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ロンドン(ウエストエンド)観劇記録

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ロンドンのミュージカル/演劇/バレエ公演の記録を更新していきます。
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2024年劇場初めは、やはりロンドンで(2)

2024年劇場初めは、やはりロンドンで(2)

2024年の劇場初めをレビュー!
1月5日にロンドン入り、18日まで劇場を巡っておりました。

気になる作品リストはこちら👇
1月6日 Hansel & Gretel @Globe /
Sunset BLVD. / Sondheim's Old Friends
1月7日
Hansel & Gretel @Royal Opera / Frozen
1月8日 Brief Encounter @

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2024年劇場初めは、やはりロンドンで(1)

2024年劇場初めは、やはりロンドンで(1)

2024年、始まりましたね。
今年も劇場でどんな作品と出会えるか、
どんな観客と出会えるか、楽しみです。

2024年の劇場初めは、やはりロンドンでした!1月5日に現地入り、18日まで劇場を巡っておりました。

気になる作品リストはこちら👇
1月6日 Hansel & Gretel @Globe /
Sunset BLVD. / Sondheim's Old Friends
1月7日
Han

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What is my origin of Musical Theatre[僕の原点]

What is my origin of Musical Theatre[僕の原点]

ミュージカル好きが高じて、劇場に就職後、毎年のようにブロードウェイやウエストエンドへ。精神が崩壊して、生きる気力失い、命からがら国外逃亡した先で、ウエストエンドの舞台たちに救われ、来年からシドニー経由でイギリスに演出を勉強しにいく。

ここまでミュージカルに惹かれて、導かれているのはなぜなのか。ありがたいことに聞いてくださる方もおり、久しぶりに原点に目を向けたいと思いました。

よくよく遡っていく

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多い人は100回近く観ている⁉︎熱狂的なファンを生む、みんなの夢を叶えた構想15年の傑作ミュージカル ロンドン観劇日記(8)『Back To The Future The Musical』

多い人は100回近く観ている⁉︎熱狂的なファンを生む、みんなの夢を叶えた構想15年の傑作ミュージカル ロンドン観劇日記(8)『Back To The Future The Musical』

『Groundhog Day』を観に行った日、劇場で隣になったニューカッスル在住の女性とミュージカル談義で盛り上がりました。

「おすすめは何?」と教えてもらったのが、先日の『Next To Normal』でした。そしてもう一つ、盛り上がったのが、今回の作品です。

「最高だよね」
「私、15回は観たわ」
「Wow!」
「でも100回近く観てる人もたくさんいるわ」

熱狂的なファンを生む作品の正体

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ロンドン滞在8週間。日本の劇場にいけなくなったその理由とは?

ロンドン滞在8週間。日本の劇場にいけなくなったその理由とは?

3月〜5月のうちの数週間と8月の丸々一ヶ月をイギリス、ロンドンで過ごしています。
基本は毎日ロンドンのどこかの劇場にいるのですが、故に感じる日本とロンドンにおける劇場の楽しみ方、愛で方の違いがあります。

劇場について掘り下げる前に、「公共」という考え方について触れたいと思います。

日本で「公共」の場所というと、「みんな」のものだから、他の人に迷惑をかけないように振る舞う。そういう共通認識がある

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それは誰にとってのノーマルか?そのノーマルは幸せなのか?待望のロンドン上演となった公演が凄すぎた…ロンドン観劇日記(7)『Next to Normal』

それは誰にとってのノーマルか?そのノーマルは幸せなのか?待望のロンドン上演となった公演が凄すぎた…ロンドン観劇日記(7)『Next to Normal』

ある家族の話。
ダイアナは妻であり、娘の母親。
そして、8ヶ月で亡くなった息子の母親でもあります。
ダイアナは頭の中で生き続ける息子とよく話をします。

精神科医に大量の種類の薬の服用を勧められますが、改善されることはありません。そんなある日、頭の中の息子に誘われる形で、ダイアナは自傷行為にいたります。
 
手術を薦められたダイアナは脳がショック状態になり記憶を無くします。夫は、息子の存在を無かっ

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「好きな」作品と「良い」作品は違う?ロンドン観劇日記(番外編)

「好きな」作品と「良い」作品は違う?ロンドン観劇日記(番外編)

劇場を出た時の開口一番の感想が(基本一人なので、言わないですが)
「『好きな』作品だな〜」という時と、
「『良い』作品だな〜」という時があります。

前者はエンタメ色の強いもの、
メッセージ性は弱く、
けれどその空間が楽しい。
劇場で人と話す時は、”I truly love it !!"と言えるもの。

後者は派手さはないかもしれないが、
劇中通して一本の道がずっと通っていて綺麗、
かつ劇場を出る

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あなたは「人は変わる」と考えますか?ロンドン観劇日記(6)『Groundhog Day』

あなたは「人は変わる」と考えますか?ロンドン観劇日記(6)『Groundhog Day』

突然ですが、グラウンドホッグ・デーという日をご存知でしょうか。
日本ではほぼ聞かれない風習かと思われます。
もともとは、クリスマスの40日後に祝われるキャンドルマスという風習でした。この風習自体の記録は西暦380年まで遡るといわれています。

次第にこのキャンドルマスは、天気予報、未来予測に関連づけられるようになりました。英語ではこのようなことわざが残されています。

またドイツでは

といわれる

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父は難しい…ロンドン観劇日記(5)『Mrs.Daubtfire』

父は難しい…ロンドン観劇日記(5)『Mrs.Daubtfire』

ミュージカル作品の中には、人気映画を舞台のために作り替えることも少なくありません。ニューヨークでは、マリリン・モンローが出演している映画"Some Like it Hot!(お熱いのがお好き)"が上演されています。コロナ前にもダスティン・ホフマン主演の"Tootsie"(山崎育三郎主演で日本でも上演予定)が制作され、話題となりました。

2015年には制作が始まっていたものの、制作チームが変更にな

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「革命が、昨晩、始まった」ロンドン観劇日記(4)『Crazy for You』

「革命が、昨晩、始まった」ロンドン観劇日記(4)『Crazy for You』

ミュージカルといえばアメリカのブロードウェイをイメージされる方も多いのではないでしょうか。よく日本国内でミュージカルが上演される際、タイトルの頭に”ブロードウェイ・ミュージカル”という言葉がつくことが多いと思います。

第一次世界大戦の勃発でヨーロッパ諸国(主にイギリス)からエンターテインメントを輸入できなくなったアメリカでは、自国による自国のためのエンターテインメントの創造に力を入れるようになり

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123年間大人も子どもも魅了し続ける激強コンテンツ!ロンドン観劇記録(3)『Wizard of Oz(オズの魔法使い)』

123年間大人も子どもも魅了し続ける激強コンテンツ!ロンドン観劇記録(3)『Wizard of Oz(オズの魔法使い)』

「Over the Rainbow(虹の彼方に)」を一度も耳にしたことのない方は、いないのではないでしょうか。この音楽史上でみても大ヒットした楽曲を冒頭に擁するミュージカルが『Wizard of Oz(オズの魔法使い)』です。

ジュディ・ガーランド主演のミュージカル映画は1939年に公開。アメリカン・フィルム・インスティチュートの選定する「歴代名画ベスト100」で第6位、アメリカのバラエティ誌が

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