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「クボタ、ボストン・ダイナミクスのロボットで施設点検」に注目!

クボタ、ボストン・ダイナミクスのロボットで施設点検 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

クボタは14日、米ボストン・ダイナミクス製の四足歩行ロボット「スポット」を活用して、水処理施設を点検する実証実験を5月に開始したと発表しました。群馬県の水質浄化センターに1台を導入し、電流計や圧力計などのメーターに表示された数値をロボットに備え付けたカメラで撮影して人工知能(AI)が抽出します。人手不足の解消につなげたい考えです。

子会社のクボタ環境エンジニアリング(東京・中央)が群馬県利根備前島水質浄化センター(群馬県太田市)で運用を開始しました。実証実験の期間は非公開。上下水道施設などの水処理施設は老朽化が進んでおり、定期的な点検が欠かせません。一方で施設管理者の高齢化が進むなど人手不足が深刻化しており、ロボットや情報技術(IT)を活用した省人化が急務となっています。

群馬県の水質浄化センターに続き、今後は焼却施設や浄水場などでも実証実験を重ねます。現場の業務効率化につながると判断すれば、官民が連携して公共サービスを提供するPPP(官民パートナーシップ)案件などでの採用を目指します。

クボタは一部の水処理施設で米マイクロソフトの複合現実(MR)端末「ホロレンズ2」を使った点検を開始しています。今後はボストン・ダイナミクスのロボットなども活用し、さらなる省人化につなげたい考えです。

四足歩行ロボット「スポット」を活用した背景として、上下水道施設や排水機場などの社会インフラ施設の多くは、高度経済成長期に整備されたことから老朽化が一斉に進行しており、適切な維持管理が求められていることや、日本全体で人口減少に伴う労働力不足が進む中、社会インフラの維持管理を担う現場でも高齢化や人手不足による人員確保が大きな課題となっていること、そして、人手による点検や作業記録、紙資料での管理が多い現場では、業務の効率化や熟練作業者が持つノウハウの伝承が困難になっており、AIやIoTなどICT技術を活用した業務の省力化や省人化、標準化が求められていることを挙げています。このような課題に対し、デジタル技術を活用した社会インフラ設備の運転維持管理の効率化に取り組んでいます。

また、今回の実証実験では四足歩行ロボットの他にドローンや定点カメラによる巡視点検箇所の点検データを自動で取得・記憶する技術の検証なども行うとのことです。

今後は、適用範囲を拡大し、さらなる省人化や省コスト化を目指すことで、業務効率化と品質リスクの低減を図るとのことです。これから一層大切になる社会インフラの運転維持管理への、クボタの取り組みに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。