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「自己肯定感」とポジティブの切り分けについて

世の中にはポジティブな考えかたを持つ、物事をポジティブにとらえる人がいます。

反対に、ネガティブな考えかたを持つ、物事をネガティブにとらえる人もいます。

同じように自分に対して自信がある人もいれば、まったく自信が無い人もいます。

これは老若男女問わず、まさしく千差万別です。

そして、世間では「ポジティブ」が良いというような風潮がありますね。

たしかに、ポジティブには良い面が多いのだろうと思います。

ポジティブな考えかた、物事のとらえかた、物の見かた、キャラクターでいれば、自然と人が集まり、周りの人を明るくさせ、どちらかというと人気者になるでしょう。

一方、ネガティブな考えかた、物事のとらえかた、物の見かた、キャラクターでいると、あまり人は寄ってきませんし、周りの人も気分が滅入ったり、どちらかというと疎まれる存在になる可能性があります。

ポジティブであれネガティブであれ、それは良い悪いという問題を述べたいわけではありません。

これまでの生い立ちや経験、体験、幼少期のできごとなどがマインドセットされ、どちらかに傾いたのではないか、と思います。

また、ポジティブな人が大成功する、ネガティブな人が大失敗する、ということも実はないんですね。

なにかで成功する、なにかで失敗するということに対し、ポジティブが良くてネガティブはいけないというような振り分けは存在しないんですよね。

成功する、上手くいく、成し遂げるといったことは、その人の勇気と努力、辛抱した結果であり、そこに絶対的な性格傾向は存在しないというのがセオリーです。

たしかに物事をポジティブに見たほうが視界が広がるし、協力しれくれる人も集まる可能性が高いとは思います。

ですが、結局はその人が最後まで辛抱強くやり遂げるかどうか?で成功するか否かが決まるので、一概にポジティブが成功するとは限りません。

さて、先ほどポジティブ傾向が良い、ネガティブ傾向が悪いということは無いというようなことをお話しましたが、1つだけあまり良くないであろうと感じることがあります。

それは、ネガティブ傾向にある人が「自己肯定感」を高めて無理やりポジティブに近づこうとする行為なんですね。

「自己肯定感」を高めようとする気持ち、それに伴った行動をするのは良いと思います。

「自己肯定感」を高めることで視界が広がり、自信もつき、なにかを成し遂げるスピードが上がるかもしれません。

また、自分に自信を持つことで周りから信頼され、大きな仕事やプロジェクトを任されるかもしれません。

「自己肯定感」を高めてこういった良い傾向に進んでいくのはとても素晴らしいと思います。「自己肯定感」を高めること、そこまでについてはどちらかというと大賛成です。

しかし、「自己肯定感」を高める事と、そこからポジティブなキャラクターになることは別物なんですね。

これまでどちらかというとネガティブな考えかた、物事の見かた、キャラクターだった人が、

「自己肯定感」

が高まったからといってポジティブなキャラクターに無理やりクラスチェンジしようとすると、かなりの確率で痛い目をみてしまいます。

ポジティブ、ネガティブなキャラクターというのは、その人の生い立ちや過去の経験、体験に基づくことが多いものです。

すなわち、その人の心に根付いた核となるキャラクターであって、反対方向にクラスチェンジしようとすると、最初は良いが後々ものすごい負荷がかかってくる、ということが多々あるんですね。

ネガティブだった者がポジティブにクラスチェンジを試みると、最初は、

「あの人、雰囲気変わったなぁ。明るくなった」
「ずいぶん話しやすい感じになったなぁ」
「発想が前向きになったよね」

というような、その場が和みそこにいる人たちもこれまでと見る目を変えるでしょう。

それが何事もなく続いていけば良いのですが、多くはそうはいかず、無理やりクラスチェンジしたキャラクターに疲弊してしまいます。

ポジティブなキャラクターになり雰囲気が変わると、周りはその人に対して期待値というものを変えてきます。

期待値を変えてくるというのは、これまでと違う接し方をしてきたり、これまでとは違う物事を頼んだりされること。

これまで自分の中にあった常識が通用せず、想定の範囲外から物事が下りてくる可能性が高まります。

今まではキャパシティーを超えない範囲で行動できていたものが、周囲の期待値が高まったことにより、軽々とキャパオーバーしてしまう。

人は不思議なもので、ポジティブなキャラクターに対して物事を投げかけたり何かをゆだねる傾向にあります。

もともとそのようなキャラクターではなかった者が想定の範囲外で物事を投げられる、ゆだねられると、最初は頑張るが無理は継続できないもので、長続きしないものです。

そして最終的には心が疲弊してしまい、心の病に陥ってしまう可能性も否定できません。

改めて述べますが、「自己肯定感」を高めることとポジティブになることはまったく違います。

ネガティブなキャラクターなりに「自己肯定感」を高め、そのキャラクターのまま自信をつける、生きやすくなるのがベストだというのが私の見解なんですね。

ポジティブが良い、ネガティブが悪い、ということは決してない。それはあり得ません。

あなたはあなたのまま、自分なりに「自己肯定感」を高め、何かを成し遂げていければ良いと思っています。

多分、それがベストだと感じています。


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