、といった対症療法的な解決策になってしまってないか考えてみる必要があるかも、と感じています。 ※関係者や活動を批判する意図は全くありません。原因に対する深い洞察のもと、表面上は対症療法的な施策を企画実施せざるを得ない別の構造的な原因があったりなかったりするのかなと

    • 地方のスモールビジネス備忘録。銀行法改正で試される地方銀行の覚悟。(元銀行員の視点)

      2021年11月22日に改正銀行法が施行となりました。この改正により今後、地方銀行が大きな変化を迫られることになりそうです。 (日経新聞)銀行、広告・人材派遣など可能に 改正法で問われる創意 改正内容を一言でいうと、銀行が他の事業をやっても良くなったということです。これまでは、銀行が本業外へ事業多角化をすると損失が出てしまった時に預金者にとってリスクがある、ということで色々と規制がありました。 それでも少しずつ規制緩和されて、保険商品や投資信託の販売がOKとなったり、地

      • 地方のスモールビジネス備忘録。「とにかく起業したい」は有り?無し?

        「まだアイデアは無いけど起業したい!」という人がいた時に、どのような声を掛けるのが良いでしょうか。 今まで、起業は単なる手段で目的にはなり得ないと批判的に捉えていたのですが、世代ごとの価値観の変遷に関する以下の記事をみたときに、そもそも良い悪いで判断する価値観が古いのではと反省させられました。 日本FP協会 小学生『将来なりたい職業』ランキング 就職企業人気ランキングの変遷に見る学生の志望企業 世代による仕事観の違いデジタル技術の急速な発展や人口減少による成長力の逓減

        • 地方のスモールビジネス備忘録。北の達人の経営思想の凄みを感じた話。『売上最小化、利益最大化の法則』感想。

          先日、北の達人コーポレーションの社長さんの本が出たよと、ある経営者の方に教えて頂きました。早速購入して読んでみたところ、キャッチーなタイトルからは想像できないほどの骨太な内容で、大変興味深く拝読しました。 スモールビジネス型の事業を行っていたり、始めようとしている方にとってオススメの、経営の本質部分までカバーしている保存版だと思いました。 好きな切り口で経営を学べる経営哲学や戦略に関する本は、具体的にどうすれば良いか分からないことがあります。同じように、ノウハウやケースス

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        地方のスモールビジネス備忘録。人材が増えれば、人材不足は解決する?

        • 地方のスモールビジネス備忘録。銀行法改正で試される地方銀行の覚悟。(元銀行員の視点)

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          地方のスモールビジネス備忘録。秋田県デニム縫製工場のニュースで感じた、「小さな産業集積」の可能性。

          本日、おとなりの秋田県で気になるニュース記事がありました。ジーンズメーカー「エドウイン(EDWIN)」の閉鎖となった工場のひとつを、岡山県のジーンズ加工会社が買い取った、という内容です。 ジーンズの一部は、秋田県の工場で作られていました。その中で、30年以上に渡り縫製工程を手掛けていた秋田ホーセの4つの工場全てが、2021年9月に閉鎖されました。 しかし、閉鎖された工場のうち1つを岡山県のジーンズ加工会社がエドウインから買い取り、11月から新たに操業することとなりました。

          地方のスモールビジネス備忘録。秋田県デニム縫製工場のニュースで感じた、「小さな産業集積」の可能性。

          地方のスモールビジネス備忘録。経営サポートは、漫画家と編集者の関係と似ている?

          日々頑張っている事業者の方と話をさせて頂くなかで、地方における経営支援の在り方は、漫画家と編集者みたいな関係が理想かもしれないと感じています。 漫画家の方が技術とアイデアを最大限に発揮できる環境を整えながら、ビジネスとして成り立つ作品を一緒に作っていくのが編集者の仕事かと思います。「漫画を描く」以外のあらゆる部分(校正、印刷、販売など)に関するサポートを行い、基本的には裏方に徹しながらも、必要な場合は漫画のコンセプト段階から関わるというのは、経営サポートに通じるものがありま

          地方のスモールビジネス備忘録。経営サポートは、漫画家と編集者の関係と似ている?

          地方のスモールビジネス備忘録。経営支援をしていて、社長から言われて一番嬉しい言葉。

          経営支援の仕事をしていて事業者の方から頂く言葉の中で嬉しいのは、「自分もそう思ってた!」とか「やっぱりそうだった!」といった言葉です。 逆に、言われたら負けと考えているのは「参考になった」「勉強になった」のような言葉です。 スモールビジネスにおける経営支援の役割は、事業者の方にとっての「検算」つまり確かめ算だと考えています。 経営支援の役割は「確かめ算」何よりも先に事業者の情熱があって、その話を聞くことが経営支援の仕事となります。事業者の方の話を聞いたうえで初めて、こち

