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言葉1つで幸せになることも不幸になることも私たちは知らなさすぎる

人間にとって、日常の生活をしていくうえで欠かせない会話、おしゃべり。

家庭、会社、学校、サークル、プライベートなど、私たちは人がそこにいる限りなにかしらの言葉を介し、関係性を築いている。

この世界には様々な人間がいるもので、楽しい会話やおしゃべりであれば良いが、時には気分を害する、気が滅入るなど嫌な会話やおしゃべりをすることがある。

会話やおしゃべりにおいて楽しい、楽しくないを切り分けるもの、それらはすべて発する「言葉」のなかに凝縮されている。

また、言葉というのは古来から「言霊(ことだま)」とも言われ、霊的な力が宿るとされている。

厄除けや成功成就など、神職につく方や僧侶などがあげる「祈祷」や「祈り」、恨みや憎しみを晴らすため呪術師などがあげる「呪い」や「呪詛」など。

そういった祈祷しかり呪いしかり、言葉によって紡がれる方法であり、これは言葉の持つ力を理解しているからこそ古来より使われているものと言えるだろう。

そのように、いかようにも使われる言葉だが、普段から言葉の内容や中身については精査しておく必要があると個人的に感じている。

祈りや呪いにも使われるほどなので、言葉には強い力がある。そして、その力は発する相手はもちろんだが自分にも相当な影響を与える。

言葉というのは口から発すると身体の内部から外部に飛び出すわけだが、厄介なのは耳を通し、再度自分の中に入ってきてしまうことだ。

相手に届いた言葉は同じタイミングで自分にも届いてしまう。

相手を褒める、称える、賞賛する、喜ぶ、楽しむ、など俗にいう

「プラスの言葉」

であれば特に問題はない。プラスの言葉には殺気というか嫌な気配というか、そのようなものはない(嫌味などは別だが)からだ。

「プラスの言葉」は言われたほうはもちろん、言ったほうも気分が良く晴れやかな心持ちとなる。

だが、逆に相手を貶める、咎める、悪口、陰口、嫌味、不平、不満など、

「マイナスの言葉」

についてはどうだろうか?

言われたほうはもちろん、言ったほうもなんだか気分悪くトーンが落ちるような心持ちにならないだろうか?

人によっては愚痴や嫌味などを言うことでスッキリ気分が軽くなることもあるだろう。

だが、愚痴や嫌味というのはマイナスなエネルギーなので、一旦はスッキリしても消えることはなくどこかのタイミングで湧き上がり、悶々とした気分を過ごすことになる。

言葉には薬となるものと毒となるものがある。

上記にあげた「プラスの言葉」が薬となり「マイナスの言葉」が毒となるわけだが、それぞれ言葉の持つ力を理解していないとそれ相応のダメージに繋がる。

これは他者に向けた言葉だけではなく、独り言のように自分自身にだけ聞こえる声で呟いたものも同じだ。

逆に独り言のように呟いたほうが毒性が高く、言葉の毒が回り、場合によっては精神に大きな負担をかけるときがある。

多くの心の病があるが、それらがなかなか回復しない、完治や改善の気配が見えないのであれば、言葉によって自分を貶めてないか?チェックしてみることが大切だ。

2人のおばあさんの話

これは、私がカウンセリングを通しクライアントに言葉の重要性を伝えるため、時々話すことがある事例だ。

ある、70代の2人のおばあさんがいる。

1人のおばあさんは腰が曲がり杖をつき、歩きも遅く、肌にもしわが寄り、いかにもおばあさんという感じだ。

そのおばあさんの言葉に耳を傾けてみると、

「私はもう歳だから」
「これ以上生きていたってしょうがない」
「歳だからこんな身体になってしまって」
「若い人には何も勝てない」
「年寄りはいなくなったほうがいい」

というような、ほぼ「マイナスの言葉」で埋め尽くされ、お話している相手も対応に困るような、少々げんなりとしている。

一方、もう1人のおばあさんは背筋がスラっと伸びておりスイスイと歩き、肌にも張りがあり、オシャレでとても若々しい印象だ。

同じように、そのおばあさんの言葉にも耳を傾けてみると、

「私なんてまだまだこれから」
「先月は○○に旅行に行って、来月も○○に行くの」
「最近パンケーキが有名なカフェに行ったの!楽しかったわ」
「芸能人のあの子、素敵よね」
「毎日いろいろと楽しくてしょうがないわ」

など、ほとんど「プラスの言葉」で埋め尽くされており、聞いているほうもにこやかに会話を楽しんでいる。

普段から「マイナスの言葉」で自分を埋め尽くしていくと、それが身体に浸透され、それに見合った身体や精神となる。

逆に、普段から「プラスの言葉」で自分を埋め尽くしていると、同じく身体に浸透され、それに応じた身体や精神となる。

この事例からもわかるように、いかに言葉というものが自分自身に影響を与えるか?言葉通りとなっていくか?理解できたのではないだろうか。

普段使っている言葉を見直す

あなたは普段どのような言葉を使っているだろうか?

うつ病やパニック障害、適応障害、摂食障害、社会不安障害、対人恐怖など、心の病に陥っている人はなおさら普段使っている言葉を見直す必要がある。

「私はダメな人間だ」
「私なんかいないほうが良い」
「この病と一生付き合っていくのかも」
「生きている価値がない」

など、言葉は違えど自分を陥れる言葉を使っていないだろうか?

あきらかに「マイナスな言葉」だが、口ぐせのように日々言っている言葉はないだろうか?

心の病というのは「マイナスな言葉」を好み、それをある意味栄養として膨らんでいく。

日々の発言で「マイナスの言葉」が多ければ多いほど喜び、延々とあなたから離れることはない。

本当に、心の底から心の病を治すという気持ち、改善したいのであれば、まず言葉を見直すことが重要だ。

先ほども述べたが、「マイナスの言葉」は口から出たものが再度耳を通して自分の中に落とし込まれ、身体に浸透していく。

そして、身体は浸透してきた言葉通りになろうとし、それはほぼ確実に実現されてしまう。

これは心の病に限った話ではなく、なぜか元気が出ない、活力が湧かない、気力が無い、などあれば、まず言葉を見つめ直してみると良い。

とくに「マイナスの言葉」は発していないのであれば、「プラスの言葉」をわざと多用して気力や活力を湧き上がらせる方法もある。

それはいわゆる、

アファメーション

と呼ばれるものだ。

今回は話の主旨が違うのでアファメーションには触れないが、タイミングをみて別途お話しようと思う。

「プラスの言葉」が見つからないのであれば、できるだけ笑顔を意識してみるのも良い。

笑顔というのも不思議なもので、笑顔を意識するだけでも身体や精神に良い影響があり、晴れやかな心持ちとなっていく。

言葉が見つからなければ笑顔をぜひ意識したいものだ。

今回は言葉の持ち力、重要性について述べたが、いかがだろうか?

普段の言葉を見直す、マイナスをプラスに転じることで心身ともに晴れやかとなり、満たされるのであれば、これほど費用のかからない健康対策はないのではないだろうか。


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