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「ダイキン工業・竹中直文次期社長、『疲れ見せぬ』元技術者」に注目!

ダイキン工業・竹中直文次期社長、「疲れ見せぬ」元技術者 けいざいじん - 日本経済新聞 (nikkei.com)

「人柄は誠実で、人の話をしっかりと聞いて行動に移せる」。バトンを渡す十河政則社長はこう評します。空調機器の開発や生産、営業など幅広い分野を経験し、ここ数年は経営の中枢である人事・総務の担当役員を務めるなど、次期トップ候補の本命と見られてきました。

23年間の工場勤務を経験し、「現場への思いは人一倍」と語ります。大学で電気工学を学んだ技術者だったが、2009年に国内の空調営業の戦略担当に起用されました。リーマン・ショック直後で「惨憺(さんたん)たる状況だったが、現場の意見を聞いて問題点を解決し、回復を果たした」と胸を張ります。

井上礼之会長や十河社長も経験した人事・総務担当役員に2020年に就くと「ほぼ毎日、指導を受けた」。社員を大切にして力を引き出す「人を基軸におく経営」の継承を掲げます。30年間、経営トップとしてリーダーシップを発揮してきた井上会長の存在感の大きさを痛感しますが、「社長として現場と話し、課題を把握して実践するのみ」と10万人弱の社員を率いる覚悟を示します。

座右の銘は「努力に勝る天才なし」。社内からも圧倒的な仕事量で頭角を現してきたと評価されます。今春に沖縄で開催された女子プロゴルフ大会「ダイキンオーキッド」の実行委員長を務めました。100人超の社員を動員して招待客をもてなす一方で、人事担当役員として春季労使交渉に当たりました。沖縄と大阪の往復が続いたが、中堅社員は「疲れた姿はみせなかった」と話します。

妻と2人の娘の4人暮らし。休日はミュージカル鑑賞やプロ野球観戦で仕事の疲れを癒やします。大阪育ちで、ひいきはもちろん、阪神タイガースやオリックス・バファローズです。

竹中氏は1986年入社の60歳です。竹中氏は記者会見で新社長としての目標を聞かれ「まずは、今年度の業績を達成することが第一だ。COOとしては、世界中にいる約10万人の社員と対話をしながら現場を知ること。皆の意見を聞くこと。そのうえで議論して意思決定をする。志を示して、高い目標を設定して実行することにまい進する」と回答しています。

また、今後の経営課題については「最高益で(新たな期を)迎えられたことで、社内の士気は非常に高い。一方で経営を取り巻く環境は非常に厳しい。既存事業や既存のビジネスモデルでは大きな成長を望めないという危機意識を持っている。(アフターサービスやデータビジネスなど)ソリューション型の事業など、今の時代に求められる事業を経営の柱にしていく」「新たなことに挑戦しようと思うと、自社だけではできないという意識がある。積極的な提携やM&A、外部との協創を継続、強化しつつ、現場の課題を理解したうえでいかに課題を乗り越えていくかに取り組む」とコメントしています。

今年はダイキンの創業100周年です。竹中氏はじめ新しい経営陣が次の100年をどのように作っていくのかに期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。