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精神科に勤める看護師です! 趣味は筋トレ! 「自分が健康であるからこそ、患者の健康を守ることが出来る」がモットーです(^^) ほのぼのした日常のなかにも役立つ医療の知識、意欲を引き出す啓発など発信していきます。 皆様宜しくお願いします!

最近の記事

あん摩マッサージ指圧師という医療職の特殊性②

調べてみて、そして学校に入学してみて分かったこと、察したこと、考えたこと。 ・医療職としての認知度が逸脱して低い。 →そもそも人数が少ない。また、リラクゼーション業によって独占性が失われてしまっているため。 ・なぜ人数が少ないのか。 →按摩の起源から、視覚障害者の雇用を守る目的で専門学校が増えない。全国に単科が3校という異常な状況。 ・平均給与にの低さについて。 →リラクゼーション業と競っている現状があるから。ただし、圧倒的に低所得者が多い一方で、年収1000万円に到達して

    • あんまマッサージ師という医療職の特殊性①

       看護師である自分から見て、本当に特殊な資格であると思う。資格の内容だけではなく、その在り方が。  (あんまマッサージ師への強い思いが原点にもともとあった人は別として)あん摩マッサージ指圧師を生活を成り立たせるための職業として選択する人の判断が理解できない。例えば厚生労働省の職業別の平均年収を見れば、看護師で約500万くらいなのに対してあん摩マッサージ指圧師は300万円台、とても家庭を持って生活を成り立たせることができる額ではない。他にもOT、PT 、ST、臨床検査技師、放射

      • 私事ですが、転職&進学しました!

         2024.4〜これまで勤めていた精神科病院での御礼奉公が終わり、在宅看護の領域、訪問看護ステーションに転職しました。そして同時に、夜間であん摩マッサージ指圧師の専門学校へ入学しました。まだ1ヶ月経ったばかりだけど、とても充実した新生活を送っています。病院での医療と在宅での医療の違い、西洋医学と東洋医学の違い、面白いです。両方に携わる自分だからこそ、気づくことがあるんじゃないかって思います。これまでの経験を忘れず、次に活かす、そのためにこれからもこのnoteを活用していこうと

        • 精神科病棟の闇④/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          ④誤薬しても露見しない。  こんなエピソードがあります。身体合併症病棟に異動して、あるベテラン看護師と夜勤が一緒になった。勤務年数と異動直後ということからリーダーはその相方で、だいぶ自分に対して高圧的に指示してきた。夜勤明けの朝、ある患者が他の患者の薬を飲んでしまった。本来推奨されないことだが、薬を配薬カートではなく、食のお盆に載せている状況から起こった事故だ。当時はコロナ対応もあり、時短目的での工夫だった。自分がそれを発見し、ベテラン看護師に報告し、インシデントレポートを書

        あん摩マッサージ指圧師という医療職の特殊性②

          アルコール依存症専門病棟④/身体が壊れる人。人生が壊れる人。

           アルコール依存症専門病棟にきて、これまで関わってきた精神疾患患者と異なる部分、アルコール依存症が特別であると感じたことがある。それは、身体を壊している人と、人生が壊れてしまった人がいることである。  一般病棟の患者では身体が壊れる。脳梗塞で片麻痺、糖尿病で食事制限、人口骨頭で姿勢制限、など、疾患のせいでその先の人生が変わってしまうことがある。だけど、アルコール依存症患者の大半は別である。まず人生が壊れてから身体が壊れる。個別性、一人一人のストーリーはカルテを見るとどれも紆余

          アルコール依存症専門病棟④/身体が壊れる人。人生が壊れる人。

          アルコール依存症病棟③/アルコール依存症患者は病院に利益をもたらす・・・不快でしょうか?

           アルコール依存症専門病棟は、自分が勤務してした精神科病院では”利益病棟”と言われていた。異動前は慢性期の身体合併症病棟にいて、なんとなく利益病棟と呼ばれるスーパー救急病棟とアルコール専門病棟に対しては”敷居が高い””上の存在”などと感じていた。というか実際そこで勤務している看護師の中には自分達のおかげで高額賞与が保たれ、病院経営が成り立っている、といった認識を持つ看護師もいた。身体合併症病棟の1ヶ月の医療費請求額は7万ちょい(それもほぼ生活保護だから金額はあまり関係ないが)

          アルコール依存症病棟③/アルコール依存症患者は病院に利益をもたらす・・・不快でしょうか?

          アルコール依存症専門病棟②/否認の病という悲しさ。

           アルコール依存症は否認の病と言われている。厚生労働省のe-ヘルスネットには、”自分が依存症になっていると認めないこと”だと記載がある。 ・飲酒の問題を全く認めない。 ・問題を実際よりも軽く考える。 ・飲酒をコントロールできないことを他の原因に求める。 ・最初から諦めて結果的に飲み続ける。 なども含まれるとのこと。否認は自分が深刻な状況にあるということから身を守るための心理的な防衛機制の一種であるとも記載されている。  アルコール依存症治療専門病棟にて、新規に入院してくる患

          アルコール依存症専門病棟②/否認の病という悲しさ。

          精神科病棟の闇③/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          ③ADL(日常生活動作能力)を落とすという概念  ADLを向上させる、という言葉は看護学生であればほぼ必ず看護計画として立案し、それについてどうすればよいか自分で勉強したりグループで話し合う機会は何度もあるだろう。医療従事者ではない方に向けて言葉を変えると、ADLとはベッドで体を起こしたり、車椅子に座ったり、食事を自分で食べる動作をしたり、といった本来自立しているのであれば出来る基本的な生活の動作が、その患者がどの程度出来る力があるのか、という話をするときに使われる言葉である

