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【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

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心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。
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短歌 力加減

短歌 力加減

ファミレスで配膳ロボに喜ぶ児びびって道を譲るばかりの大人

熟れごろのトマトに宛てる包丁の力加減をなぜか知ってる

ほつれても大丈夫だよその糸で星を繋げて星座にしよう

体調があかん感じ、がこの先デフォになっていくことを考えれば、不機嫌でいるより一秒でも笑顔でいたいなぁと、無様なくらい渇望しています😝でも基本仕様がオプティミストなので、「どこか影のある女性」にはなりきれず、結局へらへらしているこ

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短歌 六等星

短歌 六等星

優しさは六等星によく似てる目立たないけどちゃんと瞬く 

飽きるまでそばにいたいと思ってた飽きることなく歳を重ねた

黒塗りのセダンの外車に出くわすでも多摩ナンバーかホッとしちゃうね

気がつけばもう木曜日。今週月曜日が締め切りだった文芸選評テーマ「飽きる」、投稿できませんでした。なので二首目はお焚き上げです。

ただいま、仕事を休んで実家に帰省中です。文学フリマの夢時間から一転、家族が倒れるとい

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短歌 せいいっぱい

短歌 せいいっぱい

痛みとはニアリーイコール経験値爆上がりしてまだ遊び人

ドラクエはがっつりプレイしたことはないのですが、「遊び人」という職業があることは知っています。そしてレベルをめちゃくちゃ上げると「賢者」になることも(シリーズによって違いはあるらしいですが)。

遊びを極めし者が、やがて賢者になる。この設定、心に響きすぎです。平日ひーひー言いながらワタワタ働いている私ようなポンコツ社会人にとっては、憧れにも近

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短歌 悪あがき

短歌 悪あがき

勝たなくていい負けなけりゃそれでいいにこにこしてりゃご飯もうまい

その昔、今より生活も精神的な体調もひどかったころ、とある女性に言われた言葉があります。

「勝たなくていい。そんなことより、負けないことのほうがずっと大事」

当時は「同じこと言ってんじゃん、ただの言葉遊びじゃん」程度にしか受け取れなかったのですが、今日ふと気づきました。

仕事でちょっとしんどい場面があり、「どうして目の前のこの

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短歌 間違えまくれ

短歌 間違えまくれ

笑うときAmの声を出すきみのとなりで春も尽きゆく

正答に伸びしろはない堂々と間違えまくれきみはかしこい

孝行と言えるだろうか好きだよと言葉にすればまぶたが攣れる

たくさん間違えて恥をかいて、黒歴史をたんまりと作ることこそが、学生という立場の特権ではなかろうか。

そんなチャンスに、正答やら点数やらではじき出される偏差値(にダラダラ紐付きがちな「価値」の類)を気にするばかりに、小さくまとまって

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短歌 ぽかん

短歌 ぽかん

ぎょっとする何この数字?笑うしかないねと笑うきみを睨んだ

目薬をさすとぽかんと口があくその空間に吸い込まれたい

いっせいに咲いていっせいに散り躑躅の花は舗道を汚す

ゴールデンウィーク最終日。でもそんなの関係ねぇ……!(涙目)

ただいま、元気に発熱中です。さっき測ったら、38.5℃ですって。もろもろの風邪症状がてんこ盛りで、ひさびさにしんどいなーと思いつつ強く思うのは、以下に尽きます。

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短歌 ベンゼン

短歌 ベンゼン

結局はイオンモールに行くきみとヴィレヴァンがない街に住んでる

名言を残そうとしてうわすべる下心ってベンゼンくさい

ハトサブレ血走った目で睨んでも好きだから割る美味いから食う

連休だ! 瑣末なことはもう気にしない😑あれこれに忖度するセンスもないし、そんな筋合いも義務もないし、なにより脳のメモリや思考のリソースにそんな余裕はないし。限られた時間はもっと楽しいことに割きたい! と、帰りの電車で吊

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短歌 しんかした!

