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今週読みたい本リスト2024/04/30

このnoteでは、Xやnoteや書店、そして人からの紹介で知って、私が「読みたいな」と思った未読本を、自分用のメモとともにご紹介しています。

人文・社会科学、小説・エッセイ、文章術・ことば、ビジネス書、自然科学、芸術と、ジャンルわけしています。全文合わせると長いので、お好きなところからご覧ください。


連休の読書のご参考になれば幸いです。

人文・社会科学

ニューロダイバーシティという言葉を聞いたことはありますか?

人と話すのは苦手でも、絵やダンスで思いを鮮明に伝えられる人がいます。
ちょっとした音や光で激しく動揺してしまうけど、心が休まる環境さえ与えられれば、高度な計算やプログラミングにずば抜けた能力を発揮する人がいます。

ーー発達障害や自閉症と診断される「非定型」な人は、「標準的」な能力を持つ人とは違うとして「区別」されてきました。しかし、これからは両者が「混ざる」ことでこそ社会が変化します。

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現千葉工業大学学長で、テクノロジーに詳しい伊藤穰一さんと、保育の場をまちづくりの拠点として位置づけ、豊かな社会づくりをめざしている松本理寿輝さんという組み合わせで、ニューロダイバーシティ(脳機能の多様性)を論じているのが興味深いです。

・「変わってる」を肯定する保育園(松本さん)
・自力で生きる社会は公正なのか(伊藤さん)
・日本の子育て家庭が直面している「あるある」(松本さん)
・「才能」に寄せられる期待と、その危うさ(伊藤さん)
・「弧育て」から「共育て」へ(松本さん)
と、考えさせられる見出しが多かったです。

ユングの膨大な著作群の中心には、ひとつの重要な問題意識が存在している。それは人間のパーソナリティの発達、すなわち私たちが人生の重要な転期を経ていかに変容し、自分自身の人生をどのように生きていくのかという問いである。

他の誰のものでもない、自分だけの人生を生きていくために。そしてそのプロセスをしっかりと経験し、パーソナリティを育むために、われわれが向き合わなければならない課題とは何か? 「パーソナリティについて」「人生の転期」他、子どもや家族、教育や心の成長をめぐるユングの主要論文9編を収録。

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「パーソナリティーの発達」というテーマに惹かれて、選んでみました。
本書に収録されている論文は、以下の9つです。

子どものこころの葛藤
フランシス・G・ウィックス著『子どものこころの分析』への序文
教育にとっての分析心理学の意義
分析心理学と教育
才能に恵まれた子ども
個人的教育にとっての無意識の意義
パーソナリティについて
心理学的関係としての結婚
人生の転期

個人的には、「心理学的関係としての結婚」「人生の転期」が気になりました。

小説・エッセイ

父親との対峙を描く「判決」、特殊な拷問器具に取り憑かれた士官を取材する「流刑地にて」、檻の中での断食を見世物にする男の生涯を追う「断食芸人」……。遺言で原稿の焼却を頼むほど自身の作品への評価が厳しかったカフカ。その中でも自己評価の高かった15編を厳選した、カフカ短編集の決定版。

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今年はカフカ没後100年ということで、「カフカの日記 新版ー1910ー1923」をはじめたくさん本が出ます。本書もまたその一冊です。

(収録作)
判決/火夫/流刑地にて/田舎医者/断食芸人/父の気がかり/天井桟敷にて/最初の悩み/万里の長城/掟の問題/市の紋章/寓意について/ポセイドーン/猟師グラフス/独身者の不幸

本書の編集と解説は『絶望名人カフカの人生論』の著者で、長年カフカの魅力を広めてこられた文学紹介者の頭木弘樹さん。作品はもちろんのこと、解説が楽しみな一冊です。


ジョセフ・ジョースターの〈波紋〉の師・リサリサが、スピードワゴン財団を従えて、中南米のジャングルを舞台に〈スタンド〉の起源をめぐる冒険へと旅立つ! 第二部と第三部の狭間に秘められた〈波紋〉から〈スタンド〉へと至るその神話を、直木賞を受賞した傑作小説『宝島』の著者・真藤順丈が中南米の香りを纏わせた魔術的文体で描くジョジョ外伝!

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ジョジョの奇妙な冒険の小説シリーズは、
・西尾維新さん(『JOJO’S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』
・乙一さん(『The Book 〜jojo's bizarre adventure 4th another day〜
      『野良犬イギー』)
・上遠野浩平さん
      『恥知らずのパープルヘイズ―ジョジョの奇妙な冒険より―』 
      『クレイジーDの悪霊的失恋 ージョジョの奇妙な冒険よりー』   
・舞城王太郎さん『JORGE JOESTAR』
 と、これまでも多くの作家が手がけています。

今回は直木賞作家で『宝島』の著者、真藤順丈さんが、ジョセフ・ジョースターの〈波紋〉の師・リサリサの冒険を中南米を舞台に、魔術的文体で描いたジョジョ外伝。読むのが待ち遠しいです。


