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戦いと性的魅力 ~強い男はモテるのか?~




はじめに

どのような男性がモテるのか?こうした話題は様々な場面で議論されている。このような「モテ/非モテ男性論」は、特にXの男女論界隈などでは誰もが一家言ある話題といっても過言ではないかも知れない。

既に様々な論客が男性のモテ/非モテ論について語っているが、もはや真新しい知見というのはこの話題にはないと感じる人もいるだろう。そこで今回は、モテ/非モテ論においてあまり語られることのない話題を扱っていこうと思う。

今回扱うのは「戦い」だ。



男性と「戦い」

男性の本質は戦いかと言われれば必ずしもそうではないが、男性が様々な戦いを経験しているのは事実だろう。歴史を見れば、男性はしばしば命がけの戦いをしてきたことが分かる。大規模なものでは国家間の戦争から、家と家の戦いなど、武力を用いた争いはあらゆる国の歴史に存在し、実際に戦場で戦ったのはほとんどが男性であった。

ちなみに集団間紛争の歴史は古く、狩猟採集を営んでいた先史時代には既に存在していたのではないかと研究で示唆されている。



強い男性戦士は妻や子を得やすい

男性の戦いについては様々な研究がなされているが、その中には「戦いに強い男性は多くの妻や子がいるのではないか」というものがある。これは実際に他コミュニティとの争いが起こっている民族を調査した研究が主であり、以下でその一部を紹介しよう。


ヤノマミ族の例

ベネズエラ南部とブラジル北部に隣接する地域の先住民族であるヤノマミ族では、戦闘で敵を殺した経験のある男性は「unokais」と呼ばれる。敵を殺した男性はunokaimouと呼ばれる儀式を行い、その後unokaisと呼ばれるようになるが、unokaisの地位を得ることは強制されるものではない。ただ、少年たちは勇敢であることが推奨されるようだ。

Chagnonは、unokaisと非unokaisとの間で繁殖成功における違いがあるのか、ということについて調査を行った。その結果、unokaisは非unkaisと比べて多くの妻や子どもがいることが分かった。また、Chagnonのデータによると、unokaisの88%に子どもがいる一方、非unokaisでは49%であったという。さらに、unokaisの88%には妻がいたが、非unokaisで妻がいたのは51%であった。



ニャンガトム族の例

 ニャンガトム族は、東アフリカで主に牧畜を営んでいる民族である。日本人にとっては可愛らしく聞こえる名前かも知れないが、実は意外と好戦的なようだ。ニャンガトム族では結婚の際、花婿側が花嫁側の親族に婚資として家畜を贈るが、この家畜が不足する場合もあり、男性は家畜を得るために他の村を襲撃し家畜を略奪することがある。

GlowackiとWranghamは、ニャンガトム族において、略奪に対する積極性と繁殖成功との間の関連を調査した。その結果、若年男性においては、略奪参加数と妻や子どもの数との間に有意な関係は確認されなかった。しかし、いわゆる「長老」の層においては、若い時に略奪経験が豊富であった男性は、そうでない男性と比べ妻や子どもの数が多かった。このことは、長期的に見ると、戦いに積極的に参加する男性が多くの妻や子を得やすいことを示唆している。



アメリカの例

ここまで紹介した研究はいずれも非先進国の先住民族に関するものであるが、先進国でも同様の傾向があることが指摘されている。Ruschらは、第二次世界大戦におけるアメリカの退役軍人のデータを調べ、名誉勲章(Medals of Honor)受章者と一般退役軍人との間に子どもの数の違いが見られるか?ということについて検証した。その結果、名誉勲章を授与された退役軍人は、一般の退役軍人と比べ多くの子どもがいたことが分かった。

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1090513815000239



妻や子が多い=モテる?