          地方のスモールビジネス備忘録。経営支援をしていて、社長から言われて一番嬉しい言葉。

          地方のスモールビジネス備忘録。「バッドプラクティス」ならではの学び。

          成功事例やベストプラクティスから学んだり、ロールモデルを設定することで目標達成に近づいていくという考え方があります。このような学びは、守破離でいえば「守」にあたる、とても大事な部分だと思います。 しかし、成功例から学んだノウハウを自分の事業で試してみたものの、思ったほど上手くいかなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか。 ある成功事例があったときに、その事例が成功するに至った理由や鍵となるポイントについて、本などの中で語られていたとしても、実際のところ、成功の

          地方のスモールビジネス備忘録。「バッドプラクティス」ならではの学び。

          地方のスモールビジネス備忘録。地域課題解決型事業における「商品」の捉え方。

          地域課題解決型の事業によくある悩みとして、利用者からの売上だけでは費用が賄えず事業継続が難しい、という問題があります。 この問題の解決策として、商品の魅力を高めて販売数や単価を上げる方法や、寄付などによる資金調達を活用する方法があるかと思いますが、実際はどちらも簡単ではありません。 持続可能なビジネスモデルを描くために、まずは自分たちがやろうとしている事業、つまり提供しようとしている「商品」と「顧客」の捉え方を見直してみると、次の一手が見えてくるかもしれません。 ※社会

          地方のスモールビジネス備忘録。地域課題解決型事業における「商品」の捉え方。

          地方のスモールビジネス備忘録。郊外の人気店に学ぶSNS活用法。

          岩手県盛岡市の中心部から車で30分ほどの郊外に、とある食料品店があります。このお店のSNS活用方法が、地方の来店型のお店にとって参考になりそうでしたので、どのようにSNSを活用しているのか見てみたいと思います。 どんなお店かというと、新鮮な魚介類や美味しい惣菜が人気の個人経営の食料品店です。大手スーパーとはひと味違う品揃えと総菜のクオリティで、近隣のみならず、1時間以上かけて訪れるファンもいるお店です。 参考にしたいポイントを最初にお伝えすると、「まずは1回来店してもらう

          地方のスモールビジネス備忘録。郊外の人気店に学ぶSNS活用法。

          地方のスモールビジネス備忘録。起業を安易に勧めることの罪。

          起業して自分がやりたかったことを始めたものの、理想と現実の違いに心身共に疲弊してしまったり、本当に自分がやりたかったことは何だったのか自分探しを始める。。。この原因として、起業すること自体が目標となってしまっていた、ということが結構あります。 多様化の時代に独立起業は良いことだという雰囲気がありますが、起業する側も起業を勧める側も、安易にこの雰囲気に乗らないことが大切だと思います。 起業自体が目標になってしまう理由画一化から多様化の価値観へ、少品種大量生産から多品種少量生

          地方のスモールビジネス備忘録。起業を安易に勧めることの罪。

          地方のスモールビジネス備忘録。自分はどっち?スタートアップとの違い。

          自分の事業が「スモールビジネス」なのか「スタートアップ」なのか、考えたことはあるでしょうか。 商品やサービスについて考える前に、この部分をちゃんと考えて認識しておくのは重要だと思います。 何故わざわざ認識するのが重要かというと、自分の事業がスモールビジネスだと認識しているかスタートアップだと認識しているかで、同じ言葉に対する認識が全く違うものになってしまうことがあるからです。その結果として事業に関する意思決定と行動のベクトルが大きく変わってしまいます。 そのため、自分の

          地方のスモールビジネス備忘録。自分はどっち?スタートアップとの違い。

          地方のスモールビジネス備忘録。好き嫌い以前の問題?コンサルの定義。

          コンサルタントと聞いて胡散臭い、怪しい感じる方もいれば、頼れるパートナーというイメージの方もいるかと思います。 受け取る側によってイメージがマチマチなため、特に初対面の方に伝える言葉としてはリスクが高いですし、場合によってはそもそも伝える側がコンサルタントという言葉の定義をしないまま使ってしまっている場合もあるかもしれません。 コンサルタントを単なる言葉として捉えた場合、この言葉自体が持っている概念がポジティブなのか、ネガティブなのかについて、社会的な共通認識が無い状態だ

          地方のスモールビジネス備忘録。好き嫌い以前の問題?コンサルの定義。

          地方のスモールビジネス備忘録。

          地域密着で経営支援を行う中で感じたことや思ったことなど、地方スモールビジネス目線の備忘録です。 その情報は。起業の心理的ハードルが下がり、地方でも起業への関心の高まりを日々実感しています。 それに応じて、自分で事業を始めたけど思ったような結果が出ないという悩みも増えているのかなと思います。 勉強熱心かつ行動力のあるような方でも、色んな方法を試しても結果に繋がらず、ひたすら頑張ってしまうことがあります。 こんなとき、地方のスモールビジネスでは勉強のやり過ぎがむしろ原因に

          地方のスモールビジネス備忘録。