過去のブログ記事が炎上中のラーメン評論家、夢を語るだけで行動には移せないフリーター、もどり悪阻とコロナ禍で孤独に苦しむ妊婦、番組の降板がささやかれている落ち目の元アイドル……いまは手詰まりに思えても、自分を取り戻した先につながる道はきっとある。この世を生き抜く勇気がむくむくと湧いてくる、全6篇。

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柚木麻子さんの作品は『ランチのアッコちゃん』『本屋さんのダイアナ』でハマって、よく拝読していました。生きる元気が湧いてくる気がするのがいいですよね。本作も楽しみです。


同衾するほど愛しいピカチュウのぬいぐるみや、すくすくと育つ観葉植物との日々。玄関の柱に巣を作るハチとの戦い、近所に住む家族との交流、EXILE一族に対する深い愛……。笑いあり、ときどき涙あり (?)
2019年6月号から約4年分の雑誌「BAILA」での連載に、書き下ろしを加えた全55編、三浦しをんワールド全開の最新エッセイ集。
コロナ禍でも、コロナが明けても。人気作家の目を通して描かれる「なんてことのない日常」。その素晴らしさと可笑しさがここに。

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エッセイからも一冊。〝コロナ禍でも、コロナが明けても。人気作家の目を通して描かれる「なんてことのない日常」。その素晴らしさと可笑しさがここに。〟という言葉に惹かれて三浦しをんさんのエッセイ集を選びました。「なんてことのない日常」の愛おしさをじっくり感じたいと思います。



文章術・ことば

◉ケンブリッジ大学卒の著者が、旅して集めた〝刺さる〟日本語たち。エモくてチルい言葉の栄養「いただきます!

ああ、日本語のシャワーを浴びつづけられる至福の日々。
〝これは夢かな……いや夢じゃない!〟

日本に恋をしたイタリア人ユーチューバ-のテシが、カメラを片手に飛びまわった日本語採集わくわく紀行。
ケンブリッジ大学で卒論一位を取った好奇心が見つけたものとは。

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私たちにとっては「なんてことのない日常」であっても、他の文化圏から来た人にとっては、とても「刺さる」ことがあります。そうした人の解釈を読んで、改めて日本語の面白さに気づかされる。そんな体験をさせてくれそうなのが、この本です。

〈登場する日本語たち〉
手前味噌 / 暗黙の了解 / 方向音痴 / バ畜 / スパゲッティナポリタン / 〆うどん / カフェオレ / 煮っころがし / 蕎麦前 / しゃもじ / 無いものねだり / ボッタクリ / ウケる / とぼける / 迷惑 / ドタキャン / ヤバい / 顔が広い / 裸の付き合い / キュン / おなら / ねばねば / ウケる / 「それはそれはあれだ!」……他多数。

イタリア生まれでケンブリッジ大学を出た著者が、上記の日本語をどう受け止め、どう解釈するのかに、いま私は惹きつけられています。


ビジネス書

おもしろい〈仕事〉がしたい、と人は言う。しかし、〈仕事〉のみならず、〈勉強〉、そして〈遊び〉でさえ、他者に強制される何かとは、本質的におもしろくないものだ。

ただ、〈仕事〉をおもしろくする人間は、いる。〈仕事〉は与えられるものではなく、つくるものという発想を持つことだ。

工夫する。少しでいいから、快適にする。おもしろいと思えるように、変えていく。あるいは、自分が変わる。最終的に仕事によって、自分を表現する。表現者としての職業人。そこを目指すにはどうするか? 人生を支える三つの要素を強くすることだ。

〈仕事〉〈勉強〉〈遊び〉——幸せとは、この大三角から成り立っている。

〈一生かけてしゃぶり尽くす、自分の「骨」を知る。歯を食いしばって〈遊び〉、自分で自分を律する〈勉強〉を経て、自発的に創りあげる〈仕事〉に結実する。大三角の永久循環運動。幸せとは、このことだったんです〉

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三行で撃つ』『百冊で耕す』など、表現を志す方に是非ともお勧めしたい著作を出されている近藤さん、その3冊目は仕事論です。

仕事はするものではなく創るもの、<仕事><勉強><遊び>――幸せとは、この大三角形から成り立っている。この大三角形をつなぐ流れというか、メカニズムに興味を持ちました。


ヒットの鍵はコンテンツ以外にある!?
月2000万PVを達成するオモコロ社長によるコンテンツを支えたい人への入門書!

「おもしろいコンテンツをどう支え、世間に伝えて、仕事にしていくか」という点に着目し、これまで長島健祐氏が実践してきた事例を紹介。
「人のサボりを褒めてあげる」「自分のマナーで足を引っ張らない」「よくわからない夜の会合には行かない」など、特別な能力がなくても誰でもできるスキルが多数。

著者は、100万人フォロワーのARuFa氏やベストセラー作家ダ・ヴィンチ恐山氏や雨穴氏をライターとして擁する「オモコロ」などを運営するバーグハンバーグバーグ代表取締役・長島氏。
『物語思考』著者・けんすう氏との特別対談も収録!