これらを踏まえると、優秀な男性戦士は多くの妻や子を持つ傾向にあることが分かるだろう。ただし、このことは直ちに「優秀な戦士はモテる」ことを意味するものではない。ここまで紹介した研究はあくまで相関的なものであり、必ずしも因果関係を断定できるものではないためだ。例えば、強い戦士はモテるわけではなく、性的攻撃性が高く女性を力でねじ伏せることができるために妻や子を多く持つのかも知れない。また、戦士としての優秀さ自体がモテに繋がっているのではなく、優秀な戦士は経済的な報酬が多いため、女性はそれに魅力を感じているという可能性もあるだろう。

こうした点を解決するためには、戦士としての優秀さそれ自体が女性にとって魅力的であるという根拠を示す必要がある。そこで、次章では「優秀な戦士は魅力的なのか?」ということについて検討しよう。




優秀な男性戦士は魅力的なのか?

前章では、「優秀な戦士は妻や子を得やすい」ということについて述べてきた。しかし、これをもって「優秀な戦士はモテる」と断言するのは難しく、優秀な戦士が女性から魅力的であると考えられている何らかの根拠が必要だろう。

先ほど紹介したRuschらもこうした限界については認識しており、相関的研究だけでなく実験も行い、戦士としての優秀さと性的魅力との関係について検証している。


戦果の重要性

Ruschらはまず、イギリスの大学に通う女子大学生を対象とした実験を行った。その結果、「戦争を経験し勲章を授与された男性兵士」は、「戦争を経験したが勲章を授与されなかった男性兵士」や「戦争を経験していない男性兵士」と比べ、女性から性的に魅力的であると評価されやすいことが分かった。興味深いことに、「戦争を経験したが勲章を授与されなかった男性兵士」と「戦争を経験していない男性兵士」との間に性的魅力の違いは確認されなかった。

この結果は、男性兵士が女性から性的に評価される上で「戦果」が重要であることを示唆している。戦地に赴くことはリスクのあることであり、その点は戦地に行っていない兵士とは大きく異なるようにも思われるが、「性的魅力」という観点で言えば戦地に赴くだけでは十分ではないようだ。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1090513815000239



「戦地」か?「被災地か?」

戦争で勲章を獲得した男性兵士は、そうでない男性兵士よりも女性から性的に高く評価される。これはとても興味深い結果ではあるが、この結果だけでは「優秀な戦士はモテる」とは言えないかもしれない。というのも、女性が評価しているのはあくまで「勇敢さ」であり、必ずしも戦地で発揮される必要はないとも考えられるためだ。また、先述の実験の対象者は女性に限られているが、もしかしたら男性も同様に勇敢な女性兵士に特別な魅力を感じるかもしれない。

こうしたことを検証するために、Ruschらは今度はオランダの大学に通う大学生男女を対象に実験を行った。この実験では、戦争に行った兵士と被災地での救助活動に行った兵士のプロフィールが用意され、それぞれの兵士が勲章を授与されることで性的魅力は高まるのか?ということを検証した。

実験の結果、興味深いことが分かった。上述の研究と同様に、戦地に赴き勲章を授与された男性兵士は女性からより性的に高く評価されていたが、同様の傾向は女性兵士には当てはまらなかった。またさらに興味深いことに、戦地で活躍し勲章を授与されることは男性兵士の性的魅力を高めた一方、被災地での救助活動が評価され勲章を授与されることは男性兵士の性的魅力を高めないことが分かった。

このことは、男性兵士が性的魅力を高めることにおいて重要なのは「戦地」で勇敢さを示すことであることを示唆している。被災地での活動で勇敢さを示すことは、女性からの性的評価を高めることにおいてはあまり役に立たないようだ。さらに、こうしたことはあくまで「男性兵士」にのみ当てはまり、女性兵士は戦地や被災地で勇敢さを示しても性的評価が高まることは無い。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1090513815000239



まとめ

女性は、優秀な男性戦士に対してより性的魅力を感じやすいようだ。優秀な男性戦士が妻や子を得やすい背景には、もちろん他の要因もあるだろうが、女性から性的に高い評価を得られるという要因が少なからず影響していると考えられる。



なぜ優秀な男性戦士は魅力的なのか?

