見出し画像

「味の素AGF、コーヒーかすでハナビラタケの抗酸化力向上」に注目!

味の素AGF、コーヒーかすでハナビラタケの抗酸化力向上 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

味の素AGFはキノコ研究企業のハイファ研究所(山梨県笛吹市)と共同で、キノコの一種ハナビラタケをコーヒーの出し殻で栽培すると、抗酸化機能が約1.6倍に高まることを発見しました。収穫量やうま味も増えるといいます。両社は関連特許をこのほど取得。コーヒーかすの付加価値を高める新たな活用法として普及を目指します。

両社はハナビラタケに抗酸化作用があるアミノ酸「シスタチオニン」の存在も発見しました。キノコ類での含有確認は初めてといいます。コーヒーかすをおがくずの培地に半分加えて栽培したハナビラタケには100グラム当たり62.7ミリグラムのシスタチオニンが含まれ、おがくずだけの通常栽培より53%多かったといいます。

抗酸化力を示す活性酸素吸収能力(ORAC)を比較測定したところ、コーヒーかす栽培のハナビラタケのほうが62%高いことが確認できました。肝臓の働きを助けるアミノ酸「オルニチン」の含有量も同8.9ミリグラムと2.2倍に増えるなど、機能性成分の増加がみられたといいます。

収穫量も約1割増え、官能試験ではうま味や風味が増すことも確認できました。匂いや傷みの発生も2日ほど遅くなり、日持ちもよくなったといいます。

味の素AGFのファンマーケティング推進部によると、三重県鈴鹿市と群馬県太田市の工場で出るコーヒー抽出後の粉については花や野菜の肥料などとして全量を再利用しています。今回の研究成果で活用の道をさらに広げたいとしています。

味の素AGFでは、貴重な資源であるコーヒー豆が持つ可能性を見いだすため、おいしさを引き出す技術にとどまらず、工場での品種の切り替え時や欠点豆等で廃棄されるコーヒー粉やコーヒー抽出後の粉の活用についても社外の様々なパートナーとともに研究を続けています。

ハイファ研究所とは、2010年にコーヒー抽出後の粉をキノコ栽培へ活用する共同研究を開始しています。コーヒー抽出後の粉をハナビラタケの栽培に用いることでハナビラタケの日持ちの向上やアミノ酸の増収などの効果がわかり、これらの知見をもとに共同出願した特許が2024年3月25日に登録されました。

味の素AGFはブレンディをはじめとする様々なコーヒーブランドがあります。しかし、世界のコーヒー収穫量が今から30年後には大幅に減少すると予想されています。そんな中、味の素AGFが取り組んでいることとして、「コーヒーの可能性を、挽き出します。」というものがあります。その一例として、「質と量」では収穫量・品質の向上に取り組んでいます。また、難しいと言われる国産コーヒーの生産にも挑戦をしていて、徳之島コーヒー生産支援プロジェクトを立ち上げています。

コーヒーの持つ様々な可能性に挑戦する味の素AGFに今後も期待しています。

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。