kyotoK

京都生まれ。バイリンガルクリエーター。海外活動で人との関わり、その化学反応のおもしろさ…

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京都生まれ。バイリンガルクリエーター。海外活動で人との関わり、その化学反応のおもしろさを発見。自らのレーゾン‐デートル《存在理由》となった。長く離れた京都に戻ったわたしは「京都の異邦人」。これからわたしの京都発見の旅がはじまる。

マガジン

  • テクノロジー

    いろいろな地域から伝えられた技術がある。また、奈良で生まれ、京都で育ち、大阪や東京を中心として世界に広がったさまざまなテクノロジーもある。日本のコミュニティから世界のコミュニティへ、また各国のコミュニティのテクノロジーが日本へ、全国の町へ、そして大阪や奈良、京都で花開く。技術は人が作るもの。人の数だけある古くて新しいテクノロジーの物語をお届けします。

  • たい焼きおばちゃんのカーネル・サンダース

    たい焼きをアメリカで開発する計画。たい焼きおばちゃんは自分の小さい名声にこだわる。たい焼きおばちゃんに訪れたチャンス…その後、定番になったチョコ味とクリーム味。おばちゃんとササベ、ジョーはどうかかわっていくのか。

  • global scene

    global sceneは、秀逸なクリエーター作品を共有するマガジン。普段と違う顔、今まで聞こえなかった音、接近してみて気づいたことなどのコレクションです。こういう世界の共有、相互理解を経て、ゆるくつなぐコミュニティをめざします。

  • coco kyoto magazine

    京都(関西)のキッチュな出会い、子供のころの風情、かつての京都の街角に存在した風物詩、流れるような京風の中、走り回った時代。OLD/NEWな京都を多くのみなさんと共有し、コミュニティとして国内外につながっていく。素敵ですよね。

  • あねさん ろっかく

    京都のKYOTO、日本のNIPPON、まだ見ぬ京都や日本の古くて新しい姿を求めて、おじいちゃんやおばあちゃんが語る物語は過去でなく、普遍的な「何か」がある。こんなすばらしい発見は、国内、海外の多くの方たちと共感したい。そんな読み物のコレクションをめざしていきたいです。

最近の記事

  蟹づくし、城崎温泉バス旅行

大阪西天満に元出版社がはいっていた、木造のビンテージビルは、大正時代の建造物だとか。その会社の退室後、クリエーターがオフィスを構えた。2階と3階にはステンドグラスをはめ込んだエレガントなドアが2つの部屋を仕切っている。メンバーは、プランナー、コピーライター、デザイナー、イラストレーターなど。仕事が入ると、隣りや階下の仲間に声をかけてチームを組む。シンプルで都合がいい。売れっ子とまではいかないが、週末も深夜も関係なく、締め切りに追われる毎日で、ストレスもたまる。ちょうど旅行会社

    •      親指サイズの富士山

      仕事の都合でこのマンションに入居したのは、事務所が15分程度の徒歩圏内と便利だったからだ。40年前に超モダン建築として売り出し、即完売になったという人気物件だった。そのムードは何十年たった今も引きずっており、各部屋のオーナーは高級マンションの誇りを持ち続けていた。この価値を存続するため、流行のタワーマンションに建て替える案が数年前から持ち上がていおり、管理委員会は数年前から月に2回「立替委員会」のミーティングを実施していた。そんな時期の入居で、立替が実施するまでの契約だったが

      • たい焼おばちゃんのカーネルサンダース

        〈後編2〉「よっしゃ」それでこそ、われらがジョーだ!上司に報告するゾ その晩、上司に報告すると、この案件が無事アメリカに上陸したら、結果がどうであれ、ササベとジョーは大ヒットになる商材を見つけたのだから、必ず出世コースに乗せると上司から告げられた。そのためには契約が重要だ。まかしておけないから、明日にでも会社の飛行機で京都に向かうという。ササベは大喜びだが、ジョーは胸の中で不安がふくらむのを感じた。今はまだササベが気づかないことを願った。 アメリカから届いたFEDEXのボッ

        • たい焼おばちゃんのカーネルサンダース

          〈後編1〉 たい焼きおばちゃんのキャラで売り出すゾ‼ アメリカに連絡してササベは上機嫌だったが、ジョーは日本育ちのアメリカ人。日本人の複雑な心情を自分のことのように理解している。いや、ジョー自身、日本人の性格になってきている。よく語学はその国の文化まで身にすくと言われるが、ジョーは見た目のパッケージはブロンドヘア、青い目でも、中身のコンテンツは日本人情緒を備えている。それだからこそ、今回のプロジェクトに欠かせない人材だが、ササベは通訳としての役割を最大限に考えていた。もち

