2024.01.05 ドリップの違い

 さて今日は先日に続き、Origamimiドリッパーを使ってテイストの違いを見ていこうと思います。今日は具体的に何をっていうのをしっかりここに残しておこうと思います。ドリップノートにも書いておこうと思うんだけど。まずは、今日違いをつけるのはお湯の落とし方。普段の自分は、お湯を落とす際には、少量のお湯を複数回に分けて、ゆっくりと落としていて、ドリッパー内のコーヒーがあまり撹拌してしまわないようにする淹れ方をしています。なぜそういった淹れ方にしていたのかと聞かれると単純に最初に参考とした人がそういう淹れ方をしていたからという理由で、それ以上のこだわった理由なんかは一切なくて。そこで今回は、その真逆の入れ方をしてみようと思ってて、つまり「一度に大量のお湯を勢いよくドリッパーに注ぐ」ということです。こうすることでドリッパー内のコーヒーはかなり撹拌されることになります。撹拌について色々と調べたり今まで話を聞いたことをまとめてみると、こんな感じで。

 撹拌させる方法には大きく二つあって、「乱流」と「スピン」。「乱流」はお湯を落とす時に勢いをつけて入れることで撹拌が起きる。「スピン」はその名の通りドリッパー自体を回して撹拌させる方法。大きく分けるとこの2つ。中にはピックなんかを使ってドリッパーの中にお湯を入れたところをピックで回すっていう方法もあったりして。それによるメリットもデメリットもどちらも考えようにはあって。撹拌することによるメリットは全体が撹拌することで、抽出スポットの一定化を図れるという部分。ゆっくり落としていく際には、それが全体に満遍なくできていなければそれによって抽出のムラが出てしまって、スポットによって抽出の差が出てしまう。それが撹拌をされることで全体の一定化を図ることができて、抽出の差が出なくなるという考え方があります。一方で、デメリットとしては撹拌が起こることによって、ドリッパーないで良い粉末と悪い粉末の間にそうができて、いわゆる微粉と呼ばれる雑味の原因になりかねない粉がドリッパーの下の方に詰まってしまうことがある。これによって、コーヒーが不味くなってしまうという考え方があります。どちらとも間違いない考え方で。だからこそこの微粉による嫌なテイストができってしまわないように、大量の湯量を一度に入れて短い時間で一気に抽出することは必要かなと思ってて。そういう方向で抽出をしてみようと思います。

 そこで今日はゆっくり撹拌をできるだけ起こさないバージョンと勢いよく入れて撹拌を起こすパターンとでやってみようと思ってて。できればそれ以外の条件をあまり変えることはしたくなくて。でも必然的にドリップの抽出時間だったり、何回淹れにするかとかそういった部分には差がでてしまう。そこはもう仕方ないとして、豆20に対して湯量300で落ち切りまで落とすという部分については統一してやりました。ちなみに今回使ったフィルターはウェーブのものを使いました。ボディをしっかり出したかったのと、アシディティを強く出しすぎないほうが比較しやすいんじゃないかなと思ったのでこっちを選びました。レシピによっては、落ち切っていなくても時間でドリッパーを外すなんていうレシピもあって、それにするかも迷いましたが、それだと撹拌であったり、ゆっくり落とす際のスポットによる抽出ムラによっては時間どめをしてしまうとかなりレシピによる味ブレが起きてしまうんじゃないかということと、再現性という部分で難しいと思ってやめました。テイストの違いを見て行った話をしていこうと思います。

 まず最初にゆっくりと撹拌を起こさないように淹れた方について。こちらは、30秒ごとに50ずつお湯を入れてドリップをしました。最初は10〜15前後で50淹れて蒸らしをしておいて。その後は30秒おきに50ずつお湯を入れて最後300淹れてあとは落ち切りを待ちました。というよりも先に今回使った豆についての紹介してなかったですね。数日前から使っている豆は、深煎りの福岡にあるCoffee Kouさんの自家焙煎の豆を使っています。テイストとしては、深煎り独特のbitterなテイストがしっかり感じられてその後に甘みが感じられます。アシディティについてはあまり出てこない豆です。それでこのゆっくりしたドリップについては、ボディがしっかり感じられてアシディティはあまり前に出てくることがなく、キャラメルのような苦味が一番出てきてその後にチョコレートのような甘味を感じました。しかし、全体的なテイストの主張はそこまで強くなくて、アフターもスッと抜けていく感じがしました。雑味みたいな部分もあまり感じることはなく、冷めてきた後にも嫌な酸味が出てくることはありませんでした。総合的に見たら、この豆の持つ深煎りのポテンシャルが出ているような気がします。これはこれですごく美味しい珈琲だなと感じました。

 そして次に撹拌を敢えて起こしてみた淹れ方について。こっちの淹れ方については、最初10~15の間で50淹れて蒸らしを行うことについては先のものと同じようにして、その後150まで全体に回しかけるように30秒でいれて。そのあとについては、一気に300まで30秒間で淹れてあとは落ち切りを待つようなドリップにしました。最後の1投については全体に回しかけるわけではなくて、中心に一気に入れるよいう形にしました。これによってかなりの撹拌が起こるようにしました。その結果のテイストはどうかというと、最初口に入れた瞬間に最初に感じるテイストがかなり尖った苦味が来ました。香りの時点で、ゆっくり撹拌が起こらないように淹れた時と比べるとかなり強く感じ取れて。またその苦味の後に残るアフターテイストもスウィートネスを感じるというよりは苦味が口の中に残っていきます。それに加えて嫌な雑味が口の中に残って、ゆっくり淹れた時のようにすっと口の中を抜けていかないテイストになってしまいました。これはお世辞にも豆のポテンシャルを引き出せたということはできないかなというのが僕の印象で。個人的にも前者の撹拌があまり起きないように淹れた時のコーヒーの方が全体的にテイストにまとまりがあって、風味も豊かだったように感じます。そして何より一つ言えるのは、お湯の落とし方一つでここまで別物勝手くらいにテイストが変わったというのは紛れもない事実で。

 今回は明確にお湯を落とす勢いとか、ドリップにかける時間とかそういった部分に変化を持たせてやってみたからこそ、ここまではっきりとテイストに差が出ました。個人的な視点でいけば、撹拌をわざと起こした方のコーヒーは正直飲みにくいというか、雑味が気になって美味しいと感じることはなくて。この豆に対してこの道具を使ってドリップするのであれば、撹拌がなるべく起きないようなゆっくりと抽出するレシピの方が豆のポテンシャルをしっかり引き出せるということが結論として出ました。でももちろん今日のこのレシピよりももっと引き出せるようなレシピがあるのかもしれないし、というかあると思うし。これがゴールではないのだけれど。撹拌を敢えてさせた方がポテンシャルを引き出せるっていう豆とかテイストってどんなものなんだろうって考えた時に、そもそも豆自体の風味とかが弱いというか、さっぱりとした印象の豆であれば、よりテイストとか風味、香りなんかを強く出せるからいいのかもしれないなとか思ったり、Origamiドリッパーそのものいがそういった部分を引き出しやすいドリッパーだから、そうじゃないストレートのドリッパーなんかでそういったレシピを使うといいのかもとかも思います。

 明日からは新年明けましての仕事がスタートするので、またお店の道具でお店のコーヒーをなるべくぶれなく淹れられるように。再現性高くコーヒーと向き合っていきたいと思います。フードに関してもキッチンの人なんかと会話しながら自作していくことも始めようと思います。

 

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