ここまで、「優秀な男性戦士は妻や子を得やすく、女性にとって魅力的」という話をしてきた。しかし、そもそもなぜ優秀な男性兵士は女性にとって魅力的なのだろうか。


オスはメスを巡って争う

そもそも、戦いに強いオスがより子孫を残しやすいというのは人間に限った話ではない。様々な生物種において、オスはメスを巡って争い、戦いに勝ったオスがメスとの交尾機会を得る。そして、戦闘に有利なオスは子孫を残しやすいので、進化によりオスは戦闘に有利な身体的特徴を身に着ける。

多くの種において、オスの交尾機会は戦闘能力やオス同士の争いにおける能力によって決定される(Andersson, 1994; Darwin, 1871)。このため、体格、武器の大きさ(犬歯など)、相手を操ったり傷つけたりする能力を高める筋骨格系の特徴(例:Clutton-Brock, 1985; Crook, 1972; Morris and Brandt, 2014; Morris and Carrier, 2016; Morris et al., 2019; Plavcan, 2001; Plavcan and van Schaik, 1992, 1997)などの戦闘能力を向上させる特徴において、オスに偏った性的二型が進化してきた。哺乳類や霊長類の多くの群において、戦闘関連形質の二型性の程度は、オスの戦闘能力に対する性淘汰の強さを示す一般的な指標である(Clutton-Brockら、1977;Mitani et al.,1996;Plavcan,1999、2004;Plavcan and Van Schaik,1997;Puts,2010,2016)。

Morris et al (2020)


これは人類進化の歴史においても同様であることが示唆されており、人間の男性は男性同士の争いの結果、特に上半身の筋肉量が女性よりも多くなるような進化を遂げたと指摘されている。

他の大型類人猿と同様に、ヒトの男性も頻繁に戦闘を行い、戦闘は非常に有害または致死的である場合がある(Adams, 1983; Chagnon, 1988; Daly and Wilson, 1988; Keeley, 1996; Puts, 2010; Wrangham and Peterson, 1996)。男性は女性よりも除脂肪量が41%多く、腕の筋肉量が75%多く、その結果上半身の筋力が90%高い(脚の筋肉量は50%多く、筋力は65%高い、Lassek and Gaulin, 2009)。ヒトの上半身の性的二型が大きいのは、男性同士の競争におけるパフォーマンス向上に対して性淘汰が働いた結果であるかも知れない(Carrier, 2011; Lassek and Gaulin, 2009; Morgan and Carrier, 2013; Puts, 2010)。

Morris et al (2020)

祖先の攻撃形態を分析すると、上半身の強さが戦闘能力において最も重要であることが分かる。これは槍、弓、手斧、こん棒、岩を用いた祖先の戦闘(Brues 1959)でも同様で、これらの武器は上半身の力を使って推進されたはずである(実際、主に下半身の力で推進される原始的な武器は見つかっていない)。さらに、骨格の分析によれば、上半身の力は武器を用いない戦闘、特に祖先の戦闘を特徴づけていた可能性が高いレスリング、グラップリング、レンギング、チョーキングなどにも不可欠である(Walker 1997)。

Sell et al(2012)




オスの争いの生物学的背景

では、人間も含め、なぜ多くの種においてオスがメスを巡って争うのか(なぜ争うのは往々にしてオスなのか)という点についても確認しておきたい。

「メスを巡るオスの争い」を考える上で重要な考え方として、「潜在的繁殖速度(Potential Reproductive Rates)」というものがある。潜在的繁殖速度とは進化生物学の理論であり、簡単に言えば「一度の繁殖から次の繁殖までに取り掛かる潜在的な速度」のことを指す。潜在的繁殖速度が速い場合、次の繁殖までのスパンが短いため(理論上は)多くの相手と関係を持つことができ、多くの子を残すことができる。


潜在的繁殖速度は次のような式で求めることができる。

潜在的繁殖速度 = ①配偶子を準備するのに要する時間 + ②配偶に要する時間 + ③子育てに要する時間

参考:長谷川寿一, 長谷川眞理子, & 大槻久. (2022). 進化と人間行動. 東京大学出版会


潜在的繁殖速度は「一度の繁殖から次の繁殖までに取り掛かる潜在的な速度」のことであり、潜在的繁殖速度が速ければ一定時間内に多くの子を残すことができるわけだが、様々な生物種において、オスはメスよりも潜在的繁殖速度が速いことが分かっている。我々人間も同様だ。

