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デカいペヤング

嫁ちゃんはたまーに、妙なモノを買う。

今回買ってきた妙なモノは
ペヤング四種四味やきそばだ。

どこら辺が妙なのかってこれ、
2038kcalもあるカップ焼きそば。
一人では到底食べきれる代物ではない。

「げっへっへ。買っちゃった」

意地の悪い魔女のようなわらい。
これはろくでもない予感しかしない。

「夫くん、好きでしょ?こういうの」

たしかにびっくりしたよ。
認めるよ、ちょっと面白かったよ。
でも現実問題、これ食べきれないでしょ?

「二人で食べれば行けるよきっと!」

まてまてまて
ぼくも食べるのか。これぼくも食べるのか。
はああ、そうだよなあ、食べるしかないか。

「じゃあ明日の夕食はこれで決まりね」

不安しかない食事のカウントダウンが始まった。

・・・

次の日。
仕事から帰るとキッチンからいい匂いが。

新玉ねぎのサラダやら
油揚げの玉子包み煮やら
野菜たっぷりの炒め物やら
丁寧に蒸したシューマイやら

なんだか色々嫁ちゃんが作っていた。

あれ、あのデカいペヤングは?
あっ、そうか。ジョークだったのか。
嫁ちゃんもジョークが上手くなったなぁ。

「おかえり夫くん!早速ペヤング作ってね」

ジョークなんてなかった。おお、神よ。
っていうかまてまて!
超大盛りのデカすぎるペヤング食べるってのに
なんだこの美味しそうなおかず達は?
こんなの全部食べきれないじゃないか。

「いやあ、夫くんお腹減ってると思って」

減ってるよ。そりゃ減ってるよ。ペコペコだよ。
でもこの胃袋はジャイアン(ペヤング)専用だ。
のび太(おかず)の席なんか空いてないんだよ。

「まあまあほらほら、食べよう食べよう」

・・・うーむ、美味い。
さすが料理の鉄人、どれも美味い。
やっぱりシューマイにはカラシだよね。

「おっ、3分経ったね。ペヤング完成だ」

これでペヤングが控えてなければなぁ…。

一つのカップ焼きそば容器に
四種類のソースを「四方に分けて」入れる。
なんだこの独特すぎるソースのかけ方は…。

「通常」「激辛」「豚骨」「にんにく」
四種四味ペヤングの完成です。ひええ。

・・・

まあ、結論から言ってしまうと、完食。
そんでもって美味しかった。
あの爆量を飽きずに食べられたのは
四種類の味があってこそ。
ナチュラル味変のおかげだ。

二人なら、なんとか完食できる!

その後30分、ぼくたちは動けずに唸っていた。
みなさんもデカいペヤングにはご用心。げふぅ。


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