アオガキカルタロウ

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年…

アオガキカルタロウ

小説を書いています。noteでは小説、書評、回顧録をやっていきたいと思っています。 年に2回、文学フリマ東京に『超能力戦争の退役軍人』という名前で出店しています。 毎週金曜日更新です。 https://twitter.com/long_slow_slide

最近の記事

子供の頃の夢が叶った

 今回のタイトルは「子供の頃の夢が叶った」と、なかなか期待を持たせるものだが、先に言ってしまうと「夢を持つ前の夢が叶った」といったところだ。そしてこの「子供の頃」とは、12歳、中学校1年生の頃の夢。1996年と、もうずいぶん昔の話になる。  当時の僕は中学校に上がって突然のように厳しくなった学校生活や、ギャングエイジの同級生との関係(今ならばスクールカーストということだろう)に嫌気が差し、中学校をドロップアウトした。  それから学校に行かずに家でなにをしていたかと言うと、昼夜

    • 特に障碍者として理解されたくはない

       ジム通いで栄養とトレーニングについて調べるのが趣味になってしまった。まあそれはともかく、今回は持病の話。  僕はときおり自分が双極性障害であるということをXの投稿で言ったりする。しかし僕自身は、持病である双極性障害を過剰にアイデンティティにしていない。良くも悪くも、自分の個性や人生とは関係ないという感じだ。たまにXのアカウント名に自分の病名を入れている人を見るけれど、あれもあまり意味が分からない。僕自身は双極性障害と強迫性障害の併発で第2級精神障碍者となっているが、それが

      • 運動嫌いのチョコザップ

         こんなタイトルにして、果たして本当にちゃんとチョコザップは続くのだろうか。実は5月15日に契約して、今日、5月17日に初めて行った。埼玉県狭山市に引っ越して、初めて駅の踏み切りを渡ったぞ。  チョコザップ狭山は地下にあって、薄暗かった。そして、人は僕しかい。なんとなく不安だったが、一応はすべてのマシンで15回×3セットやって、最後にランニングマシンでランニングもやったぞ!  ところで、僕は学校教育をドロップアウトしたのがめちゃくちゃ早いので、自分が運動のできる人間なのかそう

        • 才能のない僕がやるべきこと

           先日、「人を尊敬できるかどうかって才能だと思う」とXで投稿した。しかしこの投稿は、少し誤解されてしまった。言葉が足りなかったのだ。もちろん額面通り、「人のことを尊敬して真似ていこうということができる人と、謙虚さのない人がいる」という意味でも通るのだが、僕があの投稿をした際に考えていたのは芸術のことだ。  僕は音楽と文学をやってきて長いが、音楽にはちゃんと師がいて、文学に関しては独学だ。そのため、文学の技術的なことを考える際は、どうしても音楽で勉強してきたことを流用することに

        子供の頃の夢が叶った

          小説執筆のため

          休載します。

          小説に社会性を持たせるということ

           15歳の頃から、大江健三郎が好きだ。あいにく、1994年に彼がノーベル文学賞を受賞したことは小学生だったということもあって覚えていないが、初めて大江文学に触れるまで、僕は大江健三郎というのは道徳的で優等生のような小説を書く人だと思っていた。  しかし、実際に大江文学を読んでみると、社会の不安な動きに怯える神経症の主人公が数多く出てきて、僕はこれにとても感銘を受けた。僕自身、世の中の政治の動きや社会問題を過敏に受け取る人間で、10代の頃は自分自身の個人的な悩み(友達がいないと

          小説に社会性を持たせるということ

          新しい波や合理主義について思うこと

           先週は更新できず、また休載の報せもできずに申し訳ありませんでした。ちょっと持病が悪化して長文を書く余裕がなく……。まあ、ともかくまたいつもどおり書いていこうかなと思います。  今回は「時代の流れ」について。  僕は昔から新しいものより古いものに好奇心が向く方だった。最新の流行をキャッチするアンテナの感度が低いというのもあるし、性格が保守的だからというのもある。それに、新しい波に対する恐怖心も強い。ヘルマン・ヘッセの『荒野のおおかみ』は時代の転換点のその激しさのあまり神経症

          新しい波や合理主義について思うこと

          新年度の空気

           新年度になった。甥っ子は中学受験を終え、私立の男子校へ。僕の方は職場の管理者が替わり、残業は1分も許さない(それまで残業代は月に15,000円くらいあった)、そして飲み物はジュースやお茶が禁止され水のみになった。なんか変な管理者来たなあとは思うけれど、まあいいや。  ところで、僕は子供の頃からずっと新年度が嫌いだ。特にクラス替えがある年は本当に大嫌いだった。新しい環境が得意な人は少ないと思うが、特に僕は新しい環境や人間関係に馴染むのが苦手だったので、新年度はいつも不登校にな