人間において、この潜在的繁殖速度には明らかな男女差があることが分かるだろう。上記の式に当てはめて考えると、②の「配偶に要する時間 」には男女差がないが、①の「配偶子を準備するのに要する時間(つまりは卵子/精子を作るのにかかる時間)」は女性の方が男性よりも長いし、③の「子育てに要する時間」についても、妊娠期間や授乳期間を考慮すると明らかに女性の方が長くなる。つまり女性は男性よりも一定時間に作ることができる子どもの数が少ないのである。現代社会には高度な避妊技術が存在するため分かりにくいかもしれないが、人類の心が進化した環境(更新世ごろと考えられている)においてはより顕著であっただろう。


そして、この「潜在的繁殖速度の違い」こそ、人間を含む様々な生物種においてオスが争いを行う理由を説明するものなのである。潜在的繁殖速度が速い性(人間で言えば男性)は一回の性行為の後すぐに次の性行為に取り掛かることができるが、潜在的繁殖速度が遅い性(人間で言えば女性)は性行為の後に妊娠すればその後出産・授乳が終わるまで次の繁殖に取り掛かることができなくなり、繁殖可能なオスとメスの数にばらつきが生じる。繁殖可能なオスは多く存在する一方、繁殖可能なメスは貴重であるため、オスはより性行為の機会を求め、貴重な繁殖可能なメスを巡って争うことになる。一方、メスはオスほど争う必要はなく、むしろ限られた繁殖機会を無駄にしないことが重要となるため、どちらかと言えば性行為の相手を慎重に選ぶような戦略を採る。



争いに強いオスを選ぶことでメスが得る利益

オスは戦いに勝利することでメスと関係を持ちやすくなり、より自身の遺伝子を後世に残しやすくなる。勝者の遺伝子はより残りやすいので(チンギス・ハーンのように)、オスが戦うことで得られるメリットは大きい。

しかし、戦いに強いオスがメスや子孫を得やすくなるのは、単にライバルを制してメスを独占できるからという理由だけではない。先ほどから述べているように、人間の女性にとって男性の戦闘能力はそれ自体がセクシーなものであり、女性には女性で戦いに強い男性を選ぶメリットがあると思われる。人間以外の生物においても、戦いの強さと関連するオスの特徴がメスに対するアピールとなる場合がある(例:イッカク)ので、メスが戦いに強いオスを選ぶのには生物学的な利点があるのかも知れない。


メスの前でツノの長さを競い合うかわいいイッカクのオス。Graham et al (2020)より


では、メスが戦いに強いオスを選ぶことで得られる生物学的なメリットとは何なのだろうか?これについては、「セクシーな息子仮説」によって説明できるかもしれない。

セクシーな息子仮説(Sexy Son Hypothesis)とは、WeatherheadとRobertsonが提唱した説で、簡単に言えば次のような考え方のことである。

・魅力的なオスとメスが関係を持ち、魅力的なオスの特徴を引き継いだ「息子」が誕生した場合、その息子はメスと関係を持つ上で有利になる。

魅力的な息子が多くの子を持てば、母親であるメスの視点からすると「自身の遺伝子を引き継いだ孫が多く生まれる」ことになる。

セクシーな息子仮説は、このようにメスが「孫」を多く持つことによって、遺伝的な利益を得ることができるという説である。メス自身は潜在的繁殖速度が遅いために多くの子を持つことはできないかも知れないが、息子であれば多くの子を残せるチャンスがあるということだ。

https://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/283379



これを踏まえて「女性が戦いに強い男性を好むことで得られる生物学的な利益は何か」ということについて考えてみよう。つまりこういうことだ。戦いに強い男性は、ライバルを排除する能力や資源を獲得する能力などに長けており、女性と関係を持ちやすい。そして、女性はそうした男性と関係を持ち、その男性との間にできた息子が「強さ」を引き継げば、息子も女性と関係を持ちやすくなり、自身の遺伝子を継いだ「孫」を多く持つ可能性が高まる。このような「セクシーな息子戦略」を採る女性は、他の女性よりも自身の遺伝子を伝えることにおいて有利であったため、その戦略が女性の中に進化した・・・ということである。





