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global scene

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global sceneは、秀逸なクリエーター作品を共有するマガジン。普段と違う顔、今まで聞こえなかった音、接近してみて気づいたことなどのコレクションです。こういう世界の共有、相… もっと読む
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記事一覧

箸の文化を背負って

箸の文化を背負って

日本には「道」と呼ばれるものがたくさんある。茶道、華道、柔道などなどあげれば両手の指だけでは足らないだろう。

私の夫はノルウェー人だ。彼の国に七年住んだ。その七年のうちに、日々の食事毎に手に持つ箸にも道があると私は考えるようになった。お箸から離れて生活していればこそ余計にそんな感慨に陥ったのかもしれない。ただパクパク口を開けて食べていればいいものではない。日々の食べ物もどのように美しく食すかと言

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30年前の海南島

30年前の海南島

成功が約束されていた海南島が抱える不吉な未来

それすらも明確ではないが、記憶のキャパシティの限界ギリギリを探れば、それは30年くらい前のことではないかと思う。どこにでも顔を出す国際的な巨大な財団が、中国の海南島に「エコツーリズム」の課題を探る調査団を派遣することになった。団長は都市交通の専門家である大学の教授で、私が副団長として随行することになった。なぜ私が副団長かといえば、私は音楽プロモーター

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ハミングバートのホバリング効果

ハミングバートのホバリング効果

ギャップに壊れた、幻の水族館プロジェクト

わが社は小さな広告代理店で、主要クライアントは日本を代表する著名な水族館だった。その会社の代表は無類の中国通だった。その頃、北京に水族館がないことを聞きつけ、高度な日本の水族館プロジェクトを提案した。すると中国政府は水族館の必要性を認識し、この件を行け入れるため、非常に迅速で積極的に検討した。ほどなく中国側から絶好の候補地を紹介され、すぐに現地視察するこ

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ブラジル、アマゾン、叔父の足跡

ブラジル、アマゾン、叔父の足跡

ブラジルで入植者の農業指導をしている叔父が一次帰国し、京都のわが家に一泊するという。叔父はわが家では大スター扱いだ。わたしは学校を休んで叔父を迎えるための準備を手伝いたかったが、母は許さない。各部屋の掃除にはじまり、叔父の好物を作るための買い物、帰国を歓迎するため叔父の好きな音楽をセレクトする父。わたしはもう一人前だから手伝えるのに…。でも、いい。叔父さんはわかってくれる。

叔父がベレン、マナウ

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平凡と思っていた「トマトと卵の中華炒め」を急に意識し始めた話

平凡と思っていた「トマトと卵の中華炒め」を急に意識し始めた話

皆さん、トップ画像が何であるか、おわかりだろうか?

そのとおり!
我が家の今晩の食卓に並ぶおかずの1品である。

この料理であるが「トマトと卵炒め」と呼ばれたり、「トマトと卵の中華炒め」などと呼ばれたりする。

名前に「中華」と入っているとおり、中国では非常に有名な家庭料理である。

中国語では「西紅柿炒鶏蛋(シーホンシーチャオジーダン )」とか「西紅柿炒蛋(シーホンシーチャオダン )」とか呼ば

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