感動的3Dプリントタイムラプスの撮り方 #4 【応用編:Gコードを編集してヘッドを動かす】

こんにちは。
前回の基本編で一応目的は達成できたのですが、いちいちダミー造形物を配置する手間があるし、ダミーが画に映り込むとキレイではありませんでした。
そこで色々調べるうちに、ヘッドの動きを直接操作する方法があることがわかりました。
通常3Dプリンターでは、スライサーというソフトで造形物の3Dデータを「Gコード」というデータに変換して、それを3Dプリンターに送りプリントします。Gコードとは簡単にいうと、ヘッドをどう移動させ、樹脂をどれくらいの長さ送り出すかを決める命令文で、プリンターはこの命令を実行します。メジャーなスライサーではこのGコードを編集できるようで、私の使っている PrusaSlicer でもできることがわかったので、これを利用して一層プリントするごとにヘッドを一定の位置に動かしシャッターを切れるようにしました。

実際の動きの動画 です。

■スライサーの設定
私の使っている PrusaSlicer の場合で説明します。
「プリンター設定」→「カスタムGコード」→「レイヤーチェンジ後のGコード」という項目で、その名の通り、一層プリントした後に実行するGコードが編集でき、プリンターは、一層プリントが終わるごとに、この項目の命令を実行します。

初期設定は
;AFTER_LAYER_CHANGE
;[layer_z]
ですが、以下のようにGコードを4行追加します。

;AFTER_LAYER_CHANGE
G1 F4000 X227 Y100
G1 F3000 X235
G4 P600
G1 F3000 X227

;[layer_z]

各行の意味を説明します。
2行目の G1 F4000 X227 Y100 は、ヘッドをX位置227、 Y位置100の位置に4000mm/分の速さで移動せよ、という命令です。
3行目は、 ヘッドをX位置235の位置に3000mm/分の速さで移動せよ(Y位置はそのまま)という命令です。
4行目 は、そのまま600ミリ秒待て、という命令です。
5行目は、 ヘッドをX位置227の位置に3000mm/分の速さで移動せよ(Y位置はそのまま)という命令です。

つまり、2行目でリモコン直前までヘッドを移動させ、2行目で少しゆっくりの動きでボタンを押し、3行目でシャッターを切る間ヘッドを動かさないように0.6秒待ち(ヘッドが動いて映るようならもう少しこの時間を増やす)、4行目で2行目と同じ位置に戻る、という動作をさせてシャッターを押しています。
Fの値はだいたいでOKですが、できるだけ速い方が(数字の大きい方が)トータルの撮影時間が短くなります。
もちろん、このXとYの値は私の場合であって、皆さんのプリンターに合わせて、うまくシャッターボタンを押せるようにXとYの値を変えて調整してみて下さい。
押せるようになったら、その設定をタイムラプス用として保存しておきましょう。
以後、プリントする際に「プリンター設定」でこの設定を呼び出せば、簡単にタイムラプスが撮影できます。

以上、うまく設定できたでしょうか?
たった4行のGコードを追加するだけで、一層ごとにシャッターが切れるようになるので、ぜひ挑戦してみて下さい。
ここまでお読みになって頂きましてありがとうございました。

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