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『産後の恨みは一生』



と よく言いますが、

出産・妊娠は 生と死が交錯する、人生における 一大イベント。

この期間に何か『出来事』が起きたとしたら、その後 大きな影を落とすことは 想像に難くないな・と思えるほど 女性たちは繊細な気持ちで過ごしています。



我が家には ムスメがひとり。
その一大イベントも この5月で もう12年前になりますが、幸いにも「恨み」より 「ありがたみ」を 感じられる日だったのをよく覚えています。



…とは言っても、旦那さんは仕事で不在、
「恨み」に 取って変わっても おかしくないシチュエーションの1日ではありましたが。笑



「ありがたみ」を 感じられたのは、里帰り出産を選ばなかった私に、当時(今も)ほんとうにあれこれとよくしてくれた義両親のこと。


隣の市から 駆けつけてくれて、手も出さず 口も出さず、「何かあったら すぐ呼んでね」と 分娩室の外で いつ終わるとも分からない出産を ただ静かに待ってくれていたことは、
1人で 初出産を迎える私にとって 何より心強い存在でした。




普段から尊敬しかない お義母さんなのですが、ご自身は 姑さんとの関係で相当 大変な思いをしていたそうで。笑

(なので、私には 苦労させまい・と 気を遣ってくださっています)




「もうね、私 いまだに忘れられないことがあって。ううん、もう 一生忘れないわ」




そう前置きして 聞かせてくれたのは、今から50年近く前、第一子である旦那さんのお姉さんを妊娠中の『出来事』。



姑さんが 遠方から訪ねてくるにあたって、身重ながら もてなす準備をしていたお義母さん。



訪問前の予定では、お義父さんが お姑さんと出掛けて、その間に お義母さんが食事など準備するという話だったそうで。



ところが お姑さんが やってきて、出かけることになったとき、


「この人(お義父さん = 自分の息子のこと)と 2人で出かけても 面白くもなんともないから、みんなで出かけましょう」


…… 身重のお義母さんを気遣う気配がないのももちろんですが、自分の息子にさえ なんちゅー言いぐさ。笑



やむなく 一緒に出かけることになったお義母さんですが、車の移動と つわりも相まって、道中で気持ち悪くなって 吐いてしまい、

でも しんどいながら 「帰ってから ごはん作らないと」など あれこれ準備に思いを巡らせてたそうで。



お姑さんは というと、帰ってきて早々
「○○さん(= お義母さん)が 不機嫌で なんだか楽しくなかったわ」と。

(つわりで 吐くほどだったお義母さんが、体調が思わしくないだけだったのか 実際 機嫌が悪かったかどうかは定かではありませんが)



さすがに 😑←こんな 顔になってたであろうお義母さん。

なんとか 冷静を保ちながら 食事も準備し、食後にスイカを出したそうなんですね。



ちょうど5月の今ごろ。【初物のスイカ】。



それを出されたお姑さんの一声。



「あら、初物のスイカなんて、高いわりに 美味しくないのに。こんなの買うもんじゃないわよ」



…… よく ブチ切れずにいられるな、お義母さん。
と 聞いてて思いましたけど 笑、


「でもね、このスイカ、
すんごく甘くて美味しかったのよ!!」


ヒートアップしながら そう話してくれ、

(普段 愚痴る人ではないので はじめて険悪さを聞いたのですが、体まで壊してるので 相当 苦労されてたことと思います)


その数十年後、【初物のスイカ】が ふたたび 登場したのは、12年前の今ごろ私がムスメを産んだ後。





私は あまり覚えてなかったのですが、産後 退院して自宅に戻ったあと、料理の差し入れと一緒に、【初物のスイカ】を持ってきてくれたことがあったみたいなんですね。

 (スイカのことは 記憶が薄いのですが、筑前煮など あれこれ持ってきてくれて めちゃくちゃありがたかったのは覚えてます)



お義母さんは、姑さんのことも思い出されながら スイカって 好き嫌いあるしどうかな… と 思ってたそうなんですけど、


私が「うわー! スイカ 大好きなんですー!😍」と めちゃくちゃ喜んで。笑


お義母さん、
(あっ、この子とは うまくやっていけそう)
と 思ってくれたそうです。笑



私は 本当にスイカ 好きだし、産後に さっぱりしたもの食べたい・て 理解してくれるのありがたい…

初物のスイカってお高いのに、わざわざ 買ってきてくれたんだ・って 今でも喜んでたの想像できるので、


でも そのことが、お義母さんの 嫁姑間に影を落としていた【初物のスイカ】を 成仏させることになってたとは、思いもせず。笑



時を経て 嫁(私)の 知らないところで、【初物のスイカ】は ようやく報われていた。



うちは ムスメ1人なので、嫁姑問題の心配がない上に、ムスメは なぜかスイカ嫌い。笑

でも 将来、ムスメが子どもを産んだときには、お義母さんの話を思い出しながら お祝いにスイカを食べよう、と 思ったのでした。



そのスイカが【初物のスイカ】かどうかは、未来のお話。



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