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私はただの「一般人」

「○○、オーディション受かったんだって。デビューするらしいよ。」

中学生の頃、まだ実家が引っ越しする前の狭いマンションの隅。まだガラケーだった頃、友達からのメールで一瞬にして思考が停止した。

え?何そのグループ?……名前ダサくない?


ある同級生と猛烈にバチバチしてた

私には、人生で一番と言っていいほど敵対視していた女の子がいました。小6の頃、同じクラスになった頃に、私派とその子派で派閥ができていたほどでした。

その子は可愛くて、キラキラしてて、普通とはかけ離れた世界を知る女の子でした。けど、そんな正反対な子と張り合っていたのは、お互いそこそこ勉強ができたから、でした。

何かと2番手。

小学校の頃、私はみんなの前で先生に褒められる回数では多分誰にも負けていなかったけれど、何に関しても、「本当は一番できる子が私の他にいるんだ」といつもメラメラしてました。ずっとずっとそうでした。

さぁ、最高学年、気合入れていくぞとなっていたのに、その子が勉強でいとも簡単に一番をかっさらっていった時、「え?私ら『普通の小学生』より忙しいのになんで???」と愕然としました。多分これが人生初の挫折。

勉強以外にも全部美味しいとこ持って行かれて、実は精神的に一番辛かったなと思い返すのがこの小6時代。めちゃくちゃバチバチでした。
有る事無い事、今でもどれが本当のことかわかりませんが、お互い良い時間ではなかったのはハッキリしています。

(年月たって、お互い20歳になった頃に久しぶりに会って、ちゃんと和解しました。(←ここ。大切。)私も向こうも、ほぼ同じような心理状態だったっぽい。)

急に、コースを棄権された気分になった

ここで冒頭に戻ります。

数年経ったある日、その子がオーディションに受かったと、友達伝いに聞きました。

え?どう言うこと?

え?これからどうなるん?

きっと同じ高校に行くんだろうと思っていました。私の姉も、その子の姉も同じ高校で、私も同じ高校を目指していて、多分そのままいけばしばらくは一緒なんだと思っていました。

中学になってからも同じクラスになりましたが、その頃は別に仲悪くもなく、ただのクラスメイトの関係でした。バタバタと、都会の高校を探し始めた忙しない担任達の様子を見てモヤモヤしてました。

「別に、もう何も思ってないけど………」

無事に私は高校に入学し、その子は上京し、別々になってからも、なんかの間違いで選択をミスってしまった感がありました。急にライバルがいなくなって、一人で走ってる気分でした。

デビューして、めちゃくちゃ応援したし、憧れた

そこからも数年経って、当たり前のようにその子のグループがTVに出始めた頃、なかなかその子が表立ってメディアに出ることはありませんでした。

何年も何年も、待ちました。古参しか知らないような小さな小さなネット配信や、ローカル番組やイベントを、日々見漁ってました。ようやく全国区にその子が映ったときは泣きました。

そして、(何をとち狂ったか)私も似たようなことがやりたい!!!!と思って大学に入ってコピーダンスを始めました。

Twitterのアカウントを作って、ダンスグループに声をかけ、参加しました。
衣装を作り、みんなで集まって練習をし、人生初めてYoutubeに映りました。

これが、あの、模倣?何?昇華?

とにかく、ライバルだった子に憧れて、少しキラキラした世界に飛び入って。「恥ずかしいことをしているのかもしれない」と誰よりも思っていたのは私です。

なんでこんな意味のないことをしているんだろう?と今でも思いながら、ただ、やっている時は本当に楽しくて、なんだか、その子を追いかけられている気がしました。

その楽しい間だけは何も考えずに純粋にその子のことを尊敬できて、ダンスが好きと言うより、そういう気持ちになれる時間が必要で今でも続けている、そんな気もしています。

その子に、私がこういう活動をしてることを以前伝えましたが、Youtubeを見て本当に喜んでくれました。嬉しかった。

そろそろ区切りをつけたい

その子のデビューから十数年。その子の存在がなければ、私はいろんなアイドルの女の子のステージ映像やMVを見る機会は無かったかもしれないと思います。

もちろん、憧れてコピーダンスをすることもなかったし、Youtubeに少しでも映ることなんてなかった。

表現する人が好きで、「うわ〜ここのこの表情いいな〜!!!わかってんな〜〜〜〜!!」など、ほぼ毎日何かの映像を見て一人で鳥肌を立てることもなかったかもしれません。

そう思う時いつも思い浮かぶのはその子の存在で、そろそろそれも辞めたいなと去年くらいから思い始めました。

コロナもあって区切りをつけるタイミングを逃しまくっていましたが、最近一つ「これ、もしかして本気でやってみてもいいかもしれない」と思うものができました。

私が1年以上推しに推しているA夏目くんのMV出演オーディション

A夏目くんのこの間の新曲「インディゴアイランド」も同じようにオーディションだったそう。(この頃は仕事仕事で生きた心地がせず追えてなかった。)

映像が公開されて、すぐに見て、なんだこの映像!!!と感動した。

あと、
「わ、わ、私ならチェリーパイもっと汚く食べれんで!!!!」
と思った(お門違い)。

今回GW中にオーディションがライブ配信で開催されると知って、
もしかして、もし、もし、万が一、天地がひっくり返って参加できたとしたら、何か吹っ切れる気がする…!

そう思ってライブ配信アプリをダウンロードしましたが、そこには私よりもうんと若くて、有名になりたいと夢を持った子達が沢山いて、「私には無理すぎる…それにもし誰かに見られたら…というかファンは大人しくすべきか…????」とひよりました。

そもそも、このGWは1日何時間もスマホに貼り付けないと気づいて諦めました。

あと二日で26歳。今回の参加年齢制限は27歳。
もし、もしまた1年以内にオーディションの機会があれば、頑張って参加して、そして、私みたいな「一般人」でも、心の底から応援してやまないA夏目くんのMVを一緒に作ることができたら、なんて順調な4分の1人生の回収だろう……?


小中の地元の子には今回の更新をお知らせしてませんが、もしたまたまこれを見たとしたら、「あぁ、そうだったんだ」と思ってもらえたらうれしいナ。

そして、コピーダンスのことを知ってくれてる人は、ぜひ動画見てくださいね!!!!



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