          蟹づくし、城崎温泉バス旅行

        マガジン

        • テクノロジー
          4本
        • たい焼きおばちゃんのカーネル・サンダース
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        • global scene
          4本
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          9本
        • あねさん ろっかく
          7本
        • 最高のコミュニティができるまで
          4本

        記事

          たい焼おばちゃんのカーネルサンダース

                  〈中編〉 たい焼きは甘くておいしいお菓子や。「肉まん」はあかん。 その日、ササベとジョーは市場でチューブのチョコレートとカスタ―ドクリームを買って、たい焼きの屋台に向かった。おばちゃんはここが腕の見せ所と、腕まくりしてチョコ入りたい焼き、カスタードたい焼きに挑んだ。どちらもペーストタイプなので、あんことは使い方が違う。何度かチャレンジしてチョコレートとカスタードのたい焼きを30個ほど作った。試食はアメリカ人ふたりには大好評。「ボクはおいしいと思うけど、アメ

          たい焼おばちゃんのカーネルサンダース

          たい焼おばちゃんのカーネルサンダース                    

          〈前編〉 「みやこ市場に行ったら、わたしら、つい、たい焼き買うてしまうやん」、隣のおばちゃんのだみ声が近所一円に響いている。この辺りの住人は通勤やお出かけのついでにみやこ市場に立ち寄ることが多い。市場にはこの界隈で有名なたい焼きおばちゃんがいる。話し上手でつい話し込んで終いにはたい焼きを買う羽目になる。この百戦錬磨のたい焼きおばちゃんの前に、ある日、珍しいお客が現われた。この人物の存在が、たい焼きおばちゃんが長年培ってきた自信を揺るがすことになるのである。 新しい商材を求め

          たい焼おばちゃんのカーネルサンダース                    

          最高のコミュニティができるまで(3)

          #3 あまりにすばらしい、ハミングバードさんの人となり アキさんの再投稿に、ハミングバードさんの紹介文が添付されていた。あまりにもすてきなアキさんのフォローに感激。その紹介文が的確ですばらしい。《【紹介文】ハミングバード様は語学堪能、中国語を理解して、法律も分かるグッドパーソン。性格は温厚で、ユーモアのセンスが高い人。相手の気持ちを理解する人。傾聴力が高く、バランス感覚に優れた人。仕事とプライベートを分けてSNS活動が出来る人。個人情報、秘匿情報を大事にする人。コメント交流

          最高のコミュニティができるまで(3)

          最高のコミュニティができるまで(2)

          #2 アキさんが「ハミングバード~」にコメントしたら、        ハミングバードさんがやってきた‼ ことの発端はわたしの投稿「ハミングバードのホバリング効果」にアキさんがコメントをくれたことにある。その時は正直いってハミングバードさんというクリエーターがいるというコメントはよくわからなかったが、ハミングバードさんがそのハンドルネームにした動機に惹かれた。アキさんはわたしのプロフィールコメントも気に入ってくれた。うれしいことに、ねこちゃんと同居しているので、わたしの猫シリ

          最高のコミュニティができるまで(2)

          最高のコミュニティができるまで(1)

          #1 PFアキさんのコメントがすべてのはじまりだった わたしはnoteをはじめて5~6週間くらいだと思う。記事を読んでくれる人、「スキ」や「フォロー」をしてくれる人や、コメントで交流する人ができて毎日が楽しくなってきた。でもわたしが楽しくなったのは、ちょっとした理由がある。ちょうど「ハミングバードのホバリング効果」という投稿をしたあと、PFアキさんが「スキ」してくれて興味深いコメントをもらった。 >noteで親しく交流している「ハミングバード」というクリエーターさんがいる、

          最高のコミュニティができるまで(1)

          ブラジル、アマゾン、叔父の足跡

          ブラジルで入植者の農業指導をしている叔父が一次帰国し、京都のわが家に一泊するという。叔父はわが家では大スター扱いだ。わたしは学校を休んで叔父を迎えるための準備を手伝いたかったが、母は許さない。各部屋の掃除にはじまり、叔父の好物を作るための買い物、帰国を歓迎するため叔父の好きな音楽をセレクトする父。わたしはもう一人前だから手伝えるのに。でも、いい。叔父さんはわかってくれる。 叔父がベレン、マナウスで、入植者の支援に決意したこと 叔父は台北帝国大学を主席で卒業した神童だったと

