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アンパンマンかもしれない繊細さん

「工事の音、うるさいよね~」

休日に夫婦で映画鑑賞をしていると
不意に嫁がつぶやいた。

「え?ああ、そうだね。うるさいよね」

なんとなく調子を合わせた私だけど
本当のところ
私は工事の音に全く気付いていなかった。

たしかに、近くで道路工事をしていて
ドドドドとかガガガガとか、聞こえる。

でも私は全く意識していなかった。
対する嫁は、そういった工事の音が
非常に耳障りで不快だという。

(神経質すぎるだろ)とか
(気にしなければいいのに)とか
(映画に集中してないんじゃない)とか
自分勝手な理由がぽんぽん頭に浮かぶ私。

いやでも、ちょっとまてよ。
たしか繊細さんの本で似たようなことが…

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

繊細さんは配慮の達人です。

相手がなぜ、そういう行動をするのかを
自動的に脳がフル回転して分析します。

・この人はどうして、こんな言い方をするんだろ
・ちょっとプライベートを詮索しすぎじゃない?
・なんで平気でゴミを道路にポイ捨てしちゃうの

繊細さんにとって、他の人のほとんどの行動は

“ありえない”
“信じられない”
“考えなさすぎ”

としか見えない場合が多いんです。
なぜなら、自分だったら絶対やらないこと
相手はなんの気負いもなくやってしまうから。

配慮の達人である繊細さんから見ると
周りの人たちは配慮がないように見えてしまう。
どうして、もっと考えて行動しないの?と。
どうして、そんな酷い言い方ができるの?と。
こいつ、もしかしてわざとやってんのか?と。

どうしてこんなにも配慮に差があるのか。
これは育ってきた環境のせいでしょうか。
それとも人としての価値観の違いでしょうか。

答えはどちらも違います。
繊細さんと(私のような)鈍感さんでは
そもそもの土台が異なるんです。

繊細さんは配慮の達人であると書きましたけど
配慮という世界において
繊細さんはアンパンマンなのです。そして
鈍感さんはモブキャラ。せいぜいカバオ君。

カバオ君がバイキンマンに勝てるでしょうか?
無理です。彼にそんな力はありません。

つまり、私のような鈍感さんに
繊細さん並みの配慮を求めるということは

「なんでカバオ君、こんなに弱いんだろ?」

と言ってるようなものなんです。
これこそ土台無理な話ですよね。

さて、冒頭の私たち夫婦の会話では
嫁が工事の騒音が気になり
私が工事の騒音が気にならない
という事でした。

これもやっぱり二人の土台が異なっているから。

嫁は、工事の騒音が不快で気になる土台。
私は、工事の騒音が全くわからない土台。

治そうと思って治るもんじゃありません。
どうしても自分と同じ土台にしたいなら
地面を掘り返すレベルの大工事が必要です。

こういった『土台』の視点を持っていると
イライラとかやきもきすることが
少し減るのではないでしょうか。
私は単純なので、とっても減りました(笑)。


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