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カーネーションと偶然と。

一日早く、母の日のプレゼントをもらった。ほんとうの母の日は5月12日(日)だそうだけれど、夫がなんやかんやと忙しいということで、前倒しにしてくれたらしい。

毎年、義母と自分の母にプレゼントを用意するのに、わたし自身がもらえるだろうと予想をつけるのはうっかり忘れてしまう。そして、バタバタしているときに「母の日だよー」と娘たちから2輪のカーネーションを渡されて、びっくりすることになる。

今年はピンクと赤のカーネーション。わたしが皮膚科に行っているあいだに、夫が娘たちを連れてお花屋さんに行き、買ったのだそう。娘たちが1輪ずつ大切そうに持って帰ってきたと聞いて、顔がほころぶ。

夫からはお菓子の詰め合わせ。おいしい。最近のわたしはちょっぴり増量気味なのに……! ということはこの際、黙っておく。

いちばん嬉しかったのは「ママは本が好きだから」と、夫が一枚の栞をつけてくれたことだ。勉強のための本を買いに本屋さんへ行ったとき、シックなグレーの革でできた栞を見つけて、お菓子に添えてくれたのだとか。

なんだか、家の外でもわたしのことを考えてくれたのだと思うと、嬉しい。「母の日はプレゼントを贈るものと決まっているから」と選ぶものと、たまたま見つけてレジへ持って行ったもの。もちろんどちらも嬉しいけれど、大切に思ってもらっているとなんとなく感じさせるのは後者かなあ、と。

以前、友人にピアスをもらったときも、彼女は「たまたまアクセサリーのポップアップストアを通りがかったら、ちなみちゃんに似合いそうなのがあったから」と言ってくれた。じわーんと嬉しくなったのを憶えている。

あ、今、なんだかプレゼント選びの極意に触れた気がしたのだけれど、ぼんやりしているうちに考えがふわっと霧散してしまった。きっと「あなたのことを考えていた」と「たまたま出会ったもの」がミソ。

偶然がプレゼントに素敵な彩りを添えてくれるのかもしれない。いつもぼけーっと、心ここにあらずで歩いているわたしにはなかなか難易度が高いような……。うーん、プレゼントの達人への道のりは遠い。

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