          自分の文体をものにしたい

           新潮新人賞200枚、すばる文学賞200枚、投稿できた!200枚丁度で作品を書き終えたのはこれで4作目。僕は200枚丁度で終わらせることができるという、作品の出来とまったく関係ない特技があるらしい。2枚丁度小説を毎日書いたり、40枚丁度小説を数カ月に1度書いたりという日々の中で身についたのかもしれない。  今回は、文体の話。  文体に関してはいろいろ思うことがあり、最近になりTwitterで尊敬している方に「その文体は自然なものか、それとも鍛えたものか」と尋ねたりもした。そ

          自分の文体をものにしたい

          3月末の新人賞のため

           休載します。

          3月末の新人賞のため

          小説における固有名詞

           すばる文学賞まであと1ヵ月、最高にヤバい!僕はこういうとき、「BLACK SABBATHの『PARANOID』もDEEP PURPLEの『SMOKE ON THE WATER』も大急ぎで作られたものだし、頑張るしかない」と思うことにしている。とにかく自分よ、頑張ってくれ。  今回は、小説の演出についてのお話。  僕が書く小説では、基本的に登場する作家、ミュージシャン、映画などは固有名詞を出すことにしている。なんでと言われても困るけれど、ひとつは遊び心、そしてもうひとつは「

          小説における固有名詞

          僕が抱えている呪い

           相互フォローしている龍中さんに紹介していただいた福澤徹三『怪を訊く日々』を読んでいる。これがまあ、めちゃくちゃ面白い。僕は自分が執筆する際は、なにかを読んで活字に対する勢いをつけるタイプなので、作品に取り掛かっているときこそ本が必要。なのでとても助かっている。(それにしても専門分野を持っている人はやはり凄くて、僕の注文に対して龍中さんは何作もお勧め本を教えてくれた。流石である)  さて今回は僕の持っている劣等感についてのお話。お前の劣等感なんて知らねえよと言わず、お付き合

          僕が抱えている呪い

          考えてみるとおかしな話

           都市伝説が昔から好きだ。それも、大好きと言っていい。どこに惹かれるのかを説明するのは難しいけれど、都市伝説や怪談には人間の潜在意識みたいなものがうかがえるのが好きなんだろう。そんなわけで、自分で書いている小説にもなにかしらの怪奇現象を盛り込んだりする。  初めて都市伝説を意識したのは、1997年のことだ。あの年には、神戸連続児童殺傷事件があった。当時の自分は中学校2年生で、犯人は自分より1学年上の少年、自称・酒鬼薔薇聖斗(今回の記事は別に少年Aについてのものじゃないけど、

          考えてみるとおかしな話

          4つのタイプのガンダムファン

           また1日遅れてしまいました。申し訳ありません。ところで、世の中では『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』が公開されてるらしいですね。自分は富野由悠季が作っているガンダム(俗に言う「宇宙世紀のガンダム」)にしか興味がなかったので、西田藍のTwitterを見るまで知らなかった。  さて、そんな「作者の富野由悠季には思い入れがあるけど、ガンダムのシリーズそのものには興味がない」という押井守、庵野秀明型のガンダムファンの自分が、なんとかガンダムファンを系統分けしてみると

          4つのタイプのガンダムファン

          物語の役割

           今年に入ってまだ1ヵ月だけれど、歯が抜けてること以外、身体に不調がない。思えば昨年は、運送会社のクール便を仕分ける仕事で冷蔵庫と外を出たり入ったりしていたので、その温度差で身体に負担をかけてしまっていた。今年は転職したので、思いっきり執筆に専念したい。  さて、今回は前にも扱ったことがあるような気がするけど、フィクション(物語)の話。  あれは2020年のこと、僕が昔勤めていた会社の女性が自殺をした。僕も会社を辞めたとはいえそれなりに付き合いのあった社員なので葬儀に参

          テレビを見ない人

           小説がまったく進まない。いつもいつも書き出しが書けないでいる。毎度毎度、書き出しで苦労しているのはなんとかならないのか。書き出しさえ、書き出しさえ書ければ…、というのはいつものことだ。  そんな中、サッカーのアジアカップをテレビで観た。サッカーのニュースはいつも一応チェックしているので日本代表の主要選手くらいはわかるのだが、ライブ中継を観るのはかなり久しぶりだったと思う。独り暮らしになってテレビを点けたのは、去年のWBC以来だ。僕は基本的にテレビを見ない。最近はニュースに関

          テレビを見ない人