余談

ここまでの話では、女性は戦いに強い男性にセクシーさを感じることと、その生物学的背景について検討してきた。ここからはちょっとした余談である。


戦うから強くなる

戦地に行くのは往々にして男性であるということに対し、男性は肉体的に強いため男性が戦いの役割を負った方が合理的であるためだという主張がある。実際、合理性で見ればそれは事実だろうし、身体的に強くない女性を多く戦わせるような共同体があったとしてもすぐに敗れ去ってしまうだろう(そもそも戦闘で不利であり、加えて出産能力を持つ女性が多く戦死すると人口的なリスクが大きくなる)。

しかし、人類の進化の歴史を見ると、「強いから戦う」だけでなく「戦うから強くなる」という視点を持つことができる。男性は戦いに勝利すれば女性から選ばれやすくなり、子孫を多く残すことができる。筋肉質な体格などの特徴は戦いにおいて有利であるため、男性は進化の過程で強い筋肉を発達させ、結果として女性よりも強い肉体を手に入れることになる・・・ということだ。

※ちなみに、男性の筋肉は現代においても女性から性的に高い評価を得ることができる特徴である。こうしたことからも、進化の歴史において戦いに強い男性が女性から選ばれ、多くの子孫を残してきたことが伺える。



女性は戦いに貢献できないのか?

とはいえ、結果として男性が戦いに有利な身体的特徴を有していることは紛れも無い事実であり、男性は戦場では主戦力として戦うことができるだろう。それでは、女性は戦いに貢献することはできないのだろうか?

先ほど紹介したRuschらは、次のように述べている。

我々の研究は、女性が間接的に戦争や集団間紛争に貢献していることを示唆している。女性は配偶者選好を通じて、戦争における男性の行動を形成する。

Rusch et al(2015)


彼らのこの記述はとても示唆に富んでいる。つまるところ、男性の戦いの背景には、人類の進化の歴史の中で女性が強い男性を好んできたということがあるということである。戦うのはいつも男性で女性は何もできないといった言説もあるが、決してそのようなことは無く、間接的な形であれ女性の貢献も見過ごしてはならないだろう。

歴史を見れば、女性は戦争において完全に蚊帳の外であったわけではないことが分かる。それが分かる一例が「白い羽(White feather)運動」である。この運動は、第一次世界大戦時のイギリスで行われたものであり、簡単に言えば「女性が戦争に行かない男性に臆病者のレッテルを貼る意味で白い羽を渡し、恥をかかせることで男性に戦地に赴くよう促す」という運動だ。元はチャールズ・フィッツジェラルド提督が男性兵士を増やす目的で考案したものであるが、女性は積極的にこの運動に参加したようである。実際、女性の参政権獲得に貢献したことで知られる、女性参政権活動家のエメリン・パンクハーストもこの運動に参加している。

このようなことを踏まえると、「戦争において女性は蚊帳の外である」という言説は、女性が弱い存在であるという偏見に基づくものであり、現代社会においてはアップデートすべきものであろう。肉体的には確かに男性ほど強くはないだろうが、女性は決して無力というわけではない。



おわりに

今回は、男性の「戦い」に焦点を当て、戦いに強い男性はモテるのか、ということについて検討した。

今回扱った内容は様々な問題を考える上でヒントになると考えている。どのような男性がモテるのか?男性の性的魅力とは何なのか?どうすればモテるようになるのか?こうした問いは様々な場で議論されているが、「強さ」は男性の魅力を考える上では重要なのではないだろうか。

また、今回の内容は「モテ/非モテ論」以外のことを考える上でも活用できる。なぜ戦争は起きるのか、なぜ男性は戦うのか・・・など、社会に関する疑問を解決するためのヒントとなれば幸いだ。




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