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今月末で著作権の保護期間が満了する先人たち‥2014/15

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ガジェット通信で2014/2015年に連載した企画のまとめと裏話。(表紙画像はPhotockを利用)
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あとがき──次の世紀の読者へ

あとがき──次の世紀の読者へ

 もう来年はこの短期集中連載を行うことも無いと思うので、ここにひっそりとあとがきを記す。

 かねてから文壇も音楽分野も没後50年を迎える巨匠揃いで「空前の当たり年」と評されて来た2015年は、もうまもなく“時間切れ”により終了する。それは昨年までのような積極的な意義を持った終了でなく、彼等に言わせればただ単に「間に合わなかった」だけ、別の言い方をするならばアディショナルタイムに1点入って引き分け

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今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2015・その5【実業・学術編】 http://getnews.jp/archives/1290760 今やれることは大方やり尽くした。あとは、エンドクレジットを入れるだけだ。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2015・その4【音楽編】 http://getnews.jp/archives/1289996 書き手としては、2人の大作曲家の生き方からそれぞれのジレンマを感じてもらえると嬉しい。それはたぶん、今後クローズアップされるテーマだから。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2015・その3【美術編】 http://getnews.jp/archives/1286715 このジャンルは過去2回もなかなか適当な画像が無くて苦労した記憶がある。今年は人物写真が見当たらずスクリーンショットを使わざるを得なかった。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2015・その2【文学・後編】 http://getnews.jp/archives/1282693 今年は諸事情で昨年やった海外編を入れられなかったが、過去2年ほど人選に苦労しなかった。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2015・その1【文学・前編】
http://getnews.jp/archives/1281242 来年は連載自体が出来なくなるとわかっていても悲愴感は無い。今これを書いておけば、パラダイムシフトの礎石になるかも知れないじゃないか。

そんな訳で、今年のシリーズ連載はこれで終了です。来年もこの連載が出来るかどうかは皆さん次第ですし、筆者も悪足掻きを続けます。最後に、

どうかこのシリーズ連載の二番煎じでも三番煎じでも、好きなだけやってください。

それをやる人が他にも出て来ると、きっと今の悪い流れが変わります。

米国では2019年からようやく「1923年没の人物がその年に発表した遺作」を皮切りに“自由化”が再開される。パランテ提言が受け入れられれば話は別だが、現在進行で議会の徹底的な潰しに遭っているだろうし万に一つ通っても米国以外のTPP参加国には何の関係も無い。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2014・その5【実業・学術編】
http://getnews.jp/archives/715047
今年のシリーズ連載はこれで完結。今年の連載で本当に言いたかったのはレイチェル・カーソンの最後の段落に書いた事実かも知れない。

こればっかりはどうしようも無いのだが、撮影者の生死に関わらず自由に使える人物写真は1956年以前に撮影されたものでなければならないため毎回同じような白黒写真がトップに来てしまう。1957年以降のものは新聞社が撮影したものなら法人著作扱いで公表後50年経過すれば使えるかも知れない。

今月末で著作権保護期間が満了する先人たち‥2014・その4【音楽編】
http://getnews.jp/archives/713876
音楽編。今年は通好みの作曲家が多いイメージ。

もう一つは、もう米英仏豪の作品でも戦時加算を意識しなくて良いフェイズに突入したんだなあと実感。今年限りかそもそも戦時加算自体をほとんど意識する必要が無くなるであろう10年後も続いてるかわからんけど。

そもそも貿易自由化と著作権(に限らず知的財産権全般)不自由化がイコールフッティングの時点でおかしいんだよ!

連載をしながら来年1月1日に“自由化”される顔触れを見ていて思うのは、率直に「嵐の前の静けさ」。この次は文学が江戸川乱歩に谷崎潤一郎で音楽が山田耕筰に信時潔だから、日本文芸家協会もJASRACも「何が何でも絶対に年内TPP批准」でZ旗を揚げるのはもう十中八九間違い無いだろう。