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My story

途中下車


人生の途中下車や休憩をするなんて思いもしないで、
夢行列車に乗って走っていたのに、
突然、言葉のわからない国に迷い込んでしまった。

異空間で生きているように、時間が止まり、色のない世界で、
どうやって生きていけばいいのかわからない。
いつになったら、元の世界に戻れるのだろう。


中途障害者



中途障害者となったわたしは、初めての経験にどん底を見た気がした。
障害者の人権問題、社会福祉、世間のバイアス、無意識と無理解。
あまりにも、平気に見下す態度。
悔しい想い。言えない孤独感。不条理で不本意な毎日。
どこで自分の気持ちを折り合いをつけたらいいのかわからない。
どうして、自分を諦めないといけないの?


「何もするな」


 「頑張る」ことが当たり前だったのに、「何もするな」と言われる辛さ。
誰にも期待されない、役に立たない、生きていても邪魔者扱い。
忙しくて目まぐるしい世界は、わたしをどんどん置き去りにしていく。

 そしてやっと気づく。「できることしかしなくていい」。
いや、「できることしか、もうできない」とまわりに言わないと
誰もわからないことに、やっと気づいた。

自律と受容


それから、
わたしは「強く」なった気がする。言わなければ、わかってもらえない。
でも、丁寧に聴いてくれる人は、親身になって話を聞いてくれることもわかった。
そのうえ、私の話を応援してくれたり、共感してくれたり、褒めてくれる人とも出会えた。
今もわたしは、自分を諦めていない。
体も動くなるようにしたいし、言葉も話せるようになりたい。
でも、それができないなら、ほかの事で、体も動くなるようにしたいし、
言葉も話せるようにしたい。
泳げないけど歩いて水中で体を動かしてみよう。言葉の代わりに、
デザインを勉強してみよう。

そして、かつての自分のように、人生の途中下車や休憩中の人がいたら、
横で一緒に空をみていたい。

人生って素晴らしい。



人生って素晴らしい。
時間はいつか、過去を包んでいってくれる。
大丈夫。いつか、笑って、今の自分を振り返る日がくるから。




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