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〔154〕覇権通貨と國體通貨をつなぐ國體参謀衆  2/15完成 いよいよ佳境に

 ペトロダラー計画の根幹を否定する「脱米ドル」のような大胆な政策転換をBRICSの加盟国では新参のUAEが先唱するのは、旧加盟国の内ですでに「大胆な政策転換」が成立していることを反映したものですが、この転換は通貨体制に止まらず、今後の世界統治体制に及ぶのです。
   WWⅡ後に成立した米ソ(インチキ)二極体制を支えたブレトンウッズ体制(金ドル本位制)が金地金の不足により立ちいかなくなった、とするのが落合の洞察史観です。
 これに対処するため、諸国の財務相・中央銀行総裁が集まってスミソニアン会議を開き、米ドルと金の兌換性(金本位制)を放棄して「変動為替制」へ移行しましたが、これだけでは米ドルはただの紙切れに過ぎず、ただ為替市場で他国通貨と交換できるだけです。
 金本位制のような信用ある通貨制度を創るためには、信用財として金を上回る物質を見つけなければなりませんが、そんなものある筈がないので、今まで金本位制に縋りついてきたのです。
 そこで、本位財としての適性をかなり度外視したうえで、工業化が進む時流に合わせて選んだ「代行本位財」が「原油」だったのです。
 ところが、これを企画したキッシンジャーと背後は、金から原油への信用財切り替えを好機として、原油価格を「意図的」に高騰させることで原油生産国に不自然な利得を与える政策をも併せて実行します。
 ここで「意図的」とは戦争のことです。ペトロダラーの場合は昭和四十八(1973)年の第四次中東戦争の他に数回の中東戦争が「意図的に」企まれており、多くの兵士及び住民の人命が実際に失われました。
 古来「戦争」といわれたものは、具体的に掘り下げればこれに似た場合も多く、傍観者のわれわれは「兵亊と所詮そのようなもの」と見過ごすしかないのですが、近年の戦争は将兵だけでなく住民や子どもにも被害が及ぶのが普通です。
 この場合に、逆らうべくもないわれわれは傍観するほかありませんが、ともかく、このように「無差別戦争までワンセット」なるがゆえに、このような策謀は「鬼手」と呼ばれるべきです。

 かかる「鬼手」を企む策謀の謀主はもはや常人ではなく、「鬼」と呼んでよいでしょう。いかなる人士なのか具体的には知りませんが、かれらの実在を確信する落合は、とりあえず「國體参謀衆」と呼んでおります。
 ヘンリー・キッシンジャーは紛れもなくその一人です。ほかにはウラジミール・プーチンもそのように考えられます。過去にさかのぼると石原莞爾がいます。今年から出る一万円札の渋沢栄一も勿論その一人です。
 近来、世界史の要所に登場する人物の中に國體衆と思しき人士が見当たりますが、外見的に判断すると、「参謀」と「行動家」の二通りが存在するようです。
 本当の参謀なら本来は表面に出ないと考えられ、われわれが具体的に目にするのは行動者だけ、との見方もできますが、中には一人で両方を兼ねる者がいてもおかしくなく、ヘンリー・キッシンジャーがそ、と落合は思っていますが、この段階で決め付けることではなく、しばらくは「行動家」と「参謀」を含めて「國體参謀衆」と呼ぶことにしますので、各位はご了承ください。

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