          精神科病棟の闇③/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          アルコール依存症専門病棟①/ベンゾジアゼピン系の認識が異なる

           アルコール依存症専門病棟に異動になって4ヶ月目。急性期に分類されているが、これまでの精神科病棟とは異なることが多く、新たな発見と、認識を改めなければならないことを知る。  その1つに、ベンゾジアゼピン系(脳に鎮静作用として働くマイナー・トランキライザー)薬剤の、ロラゼパムの認識である。定期処方に入っていたり、抗不安薬として頓用薬処方される薬だが、この病棟に来るまでその薬効を感じることはなかった。看護師間では、「ペッツのほうが効く薬」や、「プラセボゼパム」などと揶揄していた。

          アルコール依存症専門病棟①/ベンゾジアゼピン系の認識が異なる

          精神科病棟の闇②/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

           精神疾患の長期臥床患者が入院する病棟(精神身体合併症病棟)において、”闇”と形容する状況を説明するため、以下にその要因を挙げる。 ①一般科病棟と比較して配置スタッフが少ない。  精神科特例、という法的な枠組みがある。自立した患者層の病棟であるならばそれが不適切であるとは思わない。自立した患者層でスタッフが行うことは、体温と脈拍を測って記録する、入浴する患者を見守る、食事の摂取や薬の内服を見守る、買い物に行っておやつを代わりに買ってくる、喫煙に行く患者のタバコライターの貸し出

          精神科病棟の闇②/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          精神科病棟の闇①/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

           東京八王子にある精神科滝山病院での患者虐待事件のニュースを知っているだろうか。NHKの特集番組にもなった。医療従事者も一般の人もそのニュースを知ってかなり衝撃を受けた人が多いと思う。8割が非常勤の看護師で構成された病棟で、映像では看護師からの暴言暴力が患者に向けて行われていた。あり得ない、という感想、あってはいけない、という問題意識が当然の感覚だと思う。仮に医療従事者で、かつ精神科での職務経験を持っている人でも、必ずしもその闇の部分に触れる機会があるとは限らない。自分も知ら

          精神科病棟の闇①/帰れない、動けない、伝わらない、治らない。それでも死なせない。/身体合併症病棟にて。

          看護師を目指す利点③/”辞める”選択がある人生の強み

           どの仕事だろうと辞める権利はあり、強制的に働かされることはない。正論だけど実情とは異なると思う。辞めたくても辞める選択肢が浮かばない、辞められない事情がある、など。  自分の場合は公務員を辞めてはいけないという育ってきた中で生まれた固定概念と、ある程度の収入があり他でその収入を得ることが出来ないのではないかという発想から辞める選択肢が浮かばなかった。世間知らずだったことは愚かだと思うし、辞めた経験を持つ側、もしくは自分の能力に自信を持っている生き抜く自由がある側の人からした

          看護師を目指す利点③/”辞める”選択がある人生の強み

          看護師を目指す利点②/看護師はいつでもどこでも働ける

          ①看護師はどこでも働ける。 ②ほぼ同じ給与水準で働ける。 ③様々な働き方ができる。  現状と今後数十年に限れば、看護師の需要が下がることはなく、慢性的な人材不足は続くだろう。ある程度の人口がいる都市なら間違いなく、田舎であっても選ばなければ働き口がない状況はあり得ない。  自分が過去看護師資格を取る前に、職探しをした際の状況を踏まえて話したい。学歴は高卒で、年はその当時26歳、公務員を退職したが公務員は雇用保険未加入のため、失職した際の手当や教育支援制度など受けることが出来

          看護師を目指す利点②/看護師はいつでもどこでも働ける

          看護師を目指す利点①/志がないとなってはいけないのか?

           准看護師3年、正看護師3年、計6年間の病棟看護師の経験を終え、次のステップに向けて就職活動中。御礼奉公も終わり、一区切り付いたと自分では思っている。看護師になるまでを振り返りつつ、看護師を目指す人に向けて、看護師になる利点を伝えることが出来たら、と思う。  ちなみに、自分は子供の頃に病院の看護師さんに…とか、親が医療職だったから…とか、看護師という病気の人を助けることができる仕事に憧れて…とか言う綺麗な志からこの仕事を目指したわけではない。なので、そういった方や、今やりがい

          看護師を目指す利点①/志がないとなってはいけないのか?

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい⑤/顛末/部署異動

           顛末がついてから3ヶ月ほど経った。すぐに書くことが出来なかったのは動揺と環境の変化での消耗からだった。  肩透かしな顛末だが、結局家族からの訴訟は無く、これまでいた精神科身体合併症病棟からアルコール依存症治療病棟へと部署異動の命令が下ったことで終わった。  自宅待機をして1ヶ月経過して、看護部長より呼び出しがあった。”家族は大ごとにしたくないとのことで君本人ではなく病院からの謝罪で納得してくれた。君には明日からアルコール治療病棟へ異動してもらうことになった。”と告げられた。

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい⑤/顛末/部署異動

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい④/弁護士への相談・心療内科受診・自宅待機期間開始

           弁護士へ今回の件を相談した。その際のやり取りは省略するが、受けた助言などを要約すると、自宅待機を命じられたのであればその根拠と理由と期間を書面でもらうこと、会話の録音データは合法ではないが仮に裁判になった場合に証拠として有効である、とのものであった。そして、やっていないことを認める書面は出すべきではない、とのことであった。  時間が経過した今だから冷静に考えることができる。看護部長と事務長に脅された、傷害事件になれば看護師免許を失うことになるかもしれない、謝罪して家族への感

          看護師賠償責任保険の重要性を伝えたい④/弁護士への相談・心療内科受診・自宅待機期間開始