まるごと好きになる

narukkkoさん、いよいよ1年も終わりが近づいてきましたね。世界がすこしだけしんとした特別な空気をまとうこの期間、いかがお過ごしでしょうか?

前回のBGM「やさしいままで/never young beach」、感情の揺れにゆったり身をまかせたくなるような、素敵な曲ですね。

(前回いただいたお手紙はこちら)

お手紙を拝見して、narukkkoさんにとってこの1年が大きな変容の時間だったことがじんわり伝わってきました。

20代の頃に描いた30代の理想像に縛られて苦しくなった経験が、私もあります。そして、narukkkoさんのご友人のこの言葉にハッとしました。

「うまくいっていない、変わらない=価値がない、と思っていない?」 「うまくいっていない=自分じゃない、と思ってはね返していない?」

今、ネイティブアメリカンの智恵”First Peace Circle"について学んでいるのですが、先日は自分の中の理性と情動を対話させる、というワークに取り組みました。

そこで、普段どれだけ自分の中の情動的な部分・幼い部分を抑圧していたか、ということに気がつきました。

「私は強く明るく、誰にでも優しい人間だ」とあるべき自分を定義する時、そうでない自分のことは見ないふり・聞かないふりをしてしまうんですよね。と同時に、他の人の弱い部分をケアできなかったり、イライラしてしまったりすることもありました(=私はこんなに頑張っているんだから、あなたも頑張りなさいよ!というエゴですね)。

その状態は、まるで必死に片足立ちをしながら「私はしっかり立っている!」と言い張るような、不自然なものなんだなぁと実感しました。

そして、こわごわと聴いた自分の情動的な声も、実はその中に強さを含んでいることにも気がつきました。

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この往復書簡のテーマでもある、うつろい。

タイトルを決めたときに、なぜこの言葉が出てきたのか今でも不思議なのですが、おそらくこの1年私自身にも大きな考え方の変化があったからなのではないかと思います。

例えば、コーチングも「大きな目標や未来を描いて、現実とのギャップを埋めていく」メソッドを主に使いながら、「どんな質問をするかが重要」だと解釈していた初期から、「今、心から湧き出てくるものと探索していく」スタイルに変化し、「質問だけではなく、非言語領域の変化や対話をしている2人の関係性」にも目を向けるようになりました。

また、長く続けるであろうと考えていた仕事に区切りを打ち、新しい環境へ入っていくことを決めたのも今年でした。

「現在は過去を含んでいるのだから、今の自分が感じていることにもっと正直になってみよう」とふと思ったんですよね。

narukkkoさんのマインドチェンジと呼応しているようで、何だか嬉しく感じています。

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好きな本の一つに、詩人の工藤直子さんのエッセイ集「まるごと好きです」があります。

まず「まるごと好きになる」
はなしはそれからだ。

人の良いところを丁寧に見つけながら、そうでない部分も含めて、まるごと好きになる。

そんな工藤さんのご友人とのつき合い方について描かれたエッセイからの一文なのですが、この言葉、そのまま自分自身にも向けたいなと思うのです。

2021年、移ろいも弱さも含めて、自分自身や大切な人を「まるごと好きになる」1年にしていけたらと思っています。

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narukkkoさんは2021年、どんなテーマと歩んでいかれたいですか?

今年は出会っていただき、そして温かい言葉を交わしていただきありがとうございました。どうぞ素晴らしい年をお迎えくださいね💐

今日の飲み物:カプチーノ
今日のBGM:「Seasons of Love / Rent」


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