          ブラジル、アマゾン、叔父の足跡

          跳んだ、ひらいた、少女の未来

          今思い出すと実に不思議だけれど、それは跳んで現われた未来のドア。成功するまでは落ちることも多い。少女時代はそれでも何度も挑んだ。いろいろな挑戦があった。うまくいかないことも多い。うまくいった時、未来へのドアが現われた。 跳んで生まれた母とわたしの原風景 だれかに言われたわけでなく、いつも「跳ぶ」はめに陥る。人より遠くに跳んでかっこいいとことを見せたいではなく、自分自身に挑発されるよりも、「跳べないのか」と否定的な言われかたが悔しくて、つい挑戦してしまう。「跳ぶ」というのは

          跳んだ、ひらいた、少女の未来

          異次元空間、おじいちゃんの実家

          牛首という地名だった。祖父の実家だというところ。あれは2年生の夏休みだったと思う。電車でもよりの駅についたあと、古いバスに長々と乗ったように思ったが、実際の所要時間はわからない。印象的だったのは、バスが止まり、降りるところに川があり、そこで洗濯している数人を見た。あっ、あれだっ、声にださず、心の中で叫んだ。「おばあさんは川で洗濯」のホンモノを見て、ここは物語のところかと不気味に思った。父母と一緒に来たが、2人は「川で洗濯」を見ても、何も気づかない。わたしだけが真実に気づいたこ

          異次元空間、おじいちゃんの実家

          わたしとJAZZ横丁の日々

          隣同士の絆こそ、ジャムセッションだった それはオフィスの引っ越しの日だった。わたしはプランナーとして何とかやっていた。それは優秀だからではなく、不服をいわず、来るもの拒まずでやってきたからだと自分でわかっていた。そんなことで引っ越した日から締め切りに追われていた。引っ越しの日はそのまま徹夜した。その朝、空腹に耐えかねてモーニングを食べに行き、同じフロアの音楽事務所の人たちと顔見知りになった。この建物の1階の喫茶店、「ピッピ」がある。ここには録音スタジオはあるし、ジャズやポッ

          わたしとJAZZ横丁の日々

          味付海苔をできあい、しーま

          しーまは「新米ママの奮闘記」に登場したきっちゃんの愛娘。そして「ちゃぴとわたしの5 Years in Toko」に登場したちゃぴの姉で、これがわが家のきっちゃんファミリーだ。しーまはママと妹と同じく、美人猫。いつも涙目、憂いを帯びた目をもつ。チンチラの子でありながら、短毛猫として生まれた異色の子である。小さく、消え入りそうなかぼそいハイノートの声で鳴く「みーん」が特長だ。別になにかが起きたわけでもないのに、しーまは挙動不審なところがあり、見えないものをこわがる。そう表現すると

          味付海苔をできあい、しーま

          フランス人の日本大冒険

          松ヶ崎の外国人ビレッジは1人、2人と外国人が住み始め、最近は30~40人くらいが住んでいるという。出入りが頻繁で住人の数も詳しくわからない。仲よしのフランス人、クリスと一緒に住んでいる彼はK大医学部ドクターの秀才で、2人はこの外国人ビレッジの住人だ。クリスとわたしは、音楽や映画、アートの好みもぴったり。特に日本の民芸品や古い着物を取り入れたフランス風アレンジのきいたお洒落なファッションが好きだった。 ある日、小さな広告代理店の社長がラジオ番組の企画を持ち込んできた。企画内容

          フランス人の日本大冒険

          太秦、映画製作所の思い出

          エキストラに出演した祖父の縁で、撮影所見学 ある日、家を修理にきた大工さんが、作業の休憩時間に母と雑談しているのを小耳にはさんだ。「わしなんか撮影所の大道具でっしゃろ」の仕事をしていると聞こえた。「オ・オ・ド・ウ・グ…」は何かわからなかったが、何か惹かれる雰囲気を感じていた。そこでその人が帰るのを待って母に聞いてみた。母がいうには、その人は腕のいい大工さんで、映画のセットを作っている人らしい。「えっ、セットって何?」母に「映画の背景とか場面の道具のことや」と言われて、ますま

          太秦、映画製作所の思い出