洞窟が苦手になってしまった思い出
お早うございます。
今回は、洞窟の中の出来事を書きます。
沖縄にも鍾乳洞はあり、何回も入ったことがあるので、きっとここの鍾乳洞も大丈夫! そんな気軽に考えて、たまたまの通り道だったので軽く立ち寄ってみることに。
それが、高知県の龍河洞。
以下参照。
全距離がどれくらい?
途中で気分が悪くなった場合、退場口はある?
入洞する前に、鍾乳洞で気分が悪くなったことがある夫が、係の人へ色々尋ねているのを横で聞きながら、私は何も気にせず楽しみにながら入って行った。
綺麗にライトアップされた箇所もあり、説明書きを読みながら進んでいく。水がゆっくりと滴るので、寒くも暑くもなく湿度も保たれている。
この鍾乳洞どうやって発見したんだろう?
龍河洞っていうのだから、龍にまつわる伝説があるのかな?
辰年で良いスタートね! 龍・竜・辰 の違いは何だっけ?
など頭に色々な疑問が浮かんできては、今は答えを見つけるつもりもなく、ただ1億7500万年の時が造りだした洞窟の中で、思考だけが一瞬で広がりスーッと空間に溶け込んでいった。
次第に壁と壁の幅が狭くなり、人1人がやっと通れるほどの狭い隙間を横歩きで何とか通り抜ける。
と、次の瞬間・・・
突然先が見えないことへの不安が広がり、心臓がバクバクして呼吸も苦しくなってきた。
どういうこと?
苦しい。
今すぐここを脱出したい!
私の呼吸は浅く荒くなり、突然起こったパニック症状を冷静に分析している自分と、制御できない自分がいた。
後ろからついてきているであろう夫の名前を呼びかけ、返答があったのを確認した直後、もし今自分の症状を夫に伝えてしまうと、もう自分自身でそれを認めてしまい余計パニック症状が大きくなりそうだったので、何を思ったのか、私は突然出口まで1人走り出した!
1人しか通れない岩間の狭い道を、わき目もふらず後ろを歩く家族を振り返りもせず、ただただ必死に走る。
途中何度も他の観光客の方と遭遇したが、もうパニックなっているので、遠慮なんてしていられない。
「すみません先に通してもらっても良いですか? 体調が悪くて今すぐここを出たいんです!!!」
何人もの方に大丈夫ですか?と心配されたが、答える余裕もない。
すみません!!
必死に叫びながら出口を目指す。
この龍河洞の出口は、ビルの20F程の高さに相当する。と係の人が言っていた。 ものすごい急階段をわき目もふらず、呼吸を整えるより先に足がどんどん前へ動く。
確か、洞窟距離は1kmだと言っていたな。
途中に脱出する場所はないとも。
1度入ってしまったら、逆戻りは禁止(人にぶつかる)。
ただひたすら出口へ向かって全力で向かうしか生還の道はない。
ドキドキする心臓を抑えながら、頭の中に色々なことが浮かぶ。
1kmなんて余裕だよ、だって毎日5キロは歩いているじゃない!
ランジだって最近はしっかりやっている! 脚力ついたから乗り越えられる! 1kmが永遠に続くかのような感覚だったが、何とか自分を鼓舞し必死で走り続けた。
やがて頭上に爽やかな風を感じた。
きっと出口が近い証拠だ!
最後のすれ違う通行人に侘びながら先に通してもらい、何とか無事洞窟を抜けることができた。
その時はもう心臓が破裂しそうなほど息が乱れ、真冬なのにダウンもマフラーも脱いで、バサバサになった髪の毛を直すこともせず、ただその場に座り込んだ。
やった、抜けられた。。。
出口から出てくる人たちは、私のことをさっきの異常な人だと分かっているであろう、皆横目で私をチラチラ見ながら休憩室に入っていく。
生きててよかった。
何分の時間が経過したのだろう。
家族が出口から出てきた。
皆私を見て驚いて一斉に「何?どうしたの?途中で突然消えたから、どこかの穴に落ちたか、タイムスリップして消えたと思ったよ!!! 救助隊を呼ぼうかと話していたんだよ。」と心配された。
ごめんね。
あの時は症状を説明することもできず、勝手に衝動的に走り出してしまったから。
こんなこと初めてで、自分でもよく分からないけれど、調べてみると閉所恐怖症によるパニック症状だということでした。
本当はたくさん写真も撮ってご紹介したかったのですが、残念ながら写真は上記3枚のみです。
しかも、この日は元旦。
この後、あの震災が起こるとはまだ夢にも思っていない時です。
あとで振り返るとゾッとしましたが、今回のこの出来事は自分の記録に残しておこうと思ってnoteに書きました。
今頃改めて龍河洞のHPを見たりしていると、日本三大鍾乳洞の1つで、永い永い地球の歴史の中で造られた自然造形美の宝庫だと感じます。
地球のロマンを感じられる素晴らしい観光名所です。
私が言うのも何ですが、是非いつか行かれる際は、ゆっくり楽しんできてください^^
お読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?