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「チーム作り」で財政係長に期待されることは?施設の統廃合をコンセンサスを得ながら進めるには?_2024年度研究会本会「財政のチーム作り」

今回は3/22に開催しましたオンライン特別講演会「対話による予算編成~枠配分予算の取組から~」の内容をお届けします。

今回は4/23に開催しました2024年度研究会本会「財政のチーム作り」の内容をお届けします。

当日は、法制と財政の両面から行財政運営に携わる佐倉市財政課長・塩浜克也さんを講師に迎え

・強い「チーム」をどのように作るか
・どのように人を「巻き込む」か
・地方財務が担う役割を果たすには

などについてお話しいただきました。

参加者の皆さんからは

・財政課職員としての基本的な心構えや日常の行動の仕方が参考になりました。
・コミュニケーションを密にし、納得感を得られるように、予算執行担当課と対話したいと思います。
・財政課は政策の「関所」ではなく、政策と財源の「交差点」、というお話が印象的でした。
・早速、配るお菓子を準備します!

などの感想が届いており、とても好評をいただいております。

本記事では講演中の質疑応答の内容をお届けします。

講演会本編は弊会公式YouTubeにて会員限定で公開しています。上記感想の「交差点」や「お菓子」の真意もお話ししています。

視聴をご希望の方は下記から会員にご登録ください。

【会員対象】
・自治体財政部門職員
・自治体政策・企画部門職員
・財政課での業務の経験がある自治体職員
・財政に関心のある自治体職員

https://new-zaiseikenkyukai.com/307d4c8d1c534090a4bf3fbc1d54d3de


【質問者】参加者の皆さん
【回答者】塩浜克也さん

Q.今年4月に初めて係長として財政課に異動となりました。課長、課長補佐、係長、課員3人、合計6人の部署です。チームづくりの観点から、特に係長に期待されることは何でしょうか。

A.自分のテーブルだけで仕事をしない、ということです。ここで言う「テーブル」とは執務用の机のことではなく「話し合いや作業をする場」のことを指しています。
係長がこれを実践することはもちろん、部下が自分のテーブルだけで仕事をしないよう、どう気を遣ってあげられるか、ということが大切です。
着任されたばかりなので、もしかしたら財政業務についてはまだ詳しくないかもしれませんが、例えば「その事業については○○課の★★さんが知っているんじゃない?」とキーマンを紹介するなど、これまでの経験からのアドバイスはできると思います。
こういったアドバイスでも、部下のテーブルを広げることができると思います。
また、相手の話を聞くこと、係長だけで結論を出すのではなく上司に取り次いであげる、といったこともポイントです。

Q.公共施設が多く、今後の財政運営に大きく不安を感じています。施設の廃止や統合について、コンセンサスを得て進める良い事例はありますか。

A.これは私も教えてほしいところです(笑)。
佐倉市でも公共施設の再配置に向けて資産経営部が中心となって施設の状況を確認したり、この分野の第一人者である南学先生(※)からアドバイスをいただいたりしながら進めています。
南先生のお話で特に印象的だったのは「役所は『1施設1事業』といった傾向があるが、1つの施設に重層的な役割を持たせることは可能だよね」というものです。例えば、日中は高齢者向けに貸し出し、夕方からは若者の交流スペースとして活用する、といった施設管理もできる。1つの施設に重層的に役割を持たせることを考えながら、どのように施設を統廃合していくかを検討することがポイントだと学びました。
もう一つ「床面積が小さな所を廃止してもあまり効果が無く、床面積が大きい所をどう対処していくかが大事。小さなところにとらわれず、大きなところを対処していくことで、大きな効果を得やすい」という話も「なるほど」と思いました。

(※)東洋大学客員教授。

Q.うちでは国費・都道府県費は原課に取りに行ってもらうスタンスで運営していますが、佐倉市では財政課がどのように関わっていますか?

A.やはり、国費・都道府県費の情報は原課の方が持っており、財政課から情報提供をすることは少ないです。
ただ、国費・都道府県費以外の補助金については過去の事例などから財政課からアドバイスできることがあると思います。
また、原課は地方債までは、なかなか発想が及ばないことがあるので、これらについてアドバイスしてあげるのが財政課の役割かな、と思うところです。

Q.うちは全課全事業を査定しており、査定に1か月程度要しています。査定の効率化のアドバイスがほしいです。

A.これはなかなか難しいところですが、例えば、査定に必要な工程を場面、場面で切り分けて、前倒しできるものは早めに対処することで効率化を図れると思います。佐倉市ですと、義務的経費や緊急対応で大きな支出が生じるものについて、8月の段階で全庁に照会をかけて調査しています。
また、例えば予算要求書に上司のハンコをもらっていた工程を止めるなど、作業過程を見直し、不要な作業は廃止する工夫もできると思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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