短歌 しんかした!

「ゲームだよ」殺人犯の声色でぷちぷち全部手にかけるきみ

これは杖しかも魔法が使えるの下世話な奴はちゃんと燃やすよ

おめでとう!サルはニンゲンにしんかした!やってることは大差ないけど

連休中なので通勤電車がいつもより空いている気もしたのですが、新宿に着く頃には全然混んでいたので、ああ、みんな頑張ってるよな(もちろん自分を含めて)、と、ささくれだった気持ちを宥めつつ、今日も今日とてお仕事でした。

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短歌 ほらあの人も

短歌 ほらあの人も

不機嫌で人を動かすスタイルが流行りらしいねほらあの人も
 
平然と罵詈雑言を書き込んだ指で家族に触れられますか

姉さんがアンジェラ・アキに似てたのはメガネだけだと気づいた卯月

……すみませんでした。自分の馬鹿さ加減を自覚できないくらいには、じゅうぶん私は馬鹿のようです。

反省します、ごめんなさい。

短歌 たぶん犬

短歌 たぶん犬

空腹に炊き立ての銀シャリをかっこむ幸せ以外知らなくていい 

たぶん犬じゃないかなそうじゃなかったらあの鳴き声は通報案件

あの人はいずれ教祖になるだろう履歴書にそう書いてあったし

自宅で使っている炊飯器の機能のなかに、「極うま炊き」というモードがあります。炊き上がりにとても時間がかかるため、普段はめったに使えないのです。しかし今日事情があって仕事を早退したため、そのぶん早く帰宅できたことから、

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短歌 踏むアスファルト

短歌 踏むアスファルト

誰か見てきたんだろうか恐竜に水玉描けば修正される

定刻にわたし以外の声が沸く 喝采、喝采、(とされる悲鳴)

ひんやりと踏むアスファルト人が人にしか傷かないこともう知っている

今日は珍しくまるっと予定のない日だったので、本を数冊かばんに詰めて、散歩に出かけました。時々やっているのが、「一駅さんぽ」です。季節が暑くもなく寒くもなく、風も心地よかったので決行しようとしました。

一駅間といっても、

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短歌 バニラ

短歌 バニラ

バニラってとても正しい気がしてて選べずにいる春の駅前

ウブゴエカラ灰トナリテマデ焦りが消えないハードモードライフ

「わかりやすいのは猿山と病院よ偉そうなのほど上にいるわね」

少し前の休日、一人でブックカフェに訪問しました。ソイラテで読書を楽しんだのち、テイクアウトで、夕飯のためにサンドイッチを選んでいたら、見知らぬ女性に声をかけられました。

どうやら、ブックカフェ併設の地下ギャラリーで「五

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短歌 うめおむすび

短歌 うめおむすび

発狂のボタンがあったわけじゃないそっとほつれて繰られただけだ

春ひなた返却期限の迫る本うめおむすびの美味さに気づく

全自動タマゴ割り機で好きなだけ卵を割って暮らすのが夢

気がつけば4月も半分を過ぎました。この時期になると、新緑が街に溢れてくるので、通常なら「爽やか」とか「いい季節」とか、そういう感想が出てくるのだとは思います。

ですが、この季節に私が思い出すのは、通院していたクリニックの主

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短歌 ミスターX

短歌 ミスターX

チロルチョコ23円。青春がそろそろ歴史の本に載る頃

「変ですよ、それ」と言い出せなかったし誤解のほうがたぶん平和だ

世の中はいつになったら慣れるんだミスターX(旧Twitter)倦む

地元の商店でものすごく久しぶりに、チロルチョコを見かけました。あ、と思って値段を見ると「23円」。ただし税抜きです。

更新をサボっている私の感覚だと、チロルチョコは一個10円のイメージだったので、少し驚きまし

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