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気持ちの良い物流センターに出会った

驚き=些細な当たり前

機会があって、ある物流センターを見学させていただくことができました。
門を入って、駐車場に向かいます。
社有車の駐車場では社用車が整然と停められている。
これが、ありそうで意外とないんですよ。
自社の駐車場へ自分が普段乗っている車を停めるのはいくらか緊張感が薄まるのか、ラフになりがちです。
そこでは、同一車種だったのですが、横から見たら車の鼻先が揃っているんです。ショールームのようなんです。
気になって正面から見てみると左右の幅も揃っている。
「すごいですね」と言ったら、「決められた車を、決められた場所へ、決められたように、停めてあるだけですよ。」と怪訝な顔をして答えられました。何が珍しいことなのかはわかっていなかったようです。
「当たり前ができることは素晴らしいですね。」と言いました。
この物流センターでは、いつ見てもこうなっているんだろうなと思いました。

案内されながら、感心したこと

事務所から構内を案内していただきました。
それぞれのいくところで皆さんから気持ちの良い挨拶をしていただきました。挨拶は機械的に聞こえるところも多いですが、好意的な印象も感じる気持ちの良い挨拶ばかりでした。
さらに、目に入ってくる植え込み、駐車場、廊下や階段、自販機周り、トイレなどどこも整然としていてキレイなんです。
また、掲示板には毎日記入してあるものが貼られているのですが、これらもキレイに整列されている。
乱れがないんです。
意地悪心が働いて、管理板の上面に目をやりましたが、ホコリも溜まっていない。視線より高いところは忘れがちなんですが、そこもしっかりと清掃され、清潔にされている。
4S活動の実施項目にどこをどの曜日に、どの頻度で行いなさいと書いてある。当たり前にやっているので、大きく乱れることはないとのこと。
大切なのは、現場リーダーの現場巡回で4Sチェック項目にも入っているそうです。
参りました。

4S活動で十分…その理由は

「整理・整頓・清潔・清掃・躾の5つのSからくる5S活動が行き届いていますね」と聞いてみました。
すると意外な言葉が返ってきました。
「4Sはやっていますが、活動にはなっていないんですよ。」
「ましてや躾を加えた5Sにもなっていないんですよ。」
「活動としてしまうと、そのための動きが必要になってしまいます。」
「それをやり始めると業務の特性上、現業員の負荷が増える形になってしまうので、活動にはせず、日々の実施項目としてしっかりやっていただいています。」
「やってくれていることをしっかりとみて、ありがとうと伝えるようにしています。」
自分の職場の作業する場所、道具、書類などは大切にし、清潔に清掃された場所に整理整頓して運用すると言う習慣が身についていると言うことだろう。「躾」のSは、文字にしていないだけで、職場体質としてしっかりと根付き、定着しているのであえて5Sに変える必要はないのであろう。

評価の共有

「今回、褒めていただけたことは朝礼で皆にしっかり伝えさせてください。」
職場全体を褒めてもらえたとして、現業員全員と共有したいと言うことことだった。
嬉しいことはすぐに伝えたいと笑顔で話していました。
「ミスや事故はありますか?」と聞いてみた。
「新人教育が終わって配属し、3ヶ月経過しところに貨物を落下して再梱包するという事故がありました。」
「慣れてきた頃に、フォロー教育ができていなかったので、作業者には悪いことをしたなと思っています。」
「早くできるようになったことを喜んでいるのが気になってはいたんですけど。みてあげれていなかった私たちの責任です。」
教育計画は見えるようにして張り出して、自分たちのポカよけとしても機能するようにしましたとのこと。

こんな物流センターにお願いがしたい

見学している中でこちらも参考になるものを多く見せていただきました。
先方からの質問もあり、率直な会話をしました。
色々な会話の中で、まだまだ課題は多くあるとは思います。
しかし、最も大切な職場体質が出来上がっており、お客様から預かった貨物を大切にし、職場の道具や環境を大切にし、良いこと、悪いことを素直に職場全体で共有できている。
こんな物流センターに仕事をお願いしたいと思う。

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