エッセイ#10　「ゆったりと」｜朝日記

今朝の朝日記に、

「ゆったりと本を読みたい」

と書いている自分がいた。


ここのところ、

ちょっと忙しくて、やりたいことも沢山あって、
「こなすこと」に必死になっていた気がする。

本を読む時も、

ゆったりと味わうのではなくて、

どれだけ多くの文字にふれられるか？
とにかく多くのことを吸収できるか？

が、いつの間にか目的になっていた気がする。

もちろん、それも大事なのだけれど、

今の私は、「ゆったりと」本を読みたいと思った。

時間に追いかけられながら、走り読みで、

出来る限り多くの文字にふれるのではなくて、

ソファにゆったり腰かけて、
一言ひとことを味わうように、
沁み込ませるように読みたいと。

今日は、ここまで読もうと意気込むのではなくて、

気ままに、読みたいところまで、

ほどよい満腹感を感じるところまで、
ゆったり読みたいと。

何をするにも、

「ゆったり」すると、安心する。

自分のペースで呼吸できて、
自分のリズムや感覚を取り戻すことができるから。

感じられぬまま、通り過ぎてしまう感覚や、
気づかれることなく、すり抜けていってしまう小さな幸せを、

とりこぼさずに、抱きしめることができるから。

物凄いスピードで移り変わる日々の中で、

あえて「ゆったりと」

時には、ゆったりと、いきたい。

今夜は、お気に入りの一冊を手に取って、
ゆったりと、読もうと思う。