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忘却アイスコーヒー

4月だというのに暑い。
これはアイスコーヒーの啓示。
アイスコーヒー用の豆を買えという
コーヒー神よりのおぼしめしなのだろう。
よし、コーヒーショップへ行こうじゃないか。

「あれ、夫くん、アイスコーヒーはもう
紙パックで済ませるって言ってなかったっけ?」

ななななんだと嫁ちゃん!?

コーヒーに身をささげたこの私が
紙パックタイプでいいよなんて暴言を!?
そんなはずはないそんな記憶はございません。

「いやあ、たしか去年くらいに言ってたよ。
覚えてないの?思い出してみてよ」

ぐっ、記憶に絶対の自信を持てないので
強く反論することができない。
もしや本当に、そんなことを言ったのか…

うんうんと記憶を探ると、おぼろげながら
そんな感じのことを言ったような気がしてきた…

ああ、私は自分でも気付かぬうちに
コーヒー神への反逆行為をしていたというのか。
怖い、私の中に棲む獣が怖い。

しかし、いくら頭をひねってみても
確証がさっぱり得られない。
記憶には霞がかかり、そこにあるようで
手を伸ばしてみても空振りしてしまう。

「一緒にさあ、スーパーで買わなかったっけ?
なんか一時期そればっかり買っていたような」

嫁ちゃんが記憶の扉を開く手助けをしてくれるが
やっぱり一向に思い出せない。なんてことだ。

そうだ、今は令和。時代はハイテク(死語)。
ネットを上手く使えば私の去年の記憶を
掘り起こすくらい出来るやもしれぬ。

noteだよ!
なんのためにnoteを書いているんだ私。

天啓のひらめきのごとく
noteの検索機能を思い出した。
ふふふ、勝ったな。

ええと
自分の記事をアイスコーヒーで検索…っと。

あったァ!これじゃよこれ!勝ち申した!
えーとなになに…

んん、紙パックタイプじゃなくて
ポーションタイプ?

ポーションタイプ?ポーション?はて?

「あ!そういえばこれコストコで買ったね」

私より先に嫁ちゃんがピンときた。
数秒遅れて私の記憶もリンクした。

そうだ、そうだ、そうだ!ポーションだよ!

豆から挽いて作るアイスコーヒーは
苦味がガツンと来てとっても美味しいけど
ポーションタイプで作るのも充分美味しい。
これ、めっちゃ便利で美味しかったんだよ!

「よかったねぇ。思い出したみたいだね」

アハ体験のように脳がスッキリ気分爽快!
なんと素晴らしい日なのだろう今日という日は。
それもこれも嫁ちゃんのおかげだよ!

ん?

「よかったね。またコストコ行こうね」

うーん、なにか肝心なことを忘れているような。
まあいっか。アイスコーヒー最高!


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