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ネパールでは 出産前に胎児の性別を教えてくれない

こんにちは。ネパールで子育てをしながらコーチングを提供している森田愛です。
2021年4月にネパールに移るまで、国連・NGOの仕事で途上国を転々としながら、国際開発援助に従事していました。(詳しいプロフィールはこちら

今日はネパールでの妊娠生活の様子をお伝えしたいと思います。

現在第2子を妊娠中の私。
こっちの産婦人科医にかかって久しいですが、
毎回「え、そんなのアリ!?」という驚きがあって新鮮です。

先週は2時間のGlucose Tolerance Test(空腹時血糖検査)でした。
前日の夜から食べ物を口にせず、いざ朝8時に検査に向かうと、
係の女性が「このブドウ糖75mgを水に溶かしてから飲んでください」
と言い、私にブドウ糖が入った紙コップ2つを手渡しました。

ディスペンサーの水を使うようにと指示されたので、その通りに水を入れてみたのですが、、、、、、、

と、溶けない!
ほとんどすべてのブドウ糖が溶けずに紙コップの底に固まったまま。
しばらくすれば溶けるかなと放置してみたものの、
頑固なブドウ糖さんは待てど暮らせど水と融合してくれる気配なし。

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仕方なく、先ほどの係の女性に「溶けないので、スプーンか何かもらえますか」と聞いてみたところ、
まったくしょーがないわね、と言わんばかりに「やり方見せますから。」と一言。

何を見せる必要があるのだろう?スプーンくれれば済む話なのに、と思いながら付いていくと、
彼女は、おもむろに二つの紙コップを持ち上げ、
片方の紙コップからもう片方の紙コップにジャーッと中身をすべて移し、
そしてすぐにまた、片方からもう片方に、ジャジャーッと中身を戻す、
という作業を始めたのです。
そう、化学者が試験管でやっているようなあの動きです。
目の前で頑固なブドウ糖さんがみるみるうちに溶けて行きます。

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「な、な、な、なるほどー!!!!」
感心した私は唸ってしまいました。
こんな解決策があろうとは考えも及ばず、
「私の頭も大分固いな」と反省する一方、
モノがなければないで、人はクリエイティブに解決策を見出すのだなぁ、と感心してました。

「いやいや、スプーン使えばいいじゃん」と思う方もいらっしゃると思いますが、
こういう所に、私は途上国生活のツボを感じたりします。
「この国じゃ、そんな簡単に事は運ばないぜ!さぁ、どーする?」と挑戦されている気がして、妙に楽しくなります。
そこを楽しめるか否かが、こういう場所で生活していけるかどうかの分かれ目になってるのかもしれません。

因みに、以前はスプーンを配布していたそうですが、
皆んながそこら中に捨ててしまうので、止めたのだとか(笑)

―――

ところで。

ネパールでは、生まれる前に胎児の性別を医師が教えることを違法としています。
それは、男児を好む習慣から、女児だと分かると中絶するケースが後を絶たなかったから、と言われています。

「いやいや、そーは言っても、私は外国人だし。きっと教えてくれるだろう」と高をくくって、こっちの医者に何度かネゴってみましたが、あっさりと断られてしまいました。
(でも後から「そんなの、ちょっとだけ賄賂を渡せば教えてくれるよ」とネパール人がコッソリ教えてくれました…ショック)

なので、妊娠7か月になる今でも、私は胎児の性別を知りません。
でも気になる・・・

と言うことで、一歳半の娘に聞いてみることにしました。
ひょっとして、この子は知ってるんじゃないか…そんな気がしたからです。

※注 娘は最近少し単語を覚え始めただけで、「会話」はまだできません。

私「〇〇ちゃん、もうすぐお姉ちゃんになるね」
娘「(間髪入れず)ベイビー!」
私(驚・・・なぜ!?ひょっとして意味分かってる?)「ベイビーはどこにいる?」
娘(私のお腹を指さしながら)「おもいー!」
私(えー――!!“重い”ってこと!?ひょっとしてマジで意味分かってるの!?)「ベイビーは、弟?妹?」
娘「おとうとー」
私(エェェェェー―――――――――?!?!)

あまりに会話が成り立ってしまったので、びっくりしてしまった私は、
「弟・妹」「Boy・Girl」「男・女」など、ちょっと単語・言語を変えて同じことを試してみたところ、スムーズに行かない時も勿論あったものの、大体結果は同じだったのです。

こうなったらもう、娘を信じるしかないよなぁ・・・と諦めることに。

ちなみにちなみに。
ネパールでは、生まれてくる子の性別を予想するのに面白い言い伝えがあります。
それは、上の子が“あるポーズ”をよくすると、次の子は男の子、だというものです。

そのポーズとは、四つん這いの状態から、お尻を天井へ向けて突き出し、上半身・下半身と床とで三角形を作るポーズです。
そう、ヨガでいう「下向き犬のポーズ(downward-facing dog)」です。
確かに、うちの娘はこのポーズをよくやります。(どの子もやるもんだと思っていました)
これを見るとネパール人は「あ、この子はまた男の子を呼んでるね」と言います。

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これだけ沢山の男児が産まれると言う兆しがあるのだから(科学的根拠は一切ありませんが(笑))
もう性別を確かめる意欲もすっかりなくなってしまいました。

娘からのメッセージは、本当に当たるんだろうか・・!?と思うと、なかなかワクワクしてる自分がいたりして、新鮮です。
サプライズが待ってると思うと、それはそれで楽しみが増すものですね。


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