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感謝でいっぱいです

この足の裏の感触は…まさか。
私はアレを踏んだような…。

誰がこんなとこに…。
猫?犬?稀に我が家に出没する猿?
家の敷地内だから、おそらくノラ猫ちゃんだな。
庭の物干し竿の真下辺りにしっかり、こんもり。(お食事中の方、ごめんなさい)

そこは気付かずに踏んじゃうよね。

フンを踏んだ。楽しくないダジャレだわ。
忙しい朝に、マジかぁ…。

10年以上愛用しているクロックスの右足の方が被害に遭い、その場に脱ぎ捨てて、片足ケンケンしながらとりあえず家の中へ。

シューズに履き替え、ビニール手袋をはめてビニール袋を持って、まずはブツを回収する。
そして庭の水道のホースを伸ばして、ジェット水流でその辺りを洗浄。
あとは日光消毒に任す。

問題はクロックスだ。
洗うか、さよならするか。
長年使っていて、裏はツルツルになっていた。
色がモカだから汚れはわからないが、かなりくたびれている。

放たれた匂いに負けて、さよならすることにした。
こんな別れ方で、ごめんね、パイレーツオブカリビアンのピンバッチ付きのクロックス。

久しぶりだ、このウンチの被害は。
2年前、私は何度もウンチ処理班としてご近所に出動していたのだ。


*****

我が家の周りで、堂々と道にウンチが放置される事件が続いたことがある。
家の真横だったり、ひどい時は駐車場の中にも、たびたび置き去りになっていた。

「嫌がらせ?」
「まさか、人の…?」
「いや、さすがに犬だな、しかも大型犬だろ。」
と、夫としゃがみ込んでマジマジと物体を見ながら話したこともあった。
ひどいときは、週に2回ペースでやられた。

ほとんどの場合、朝に発見することが多かったので、おそらく暗い時間帯の犯行だと思う。
ほんとに腹が立った。
見つけるたびに、私はビニール手袋をはめて、ビニール袋を持って処理に挑んだ。

そんなゲンナリするような作業を日々繰り返していた最中さなか、不思議なことが起こる。
当時、コロナ禍で始めたばかりのエッセイの公募にパタパタと受賞する、という運が舞い込んだ。

フンを処理して、ウンを生んだって感じやん!

そう思った私は、家の周りのウンチを進んで探すようになった。
なんなら、見つけたらちょっと嬉しかったし、近所の家の前の道に落ちているモノまで積極的に処理するようになった。

運を拾う、ウンチ処理おばさんだ。
ゲン担ぎ〜、徳を積む〜、そんな感覚で、せっせと回収に励んだ。

そんな2021年の3月末、恒例の年度末の地域の寄り合いでフンの話題が持ち上がった。我が家だけでなく、ご近所一帯がこのウンチ放置問題に困っていたのだ。

皆が犬の散歩を疑った。最近では我が街に野良犬はいない。多分、飼い主がそのまま放置していくのだろう、と。
『フンは持ち帰ろう』『フンは飼い主の責任』という張り紙を作り、あちこちに貼ることに決まった。

その効果なのか、いつの間にかウンチ騒動も落ち着き、近所に平穏が訪れた。
私の処理仕事も必要がなくなり、宝探しの任務は終了した。



*****

久しぶりの感覚だった。
庭でフンの処理をしながら、もしかして…という期待がムクムクと溢れてきた。これって、ウンを生んでるかも…と。

そして今回、おそらく何の因果関係もないのですが、やっぱり『フンを踏んで、ウンが舞い込んだ!』と思ってしまいました。

長すぎる前置きこのくらいにして。



「#清潔のマイルール」にて、グランプリをいただきました



とても光栄で、飛び上がるくらい嬉しかったです。
私が書いたものが認められるのは、すべてエピソードの力だなぁって、いつもいつも思っていました。今回もおそらくその理由が大きいでしょう。
それが私の「書くことへのコンプレックス」でもありました。

でも審査員の方から「文章の力」にも触れていただき、ポロポロ泣いてしまいました。
嬉しかった。
難病の娘のことは、ずっとそばにいた私にしか書けないこともあります。だからこれからも、そんな体験を伝え続けていきたいなぁと思いました。

3年前のあの時、親身になって精製水を探してくださった方々に感謝です。
コンテストに関わっておられるすべての方々、読んでくださった方々、気付いてコメントをくださった方々、皆様へ心から感謝申し上げます。
そしてこの際、猫にも犬にも感謝です。

ありがとうございました。


ネコちゃん、ワンちゃん、おサルさんも、またしてね、あ、また来てね。



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