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占有して使えるサウナをつけるぞ

中川ヒューム管工業での製造


cometa伊勢志摩のVenusにはドカンサウナを設置しています。このドカンサウナはGROWTH社が販売しているものなんですが、元は中川ヒューム菅工業というところが製造しているドカンなんですね。この中川ヒューム管工業があるのが愛知県岡崎市で、最初に実際に製造しているところを見学させていただきました。

並ぶヒューム管
出来立てほやほやのドカンサウナ

そうして2023年秋開業を目指していたんで、2023年の8月には出来上がったドカンサウナを納品していただく段取りになっていたんですが、例の建築確認不備のために工事が大幅に遅延してしまい、現地に運んでも、置くためのベースがない状態です。
そのまま岡崎に置いておいてもらえないか交渉をしたのですが、流石に2ヶ月以上置けないと、10月には安乗に運び込まれてしまいました。
ドカンサウナは重さ8tあります。トラックから降ろすにも25tラフタークレーンが必要になるのですが、当然クレーン車はもっと重たいです。この25tラフタークレーンがcometa伊勢志摩の敷地にあるスロープを登った時、スロープがバキバキと崩壊してしまいました。

崩壊したスロープのコンクリート

長い年月でスロープの下に空洞ができていて、それがクレーン車の重みでコンクリート割れて、陥没してしまったんでした。
結局ドカンサウナはcometa伊勢志摩の敷地の入り口に投げ捨てられた様に置かれて、1月末まで放置される事になったんでした。さらには悪いことにGoogle mapのドライブビューの撮影がこの期間に行われてしまったので、当分はcometa伊勢志摩はドカンサウナが放置されている空き地のままになってしまったのでした。

海を眺めるドカンサウナ

サウナの建築確認


さて仕切り直しとなった建築確認においてサウナの存在が大問題になりました。建築物とは、柱、または壁があって、屋根があるものが建築物にあたります。そして建築物は基礎で地面に留められていないといけません。

ドカンサウナって、鉄筋コンクリートでできていて、壁も屋根もありますよね。これは建築物です。しかし元々が土管なので、建築基準法の条件をクリアすることができないものです。

今回cometa伊勢志摩はコンテナを2階建てにするので、指定は3号建築物になり、それと同時期に建てるサウナも本来は3号建築物の一部として申請をしなければいけないのです。しかしサウナとコンテナの基礎を一体ではなく、あえて距離をあけて配置することにより、コンテナとは別棟として、単独で4号建築物とすることにしました。

しかし4号建築物とはいえ、違法建築物をそのままにするわけにはいきません。この問題を解決するのに、サウナの外側に柱を立て、別に屋根をつけちゃえば良いというアイディアを建築士さんが出してくれました。そうする事でサウナが建築物から、冷蔵庫の様な設備に換わる訳です。

また土管が地震などで転がってしまわないように、基礎は丸いドカンを受ける凹レンズの様な形にして、基礎のアンカーとベルトで固定する事に決まりました。

出来上がったサウナの基礎

サウナの重さを支えるために、ゲストハウスの基礎よりもサウナの基礎の方が、鉄筋もコンクリートもたっぷりと使った贅沢仕様です。

サウナの大移動


そうして永らく入口で放置されていたサウナが、いよいよ基礎の上に移動するのですが、25tラフタークレーンを持ってしても、8tのドカンを釣り上げるのは一苦労なんです。
途中に法面の段差や、ゲストハウスの基礎があるんで、それらを上手に避けつつ、移動させる必要があります。

1回目の移動
2回目の移動で法面ギリギリへ
3回目の移動で法面を登って
4回目の移動はゲストハウスを超えて
最後にサウナ基礎の上に着地

サウナヒーターの大迷走

ドカンサウナのヒーターにはハルビアの電気ヒーターを使おうと思っていたんですが、日本の代理店をしている日本ハルビアを通すとヒーター設置に100万円くらい必要になることがわかりました。
もうちょっと安いのはないだろうかと、ヤフオクで売っていた並行輸入品を買っちゃったんですね。

HARVIA社のCILINDRO

そうして電気工事業者に設置してもらったら、故障しているのか、エラーで動かない。それから売った人に連絡を取ろうにも、その人のアカウントが行方不明になっていると云った状態に陥りました。
保健所、消防署の検査も迫っているし、なんとか早く問題解決をしなくてはと焦って、同じ製品を売っているサイトに飛びついてしまいました。するとなんとそれはフィッシング詐欺サイトだったんです。お金を振り込んだら、その後は全く連絡がとれず、商品も届きません。二重の大失敗です。

結局新しく日本でフィンランド式サウナヒーターを製造しているブロスサウナを購入して、なんとかかんとか間に合わせる事ができました。
ブロスサウナは33万円。故障品と詐欺で40万円以上無駄にしたんで、まあそれでもハルビアの正規品を買うよりはマシだったかなあっていう大迷走でした。

このブロスサウナですが、さすが日本製です。取り扱い説明書の電気配線図がきちんとカラー写真を使ってくれていて、超わかりやすい。サポートもすごい丁寧に対応してくれるし、すっごいお勧めですよ。
北欧製なんか目じゃないです。軽くって、壁にも取り付けられて、サウナストーンも20kg程度で十分稼働できるし、壁に取り付ける裏面だけでなく、側面もあまり熱くならないんで、省スペースで大パワーだから、家庭用サウナヒーターとしては最強かも。

ブロスサウナ社

最初はカタカナのブロスサウナのロゴ、だっせーって思ったりしたんだけど、性能を知って、このサウナヒーターと巡り合えて、本当に良かったと思いました。

こうして出来上がったのが、タイトル写真のドカンサウナになります。GROWTH社が売っているドカンサウナ単体は140万円ですが、結果として400万円はかかっているんじゃないかなあ。

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