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読書レポート「ゼロ秒思考」

目次

第1章 「考える」ためのヒント

  1. 頭に浮かぶイメージ、感覚を言葉にする

  2. 言葉を自由に、的確に使うことを目指す

  3. 言葉の中心的意味と揺らぎをとらえる

  4. 浅い思考、空回りの思考を避ける

  5. 「沈黙思考」も「話すだけ」もむずかしい

第2章 人はゼロ秒で考えられる

  1. 時間をかければ考えが深まるとは限らない

  2. できる人、優れた経営者は即断即決

  3. 究極はゼロ秒思考

  4. ゼロ秒思考と情報収集

  5. ゼロ秒思考はメモ書きで身につける

  6. メモ書きの効能

第3章 ゼロ秒思考をつくるメモの書き方

  1. タイトルの書き方

  2. 本文の書き方

  3. 思いついたことは、とにかくなんでも書く

  4. メモはA4用紙の裏紙に

  5. メモは毎日10ページ書く

  6. 1ページ1分で、思いついた瞬間に書く

  7. ノートや日記、ワード等ではだめな理由

  8. メモを1分で、どこでも書けるようにする工夫

  9. 感情を考えに、考えをメモに

  10. 状況・ニーズ別のメモのタイトル例

第4章 メモを使いつくす

  1. メモは深掘りするとさらに効果的

  2. 1つのテーマを多面的に書く

  3. メモの発展型

  4. メモとロジックツリーの関係

  5. メモから企画書をまとめる

  6. チームメンバーや家族にもメモ書きを

第5章 メモの整理・活用法

  1. クリアフォルダに分けて整理する

  2. フォルダの分類を見直す

  3. メモのその後


概要

「ゼロ秒思考」は、情報が溢れる現代社会で、情報を効率的に処理し、迅速に意思決定を行うための手法を探求する赤羽雄二著の一冊です。私たちが直面する膨大な情報をフィルタリングし、混乱することなく迅速かつ適切な決断を下すための新しい手法を提案しています。

本書では、情報の整理や思考の明確化を助けるツールとして「メモ」の重要性が強調されます。メモを取ることで思考が具体化され、脳が新たなアイデアや解決策を見つけ出すための余裕を持つことができると説明されています。

さらに、著者は「無意識」の活用についても詳しく解説しています。意思決定プロセスでは、意識的な思考だけでなく、無意識が大きな役割を果たしていると述べ、その無意識の力を最大限に活用する方法について示唆しています。

「ゼロ秒思考」は、情報過多の現代社会で生き抜くための新たな視点と具体的なツールを提供してくれる本です。情報の整理と迅速な意思決定が求められる現代社会で、より効果的な思考法を身につけるための一冊と言えます。


著者

赤羽 雄二
ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二氏は、東京大学卒業後、コマツでダンプトラックの開発に従事。スタンフォード大学大学院で学んだ後、マッキンゼーにて経営戦略の立案や新事業立ち上げなどに携わり、マッキンゼーソウルオフィスの立ち上げやLGグループの成長を支援。2002年には、ブレークスルーパートナーズを創設し、経営改革や人材育成に取り組んでいる。

https://citrus-net.jp/writer/profile/560


レポート

ゼロ秒思考という言葉が沢山出てきますが、本書では「瞬時に現状を認識し、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できること」と述べています。

突然ですが、皆さんはサバンナでライオンに出会した時にどうしますか?

