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「それで最後だと、君は聞かされる」

今から20年近く前の夏。友人と生まれて初めて行ったロックフェス「ロッキン・ジャバン・フェス」で、生まれて初めて奥田民生のライブを観たときに、「あぁこういう人をスターと呼ぶのだな!」と「イージュー☆ライダー」の大合唱の渦の中にいた私は思った。

そして2024年4月、アラバキロックフェスの初日「BIG BEAT CARNIVAL」にThe Birthdayのメンバーがゲスト出演するという発表があったとき。もう5年ほど行っていないし、行くか行かないかで少し悩んだけど、最後まで勇気が出なかった。でも、当日(27日)を迎えると案の定気になってしまい、20時になってからずっとXを使って「BIG BEAT CARNIVAL」を検索。
ライブの最後の曲は「世界の終わり」で、ヴォーカルは民生さんだった。

チバの訃報があったとき。民生さんは自身のYouTubeチャンネルでギターを搔き鳴らしていた。歌のない無言の「世界の終わり」だった。敢えて歌わなかったのはなぜか?私には、口を開けばすぐにでも感情が溢れてしまうからだろうと、そんな風にあの映像を観て感じた。

アラバキのステージを、歌う姿を想像していたら、なんだか胸が熱くなってしまって、思わず私はミッシェルのライブ盤をCDラックから引っ張り出し聴き始めた。すると、現地で実際にライブを観ていたグランジ 遠山さんのポストを目にし、じっとしていられなくなった。

とは言っても、今更仙台には向かえないし(すでにライブは終わっているし)できることなんて「ない」ことくらいわかっている。ただ、私にとってミッシェル・ガン・エレファントは、ずっとそういうバンドだった。


ギタリストのあまりにも早い旅立ちによって再結成が叶わなくなった伝説のバンドは、今度は昨年のボーカルの逝去によって幻のようになってしまうんじゃないか。ここ数カ月、チバの追悼特集がテレビで放送されるようになり、昔のライブ映像を観る機会が増えただけに、悲しくてやりきれない気分になるときがあった。だけど、悲しみを捨てることはまだできなくても、人の心を、人生を、ミッシェル・ガン・エレファントは動かしていくのだと思った。

だって、彼らの音楽は残るのだから。

民生さんとギターを弾いたフジケン(フジイケンジ / The Birthday )さんが背負った荷は重たかったはず。でも、2人が広島人であることも含めて、チバもアベも空の上から笑って喜んでいる気がした。


最後に。ミッシェルのベーシストであり、「BIG BEAT CARNIVAL」では、ほぼステージに出ずっぱりだったウエノコウジさんのInstagramをシェアしておきます。届いていると私は思いますよ。


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