プラトニック婚、絵本で性教育と人権を考える。

「未完成婚、」のいつもの書き始めを変えてみました。プラトニック婚、流行らせたら賄賂もらうぞ。おー。

はい。

GW、皆々様おつかれさまです。
私は逆にこれから休みに入るタイミングでして、優雅な気分でおティーを飲んで過ごしております。笑

今日は、プラトニック婚の立場の私が、最近感動した絵本を紹介したいと思います。

『はじめての「からだ」と「性」のえほん だいじ だいじ どーこだ?』
(遠見才希子・作 川原瑞丸・絵)

近所の本屋で目に入って、どんなことが書いてあるのか気になって手にとってみました。

結論、とても素敵な絵本です。

内容は、
・自分の身体を知る
・自分の身体は自分のもの
・プライベートパーツについて
・こんなときは大人に伝える
など

そしてなにより、「性教育とは、人権について伝えることだ」というテーマが見え、感動しました。

性教育の絵本はたくさん出ていて、内容に時代の流れを感じ、見ていて面白いので、たまに手に取ります。
中には結構しっかりセックスのことが書いてあるものも見かけたことがあるのですが、
「そこまで書くならセックスができない人のことも書こうよ……」
「セックスしないで子供つくる方法だってあるじゃん……」
「セックスが愛情表現の方法みたいな話になるのもなんかなあ……」と、
夫とセックスしたことがない私(ひねくれver.)は、そうモヤモヤしてしまうことも多いのですよね。笑

でも、この『(略)だいじ だいじ どーこだ?』は、なんというか読んでいて「そうそう、そこ踏んでほしい!」と思って。何目線かわからないのですが、なんだかスッキリしちゃいました。笑

これ、もし自分が結婚する前に読んでいたら、私が悩んでいた、
「夫婦なのになぜセックスができないんだろう」
「なぜ私は求められないんだろう」
「なぜ夫は求めてくれないんだろう」
……系の考え方は、もしかしたら違って見えたかもしれない、と思うほど?
(大袈裟?でも、ほんと。)

そもそも、自分の身体は自分だけが自由に行使できる「権利」がある。
それは他人の身体も同じで、身体というのは、その人だけのものである。
だからこそ、かけがえのないものである。

そんなシンプルなメッセージは、痛烈にさえ感じます。

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自分と、自分が受けた性教育の距離感を振り返ってみると、こういう人権的なメッセージを受け取る前に、

「身体は年齢によって変化していきます」
「精子が卵子と受精し、受精卵が着床することが妊娠です」
「経済力や責任能力のないときに妊娠、出産することは非常に大きなリスクです(≒不幸です≠妊娠することが幸福です)」

という事柄だけを受け取ってしまった気がしてならない。
学校に限らず受けてきた性教育が悪いと言っているわけではない。けれど、もっと、それ以前に自分のなかに育てたかった「人権」という考え方があったのかもしれないと、今の立場だと感じる。

私は過去、夫とセックスしようとしたとき、漠然とした恐怖を覚えた。
なにも夫が乱暴だったとか、そういうことではなくて、
振り返ると「結婚する前に、環境が整っていないのにセックス・妊娠≒不幸」の思い込みが強かったのだと思う。
ちなみにこの辺りは父親からもよく言われていた。直接的ではないにせよ、セックスはそれなりに重いものだ、という感覚が強い父だったので、その価値観は少なからず共有されていた。
それから、親戚がいわゆる「デキ婚」で、そこに対してなんとなく白眼視する雰囲気が成長期に過ごした家にはあったと思う。

結果、貞操観念ガッタガタの現在に至るわけだが(笑)、
未完成婚で悩んでいた頃を改めて振り返ると、
なんというか、基盤にしたかった人権を学ぶ前に、変な方向の完璧主義(今は子供をつくってはいけないだとか、夫婦はこうあるべきだとか)が炸裂していて、その結果、利己的な部分(なぜ私は他人から必要とされないのか、もっと夫婦として普通でありたい、自分より遅く結婚した人の方がもう妊娠していて嫌だ、など)が悩みとなって露出していたのだろうと今は思う。

ちなみに私の知り合いに「二桁先輩(ふたけたせんぱい)」という先輩がいて(経験人数が二桁らしいので私が勝手にそう呼んでいるのですが笑)、
その二桁先輩に「セックスのハードルを上げすぎだと思う」と言われたことがある。
本当にその通りだったと思う。

もっと良い意味で気軽に「やってみよう」と思う気持ちや、
「まあ、適当に気が向いたときでいいや」という余白、
そしてその基盤となる「相手の身体は相手だけのもの、自分の身体も自分だけのもの、それは人権である」という考え方が、
もっと若いときに自分の中で育っていたら、今とは何か違っていたのかもしれないと思う。

でもまあ、今、それを知ることができたので、全く後悔はない。

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