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きょうの画材「9:三菱 色鉛筆880『ねずみいろ』」


ずっとそばにある鉛筆

文房具屋さんでもおなじみの顔、三菱の色鉛筆880シリーズ。
学生時代に嗜んだ手描きアナログイラストを
再び始めなおすにあたり、私がまず触れた色鉛筆なのですが、
実は、現在は原画の仕上げにはほぼ使っていません。

色鉛筆のスタック棚。

作品を飾って楽しめる年数を少しでも伸ばしたいので
色鉛筆も色褪せにくいもの、耐光性表記のあるものに
徐々に切り替えていきたい…というのが主な理由です。
そんな880シリーズですが、相変わらずどっぷり使い続けているのが
この「ねずみいろ」という色。

その名もねずみいろ

お色は明るめの灰色で、やや寒色寄り。絵画用の色鉛筆だと
クールグレーと表現される事が多いのではないでしょうか。
ねずみいろ、というクールに気取らない名前がまたかわいい。

気取らないたたずまい

絵画用の少し芯の太い「ポリカラー(7500シリーズ)」もあり、
色のラインナップは同じなので好みで使い分けられます。
画材店ではこのポリカラーの方が置いてあることが多いので、
私の手持ちのねずみいろは880と7500が同居しています。

下絵作りにやさしい色

この色鉛筆が活躍するのは、
絵の具での彩色のガイドとなる下絵の線を作る時。

まめまめしく削ります。

下絵に使う色鉛筆は中々難しいもので
硬すぎる芯だと、紙を彫って傷つけてしまう。
柔らかすぎる芯だと、消しゴムをかけた時に広がって汚れたりする。
濃すぎたり鮮やかすぎたりする芯だと、完成時に悪目立ちする。
色々試して、私は結局、はじめに使った
この三菱の色鉛筆に戻ってきたのです。

アタリの鉛筆描きから残す線をなぞり、
消しゴムをかけると色鉛筆の線だけがつるっと薄く残ります。

このねずみいろは薄く描いた鉛筆線と同系統の色なので、
どこをなぞったか混乱してしまう…という時は、
アタリ付けに色味のある「消せるカラーシャープ芯」を使うと
既になぞった箇所が分かりやすくなります。

墨と水彩で彩色

青墨の淡墨に、少し顔彩の青紫で色味を加え
下絵のベースを塗って…

乾いたらホルベイン透明水彩で彩色していきます。
柔らかなねずみいろの下絵線は、絵の具を上から重ねていくと
馴染んで目立たなくなっていきます。

絵の具ごしの密やかなねずみいろ。

上から主線を描き起こす

水彩がよく乾いたら、鉛筆で改めて主線を描き起こします。
柔らかなクールグレーの下絵線なので
モノクロ、カラー、暖色、寒色、
色々な鉛筆類の主線に馴染んでくれます。

完成する頃には、最初の下絵のねずみいろはあまり見えなくなります。
その控えめさがキミの良い所。
これからも末永く頼りにしたい、そんな色鉛筆です。


今回使った画材

・マルマン ヴィフアール水彩紙(細目)
・三菱色鉛筆880  ねずみいろ
・墨運堂 青龍胎
・吉祥顔彩 紫
・名村大成堂 自在皆宣(小)
・ホルベイン透明水彩
・三菱ユニスター(4B)

今回もご覧頂きありがとうございました。楽しい画材ライフを!

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