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〔170〕竹下登の「一の國體秘策」に応じた在華國體参謀たち  4/18最終稿必読

〔170〕竹下登の〔一の國體秘策〕に応じた在華國體参謀
 國體天皇府の企てた「一の國體秘策」の目的は、日米と日中の国家間距離を均等にして、日本を頂点とする「二等辺三角形」にすることです。
 勿論、米中の距離も当距離にして「正三角形」にすればもっと良いのでしょうが、アチラ側にも事情があり、日本としてはとりあえず日米と日中の等距離化を図るべきです。
 因みに鳩山由紀夫首相が「日・米・中の正三角形」を提唱した時、これを嗤う国民が多かったことを覚えていますが、落合が「この考えは根本的に正しい」とと思うのは、日本がWWⅡ敗戦以来の「対米隷属」を脱するには、この方法以外に見当たらないからです。
 アマコスト駐日アメリカ大使の工作を受けて、日本政界の二大政党化を請け負った小沢一郎に担がれて民主党政権を担った鳩山由紀夫を、今になって嘲笑する向きが多いことは慥かですが、これは民主党政権の悪政に対する国民の嫌悪感と、民主党から政権を奪取した安倍晋三の円安政策(アベノミクス)により、日本の輸出が回復したことに対する国民の好感がもたらしたもの、と落合は考えます。
 鳩山の「日・米・中の正三角形」論を国民が受け入れないのは、そもそも問題は「米軍間接占領下で安眠を貪る」日本人そのものにあり、これに覚醒を促す鳩山の言を受け入れることができないからです。
 本来鳩山家は「日本の大東社」たる玄洋社と黒龍会の流れを汲む國體奉公衆で、ことに「由紀夫が笹川良一と血統的に繋がる」と聞いている落合の鳩山由紀夫観が一般の評論家とは大きく異なることを、諸兄姉はどうか認識してください。

 鳩山由紀夫は平成令和の政界で「一種の道化」を演じているのです。国の安全保障を米軍に依存し、非兌換ドル体制に従属して「通貨朝貢」を続けている本邦の現状を肯定する国民が多数を占める現状で、従米からの脱却を大衆に訴えるには「道化を演じる」しかないと考えてのこと、と落合は観ているのです。
 鳩山由紀夫の真意はその周辺人物ををみればわかります。元ウズベキスタン大使・イラン大使で岡崎久彦の後の国際情報局長に就いた孫崎亨は、鳩山内閣が創った「東アジア共同体研究所」の所長・理事を勤めています。
 孫崎は外交官の先輩岡崎久彦との間に立場の相違があったようです。どのような相違か知りませんが、おそらく親米従属主義を唱える岡崎と、対米自立論に立つ孫崎の対立ではなかったか、と落合は思います。
 因みに岡崎久彦の遺作『陸奥宗光(上)(下)』を検討し、その内容の非なる所以を『月刊日本』に連載したところ、同著がアメリカ側の要求により書かされたと教わった落合は、その後、岡碕が死ぬ前に言ったという「自分の陸奥宗光論は、あとが落合さんがやってくれるから」の意味を考えてきましたが、今になって「アメリカは日本近代史の捏造を今日も続けている」ことを覚りました。
 また落合と桐蔭高校の同学年で、かつて「新自由クラブ」の創設に際して理論的支柱を提供した橋本晃和(桜美林大学大学院特任教授)は『日米中トライアングルと沖縄クエスチョン』の著者で、鳩山の普天間基地に関する政策のブレーンをしています。
 これを見るに鳩山の真意が「祖国の対米従属からの離脱」にあることは明かですから、落合は鳩山の「日米中正三角論」に対し「小異を捨てて大同に就く」のです。
 話を戻すと、「一の國體秘策」に掛けた竹下登の尽力に、中国側で応じた
応じた在中國體参謀がいたのです。
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