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編集者とは、ときにプレイヤーになることはあるけれど、基本はプレーヤーをフォローして良質なコンテンツを生み出す手伝いをするのが仕事です。その意味で、編集者としての仕事にも役立ちそうなので選んでみました。


自然科学

本書では、これまで栄養や運動に比べて軽視されてきた「疲労」と「休息」について科学的な解説を加え、
・人はなぜ疲れるのか
・疲れても無理をして休まずにいると、人間の体はどうなるのか
・どんな休み方をすれば最も効果的に疲れがとれるのか
……といった疑問に答えていきます。

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まさにいまの私に必要な本。病を抱えた私にとって、自分が使えるリソースを増やすためには、よく休むことが重要です。「頑張る」から「夢中」へのWorkシフトをはかるためにも、あまりにも当たり前すぎてよく考えてこなかった「人はなぜ疲れるのか。そして、どうすれば疲れは回復できるのか」を本書を読んで考えてみたいと思います。


自分の婚活よりバッタの婚活!? 日本、モーリタニア、モロッコ、アメリカ、フランス――世界中を飛び回り、13年にわたり重ねてきたフィールドワークと実験は、食糧危機の原因となるバッタの大発生を防ぐ可能性を持っていた! 現実を舞台にした異世界転生ストーリー、ついにリブート! 新書大賞受賞、25万部突破の『バッタを倒しにアフリカへ』刊行から7年。画期的な研究内容がベールを脱ぐ。

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タイトルだけで「読もう!」と選んでしまったのですが、バッタによる被害でいま世界はどうなっているか、ちょっとGeminiで調べてみました。

国連食糧農業機関(FAO)によると、2020年12月時点で、東アフリカにおけるバッタによる農作物被害は推定130万ヘクタール、失われた穀物は270万トンに上ると推定されています。これは、約1800万人の食料を失ったことを意味します。

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東京都と横浜市の人口を合わせると約1770万人(23年1月現在)。つまり都内全域と横浜全域の人が必要とする食料が、バッタに食い尽くされたことになります。。。。そして、農作物をバッタに食い荒らされた人々は収入を失い、また食料価格も上昇し地域経済は大きなダメージを受けています。

次に環境面での影響を見てみましょう。

生態系の破壊: バッタは大量の植物を食べるため、生態系に大きな影響を与えます。特に、草食動物の餌となる植物が減少すると、食物連鎖に影響を与え、生態系のバランスが崩れる可能性があります。
土壌の劣化: バッタは土壌を掘って卵を産むため、土壌の劣化につながります。土壌の劣化は、農作物の生育に悪影響を与え、さらなる食糧不足を招く可能性があります。
砂漠化の進行: バッタの被害によって植生が破壊されると、砂漠化が進行する可能性があります。砂漠化は、土地の生産性を低下させ、人々の生活に大きな影響を与えます。

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このバッタ被害をなんとかしようと、13年のフィールドワークと実験でバッタ大量発生防止の研究を続けてきたのが、本書の著者である前野ウルド浩太郎さんです。ここは応援の意味でも本を買って読みたいと思いました。

芸術

1994年、AIDSでこの世を去った
映像作家のデレク・ジャーマン。
彼は晩年、イギリス南東部の最果ての岬、
原子力発電所にほど近いダンジネスに移り住む。
死の直前まで慈しみ育て続けた
プロスペクト・コテージの庭は、
いつしか彼の生と死を映し出し——。

写真家ハワード・スーリーの
美しい写真とともに綴られる、
ジャーマンの穏やかな日々と
秘められた激情。
庭や植物、友人たちや恋人たち、
自身の病と死について——
生前最後のエッセイを、
美学者であり庭師でもある訳者によって、
ついに新訳復刊!

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没後30年記念として、30年ぶりに新訳・デジタルリマスター版で復刻されたのが本書です。デレク・ジャーマンが晩年住んだダンジネス半島は、イギリスでも有数の景勝地でした。そして、そんなダンジネスにある原子力発電所に複雑な思いを持っていました。

そうしたことから彼は、ダンジネス原発をテーマにした作品をいくつか発表しています。中でも1991年に発表した短編映画『ジャーマンの庭』では、彼自身がダンジネス半島について語り、原発に関する思いを吐露しています。

その3年後にハワード・スーリーの撮影のもと完成した写真集が今回選んだ「デレク・ジャーマンの庭」なのです。上記内容紹介にあるように、本書には彼の生前最後のエッセイが収録されています。

AIDS発症からなくなるまでの8年の間、彼はダンジネス半島に暮らす中で何を考え、そして生きたのだろうか。それを考えながら読んでみたいと思います。

今回は12冊ご紹介しました。


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「いつも来てくださる」あなたも、
こんなに長いnoteを最後まで読んでくださりありがとうございます!

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「超学びの記事ーっ⸜( ˶'ᵕ'˶)⸝」と評判の有料記事です。

「つくだって、こんな人」というのをまとめています。

いちばん人気のある記事です。

不定期でこんな記事を連載しています。

読んだ本の記事をまとめています。

その週に気になった未読本をご紹介しています。

現在連載を立て直し中です。申しわけありません・


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