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♯258 ニセコバブルは日本人の望み?

おはようございます。 フミオです。

時々、ニュースで目にしていました。「ニセコバブル」。ニセコ町って?
以下、ニセコ町の概要(ニセコ町のHPより)
ニセコ町は、道央の西部、後志管内のほぼ中央に位置し、東に国立公園羊蹄山(1,898m)、北に国定公園ニセコアンヌプリ(1,309m)の山岳に囲まれており波状傾斜の多い丘陵盆地を形成。
町の中央には尻別川(2004年清流日本一)が流れ、これに昆布川、ニセコアンベツ川、真狩川などの中小河川が流入。
内陸的気候を呈し、平均気温は摂氏6.3度で、冬期の最深積雪は、200cmにも達することがある。

また、札幌市や千歳空港からは自家用車で約120分、小樽市からは自家用車約90分の圏内にあります。


■世界中からスキーヤーが殺到で、アルバイト代高騰

 このニセコ町が、冬のスキーシーズンに世界中から観光客が集まりインバウンド効果で経済が潤っているようです。海外の物価並みに上がった1個1000円のおにぎり、2000円の天ぷらうどん、1杯3800円のラーメンまであり人手不足もあり、冬季には札幌などから出稼ぎアルバイトも集まり、働く側にとっても時給が急騰!

オーストラリアにワーキングホリデー月給50万円のように、ニセコにいけば国内でも高収入が得られてしまいますね。
しかし、この影響により、某牛丼チェーン店の時給は1900円(東京の1688円)より高くしているけれど人が集まらないらしい。

■訪問介護介護サービス事業所の廃業

 人件費の高騰は、他の業種にも影響し高齢者のお宅へ訪問して介護サービスを提供する訪問介護事業所が廃業したようです。人手不足と人件費の高騰により介護報酬だけでは訪問介護事業所からの人手の流出も、採用による人手不足の手当もできないことでの結果と想像されます。

この4月の令和6年の介護報酬改定では、訪問介護サービスの基本単価は下げられた!

この影響とニセコでの訪問介護事業所の人手不足を並べた感じのニュースや記事を見るけれど、ちょっと議論のがズレている印象がある。介護報酬が上がれば問題は人手不足は解消するのか?

■問題1:介護報酬が上がれば、利用者の自己負担も増える

 介護報酬改定は、社会保障費で賄われており日本の歳出の3割を占めています。そして、少子化高齢化により社会保障費を支える人(労働者)は減り、支えられる人(高齢者中心)は増えていく、これもニュースでご存じの通りです。

介護保険制度は、1~3割の自己負担が所得により決まっています。その自己負担は、事業所に払われる介護報酬が増えれば、高齢者の負担も上がりあがります。

ニセコ周辺の訪問介護事業所が事業継続するために介護報酬が上がってスタッフは働けるとしも、訪問介護サービスの増額分、自己負担分の増加を高齢者(世帯)が現状の年金収入や預貯金から難しいこと。

ニセコの1個1000円のおにぎり話、相場が100~200円が普通のコンビニおにぎりとしたら5倍から10倍です。高齢者の介護サービスの自己負担が5倍になったら、年金から払えると思いますか?
現状、介護サービスの自己負担が2割になることでも、強い抵抗感がある中で・・・介護報酬が上げる!と簡単にはいかないですよね。

■問題2:賃金アップには、物価上昇も

 介護業界では、人手不足と人件費の問題を「生産性向上」と介護DXで対応しようとする空気感があります。

私も、同じ介護報酬でも働く職員が10人でできた業務が7人にでできるようになり、3人分の人件費が7人に還元できるなら、働く職員も介護サービスを受ける高齢者も負担が増えずメリットがあり、社会保障費も増加せず国民にもやさしいとなると思います。

そして、賃金アップ、2024年新卒給与アップのニュース、上がった初任給を何に使いますか?なんてニュースもありました。
現在の物価上昇は、ウクライナとロシアの戦争によるエネルギーの高騰ばかりでなく円安や経済回復、賃金上昇もあります。

日本中で、ニセコバブルとまで行かないけれど、小さなバブルを期待していますよね。先ほどの介護報酬のアップ→介護職員の給与アップ!にならなくても、高齢者の生活費はアップします。年金もアップする?と私は考えてしまいます。

■今日のnote

 介護サービスを提供する事業者、そのスタッフの給与が他の業界並みに上がれば、高齢者の負担が増します。高齢者は、サービスを手控えます。要介護状態の高齢者が増えます。総体的に、社会保障費は増えます。
但し、手控えたサービス分の収入が介護サービス事業者に入らなければ、事業所から職員は流出します。

介護サービスの手控えによる流出より、ニセコバブルのような状況が日本の各地で起きています。ニセコバブルの話は、産業構造と高齢者や働けない人が困る格差の話なんですね。




 


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