  1. 槍で戦う

  2. 一目散に逃げる

  3. 味方を呼ぶ

この状況下で迷っている時間はなく、何もしなければ襲われてしまいます。
取りえるアクションを瞬時に判断する必要があるのです。
これもゼロ秒思考と言えるでしょう。

ちなみに、最良の選択肢は「逃げる」だそうです。
ただし、ライオンは速く走ることができ、また直接逃げると追いかけられる可能性があるため、直接走って逃げるのではなく、ゆっくりと後退し、ライオンからできるだけ離れるようにします。
同時に、できるだけ自分を大きく見せ、声を出して威嚇することも推奨されているそうです。

ゼロ秒思考
ゼロ秒思考は赤羽雄二氏が提唱する思考法で、情報過多の現代社会で迅速かつ効果的な決定を下すための手法です。
日々の経験や知識を利用し、思考のパターンを事前に設計することで、即座に適切な決定を下すことを可能にします。
ただし、良質な決定を下すためには、自身の経験や知識を継続的に更新することが重要とされています。

例えば、テクノロジーの領域では新しい情報や知識が常に生まれており、古い情報に基づいて決断を下すと効果的な結果が得られない場合があります。同様に、自分自身の経験も時間と共に変化します。以前の経験が現在の状況に必ずしも適用できるとは限りません。

そのため、赤羽雄二氏は自己の経験や知識を継続的に見直し、更新することを重要視しています。新しい情報を学ぶ、新しい経験を積む、自己反省を通じて過去の経験から学びを深める、これらの活動を通じて、自己の思考パターンを最新かつ適切なものに保つことができます。

メモ書きの効能
ゼロ秒思考を養うために、本書ではメモ書きを進めています。
ただ単にメモを取るのではなく、細かい指定がされています。

  • A4用紙を横置きで使用する

  • 1つのタイトルで1枚の用紙を使用する

  • 1ページに4~6行、1行は20~30文字程度

  • 1ページのメモ時間は1分以内

  • 1日10ページ書く

毎日10ページを書くことを1ヶ月続けると、頭にどんどん言葉が浮かぶようになり、メモに書くよりも早く言葉が湧いてくるようになる。
さらに数ヶ月続けると、瞬間的に全体像が見えるようになり、「ゼロ秒思考」に近づいてくる。
ものによっては瞬間的に問題点が見え、課題が整理でき、答えが見えてくると本書では語っています。

ゼロ秒思考を習得するメリット(自己解釈)

  1. 迅速な意思決定
    情報を即座に処理し、迅速に意思決定を行う能力を養うことができます。これにより、競争が激しいビジネスの現場や日常生活の中で速やかに適切な行動を取れるようになります。

  2. 高度な問題解決能力
    問題を構成する要素を分解し、それぞれを独立して考える能力を養うことができます。これにより、複雑な問題に対しても効率的にアプローチすることができます。

  3. 自己学習と成長
    ゼロ秒思考の鍵となるのが、自身の経験や知識の継続的な更新です。これにより、自己学習と成長のサイクルを作り、時代の変化や新たな課題に対応する能力が強化できます。

  4. 深い理解と洞察
    ゼロ秒思考は、情報を深く理解し、その背後にある本質やパターンを把握する力を養。これにより、新たな視点や洞察を得ることができ、より創造的なアイデアや解決策を生み出すことが可能となります。


所感

「ゼロ秒思考」は、多忙な現代社会で即座に適切な意思決定を行う能力を養うためのツールとして非常に価値ある一冊でした。
著者の赤羽雄二氏が豊富な経験と洞察力をもとに提示する思考法は、ビジネスシーンはもちろん、日常生活の中での問題解決にも役立つものです。

特に印象的だったのは、継続的な自己学習と反省を強調する姿勢です。この概念は、私たちが絶えず進化し、新しい課題に適応していくための鍵となると感じました。また、ロジックツリーや企画書への活用、情報の整理方法など、具体的な思考ツールが提供されている点も、読者としては非常に参考になりました。

ただし、ゼロ秒思考の実践は簡単なものではないとも感じました。日々の生活や仕事の中で、この思考法を組み込んでいくためには、一定の訓練と時間が必要となるでしょう。しかし、その努力は確実に実を結ぶと確信しています。

「ゼロ秒思考」は、一人ひとりの意思決定力を高めるための価値ある指南書と言えます。著者の提唱するゼロ秒思考は、私たちが抱える課題を解決し、新たな可能性を見つけるための、非常に重要な能力と言えるでしょう。


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